テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
#幽霊
凛道桜嵐 新
193
#日常
がくじゅつてき・あかげ
22,155
わーい
41
485
コメント
1件
わあ…胸がぎゅっとなりました。千歳さんが持ってきてくれた朝イチの味噌汁、もうそれだけで泣けます。あったかいものを飲んで「おいしいー」って言える瞬間が、どれだけ尊いか。狭山さんとおっくんが選んだ千疋屋のゼリーも、みんなの「食べてほしい」「元気になってほしい」っていう気持ちがぎっしり詰まってて。抗がん剤が終わって、少しずつ食べられるようになった主人公の一歩が、本当に嬉しい🕊️
千歳が、朝イチでスープジャーの味噌汁を持ってきてくれた。あと、大量のカップ麺も。
『ジャンクなものがいいんだろ? なんか食べられそうなものあるかと思って』
「わー、ありがとう! でもまずお味噌汁飲みたい!」
そういう訳で、まずお味噌汁をすする。舌はまだ正常じゃないのだが、嗅ぎ慣れた味噌の香り、ネギの香り、ワカメの塩気と豆腐のまろやかさは伝わり、俺は思わず「おいしいー……」とつぶやいた。
あったかいもの飲んだら、お腹があったまっていい気分だ。そう言えばこのところ、ずっと冷たいものしか食べてなかったからな……。
千歳が言った。
『後から狭山先生と奥武蔵さんも来るって』
「あ、そうなの?」
転移消えたのは二人に伝えて、喜んでもらったけど、仕事はまだできそうにない。退院しても療養期間がいることは伝えたけど。
千歳がいる間に狭山さんとおっくんも来て、俺は嬉しかったのだが、二人とも俺の痩せっぷりにぎょっとした。狭山さんがびっくりしつつ俺に聞く。
「えっ治ったんですよね? 本当に大丈夫なんですか?」
「抗がん剤の副作用であんまり食べられてなくて……もう抗がん剤なしだから、後は頑張って食べるだけなんですが」
おっくんがため息をついた。
「ゆっちゃん、昔からあんま食べなかったもんねえ……」
幼稚園も小学校も一緒だったから、おっくんは俺が給食でいつも小盛りにしていたのを知っている。そうだね、昔から小食だね俺……。
おっくんが持ってきた袋をベットの横のテーブルに置いた。
「なんか太りやすい物持ってくればよかったな、ゼリーしか持ってこなくてごめん」
なんと、千疋屋の袋である。フルーツゼリーやら何やらで有名なところじゃん!
「いやこれ高いやつじゃん! ありがとう、ゼリーならまだ食べやすいし」
狭山さんが微笑んだ。
「2人で選んだんですよ、頑張って食べてくださいね」
「ありがとうございます」
千歳も、狭山さんとおっくんに頭を下げた。
『二人とも、本当にありがとうございます』
みんなが帰ってから、俺は色々試して、カップ麺のチキンラーメンとゼリー1つを完食できた。よかった、何とかカロリー取れた……。
ドデカミンもクーリッシュもまだあるし、メイバランスもプロテインゼリーも食べられるようになったし。病院食も少しずつおかずを食べられるようになってる。抗がん剤の影響でお米がまだ薬臭いけど、病院食はパン食も選べるから、主食をパンにしてもらってできるだけ食べよう。