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再会ってそういうことだったんか……。 夢原さんたちとの仲が悪い方向にいきませんように。
クロンさんに手を引っ張られ私は違う場所へと連れて行かれる。何処に行くの?と、言っても皆のところへ、と言うだけで何も教えてくれない。え、もしかして皆って、お前も皆と同じ地獄へ落としてやるー!って、意味じゃないよね?
ガチャリ
そう音を立て扉が開く。そこには同年代ぐらいの女の子が二人座っていた。強気なツリ目の深緑の髪に真っ赤な瞳を持った美少女と、淡金の髪に桃色の瞳を持ったこれまた美少女。
「あ、あんた何しに来たのよ!来ないで!」
「新しい仲間をお連れしました。3人で仲良くしてください。」
クロンさんはそれだけ言って厳重な扉を閉める。ふう、どうやら殺されました、チャンチャンっていうバットエンドではなさそうで良かった。私は振り返って前を取り敢えず向く。その時私はツリ目少女と目を合わせてしまった。ズズズっという何かが這いつくばるいやーな感触がする。私は不思議に思い下を向くとそこには、うじゃうじゃとしたムカデが這いつくばっていた。
「っ!?」
思わず尻もちをつく。でもそこにはムカデは居ない。幻覚?途端、視界がグニャリと曲がる。
「やっ。」
私は後ろへと倒れた。それでもグニャグニャは止まらない。うっぷ、なにこれ吐きそう。
「何してんのよ、早く立ったらどう?もしかしてあんた、あー、もしかしたら妖夢視幻覚のせいかも。ごめんなさいねぇ。」
倒れた私の顔を覗き込む美少女。中々に良い光景。てかなんて?よう、なんちゃらこんちゃら……わっかんねぇ。
「夢原さん。やめてください。」
もう一人の美少女が弱気に言う。それに反論するかのように美少女は……え、夢、原?
「何よ、少しからかっただけじゃない。それとも八神もこいつを庇うわけ?」
「まあ、そうなる…のですかね?」
その首を傾げるキョトンとした姿からは外見も相まって輝いていた。
「……あんたと話してても噛み合わないわ。取り敢えず、あんたは誰よ?」
私にピッと指を指しながら問う美少女………夢原さん。
「黒葛原純麗です。」
「……は?」
「え?黒葛原、さん?」
凄い驚いてる。まあ、ここはもっと懐かしく行こうではないか。
「はい。お久し振りです。お二人共。」
何だろう、凄い敬語になっちゃう。何、お二人共って。
「……日本語……使えてるって事は本当に黒葛原って、ことなのね。寄りにもよってあんただったなんて。」
ボロクソ言われます。助けて!アーン○ーンマーン!カムバーック!クロンさーん!
「黒葛原さ、ん。」
「私も予想外の出来事でした。またお会いできて嬉しいです。夢原瑠美さん。八神美香さん。」
そう、この二人は私と同じ転生者。それも同じ学校の。よし、ここはサラッと挨拶程度に、
「早速ですがあの後どうなったのでしょうか?」
無難にサラッと聞くのが一番。意味は分かるだろうし、さあ、答えてくんなまし。え、何?挨拶程度って、言ったろって?知らんな!
「え?あ、あ、あの後?東雲くんが、抑えて東雲くんの口から血、が、血、東雲くんが倒れて柊くんが叫んで、最後は、最後は、最後は…あ、あああああああああ!!!!」
えええええ!?!?突然八神さんが叫びだす。その八神さんをキャッチし、小さい体ながらに背中を擦る。何かごめん。
「うひっく、あうっ、ひっぐっひっ、うああっ、ひっく。」
「や、八神、大丈夫。大丈夫だから深呼吸して。もうあいつは居ないから。」
その会話を聞くにどうやら私はやはり死んだらしい。まあ、そこまでは分かる。でも問題はその後だ。私はすんなりお陀仏したが、それはあくまで私だけ。他は?他の人たちはどうなったの?それはこの有様を見ればいくらでも想像できる。
「大丈夫です。ゆっくり息をしてください。」
「…えっ?」
ここで目を見開いてビックリしてるそこの娘!失礼だぞ!確かに私は八神さんと話したことなんて一度も無いけど心配ぐらいはするわ!てか、夢原さん何か雰囲気違うな。確かにさっきいたずらはしてきたけどそれは試してるぽかったし。何があったし?
「ふえっ、ひっく、ひっぐひっ。」
取り敢えずこっちに専念するか。
私はやっと落ち着いた八神さんをベッドに寝かせ、椅子へ座り込む。あー、疲れたー。だって、あの後どれだけ声かけてもずっと泣いてるんだもん。え、何?それはお前が悪い?……ごめんちょ。
「ねえ。」
「なんですか?」
私は夢原さんと目を合わす。その目は泳いでいた。決して決断も覚悟もしていない薄っぺらい目。見たらわかる。さっきもそうだけど、夢原さんは八神さんを心配していた。多分、それは本心だろう。でも、今あってみて顔を合わせて一つ分かることがある。
「本当に信用してもいない人を気にかけるなんて失礼ですよ。」
「私は……は?」
何か言おうとした夢原さんの口があんぐりあく。あ、これミスった?
「は?何がよ。」
「…………」
やべぇ、何かめっちゃ気まずくなったんだけど。ヘイ!シリ!お願いこういうときってどうしたらいい!?そうして時間だけが過ぎていった。