テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
怖がりながらも、カメラは止めない。止めたら“ネタ”にならない。それがYouTuberの宿命。
2階へ上がる階段は、埃だらけで足跡が残る。
だが二人のものとは違う、小さな靴跡が先に伸びていた。
「子供の足跡……?ここ、小学校じゃないよね?」
「おおおおおい……子供の霊とか一番怖いやつぅぅ……!!」
廊下の奥、旧音楽室の扉の前で足跡は止まっていた。
キィィィィ…
扉を開けると、中はまるで時間が止まったように古びた楽器がそのまま置いてあった。
「……あれ?」
ミナミがぽつりと呟いた。
「ハルカ、あのピアノの上、何か置いてない?」
近づいていくと、そこには白黒の古い写真が一枚。
写っていたのは、セーラー服を着た女子高生ふたり。
よく見ると──
「……この子たち……わたしたちに似てない……?」