「相変わらずよね。」
最初に沈黙を破ったのは夢原さんだった。ふぃーっ、助かったー。あのままの空気でずっと居るのかと思った。
「ねぇ。直球に聞くけどあんた、どう思う?」
ん?どう思う?そりゃあ、わけもわからずこんなとこに居てかなりテンパ……うーん、現実としてすぐに認めた記憶が……
「特には。」
「は?あんた私の事何も思ってないわけ!?信じられない!あんた、私いじめてたつもりよ?いや、自分言うのも何だけど!ねえ、あんた私の事をどう思ってるのよ!?」
あー、そーゆーことか。うーん、そうかー、でも夢原さんにいじめっぽい事はされたっちゃされたけど可愛いもんだったし。まあ、だから、
「嫌いです。」
私が好きとでも言うと思ったか?あめーよ!綿あめよりもあんまい!あ、それ美味しそう……じゃなくてて!
「ふーん、そう。そうよね。」
あからさまにしょんぼりする夢原さん。いや、自分で言ったやん。私悪うございませーん。でも罪悪感が……あー、もう!
「好きの反対は無関心です。私は貴方の事が嫌いですが無関心ほどではありません。貴方は私が嫌いですか?」
これまでにない助け舟。前の人生含め私がここまでの長文を喋ることは無かった。いや、何回かはあったけど親以外は初めてだ。で、その私の思いのこもった素晴らしいお言葉を頂いた夢原氏は間抜けな顔をして固まっている。失礼だぞおい。
「…あんた、変わったわね。」
元からこうですけど?え?何?私どういうふうに思われてたの?てか、それを言うなら君も大概だよ?
「……あのさ、私、またあんたにあったら謝ろうって、ずっと思ってたのよ。でもさ、謝る気失せたわ。また今度ね。」
「お好きにどうぞ。」
結局私が嫌いかは分からずじまい。しかも謝らない宣言もされてしまった、アー、カナシイナー。まあ、そっちのほうが夢原さんぽいか。多分、元々悪い子じゃ無いと思うし。さて、じゃあ本題に入りましょっか。そう、ズバリそれは何故夢原さん達がこの世界に居るのか!さっき八神さんに聞こうとしたんだけど流石に聞けないので夢原さんに聞こう!……どう話しましょうか。てか多分夢原さん達も知らないよね。まず、転生者(?)が全員(?)集められたのも偶然とは思えないし。じゃあ、まずこの今いる場所自体に秘密があったり?でも、クロンさん達が転生者とか私達の居た地球の事を知っているのもほぼ間違いないだろう。じゃあ、何で集めた?いや、でも転生者は私達だけでは無いはず。他の生徒達は何処へ?
「あの後、どうなったのですか?」
何のひねりも無く、私がド直球に言う。いや、さ。結局のところそれしか無いやん?
「…わかんないわよ。あの後あんたが血をばらまきながら倒れたのを東雲が必死に助けようとして、黒フードを押さえつけて。それで、それで、人が集ってきてそしたら東雲が血を吹いたのよ。その後は知らないわ。気づいたら何もない空間に居たのよ。」
ふむふむ、まあ私とほぼおんなじかな?特に後半の無の空間。あれはきつかったからね。同士が居て良かった。で、気になるのが黒フード。確か私の目には白い服の女性だった気がするんだけど……見間違い?後は東雲くん。東雲くんは私からしたら柊くんと仲がいいイメージがあった。そして賢かった。柊くんがヘマしたりしたときも即座にフォローを入れて淡々と叱る、そして最後にはため息をついて苦笑い、大抵そんな流れだった。逆に柊くんは抜けてるところがあったからね。東雲くんは穏やかーなイメージも凄くあったけど他の誰よりも気が抜けない人だった。何?何でそんな高得点かって?そりゃあ……ん?何だろう。安心できる?いや、安心は出来ないけど……。柊くんよりは良い、うん、そんな理由にしとこ。
「そうですか。」
手短にお礼だけ言っておく。ありがとさん、もう要は無いよ。もう寝な。おやすみー。
「そっ、おやすみ。」
………………ん?…………おやすみ?んんんん???バッと夢原さんの方を見るが夢原さんはベッドの上で夢の中。とてもじゃないけどその寝顔をふてぶてしい顔に豹変させたいとは思わない。…いや、ちょっと面白そうかも。って、いやいや!今夢原さんおやすみって言ったよね!?な、ななぁ!?もしかして私の心が……!?いや、でもそれだったらあの沈黙は何だったって話だし。あの後私は朝が来るまでのたうち回った。
夢原:「スピー( ˘ω˘)スヤァ」
黒葛原:「( ゚д゚)ハッ!?」
どうも、クロードです。補足として主人公の名前は、黒葛原 純麗(つづらはら すみれ)です。では、アディオス。
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