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蒼「じゃあ次は軍手だな」
雪「軍手って何コーナーにあるんやろ?」
は「どこだろう?工具…園芸…とか?」
雪「あーなんかそのへんにありそやな」
双子と駄弁りながら店内をまわる。
今日も双子は周りの目を引いている。
蒼「おい雪。すぐ知らない人に手を振んじゃねぇ」
雪「えー?ファンサファンサ。僕らに手振られたら嬉しいやろ?みんな」
は「なにその自信」
雪「ほら、はるちゃんにもファンサ」
バチっと星が出そうなウインクを決めてくる雪くん。
は「…もうアイドルにでもなれば?」
雪「ならへんし、はるちゃんなんで半笑いやねん」
は「いや、おかしくて」
私は口を抑えて笑うと、雪くんは表情を変えてむすっとする。
は「ハムスター雪斗きた」
雪「なんやねんそれ」
は「今名づけた、雪くんのむすっとした時はハムスター雪斗だ」
しょうもない会話をしていると、蒼くんが声をかけてきた。
蒼「軍手あったぞ」
は「ないす蒼氏」
今日は楽しいな。
この間のどんよりした空気が嘘みたい。
3人で軍手のサイズを見る。
は「私はMかな」
雪「僕らはLのほうがええの?蒼」
蒼「そうだな、Lのほうがいいかも」
雪「はるちゃん、手ぇ比べしよ!」
は「んぇ、いいけど」
雪「サイズわからへんから」
雪くんと右手を合わせる。
私より一回り大きく、あたたかい手。
雪くん、こんなに可愛いけどやっぱり男の子なんだなぁ。
雪「蒼は僕より少し大きいからLでええよな、僕もLにしよ」
蒼「…あぁ」
私は気づかなかった。
このとき、蒼くんは苦虫を噛み潰したような表情で頷いていたことを。
そしてそのことを知っているのは雪くんだけだった。