第28話 「気づいて、気づかないで」
「……」
とあるコンビニで、夏実はじっとバレンタインコーナーを見ていた。
可愛らしくラッピングされた、色とりどりの箱たち。
大きなお店や、チョコレート専門店にあるものには劣るものの――今の夏実が思い描く「篠塚京輔へのバレンタインチョコ」は、あまり豪華すぎないことが重要だった。
(これなら何とかなりそうかな……)
いくつかある中から一つ、夏実は手に取った。
直方体の、手のひらに乗る程度の大きさ。
厚みも十分。
特別な包装紙はなく、そのままリボンがかかっているタイプの、シンプルなものだ。
「うん、これにしよう……」
念入りに箱を確認した後――夏実は、もう一つ同じ箱を手に取った。
(本気でやるの? ホントに? ここまでするくらいならあげないほうがマシなんじゃないの……? バレたら……引かれるかもしれないし)
まったく同じ箱を見つめな********
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