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貴方の名前は「月輪」
簡単なキャラ説明:黄色の綺麗な瞳、悪趣味で性格が少し悪い。性別は男性
『登場キャラ』
黒死牟、童磨、堕姫、妓夫太郎、半天狗、猗窩座、玉壺、無惨
無限城の空間が歪み、琵琶の音が鳴り響く。それぞれの場所にいた上弦の鬼たちが、新たな招集に応じて集結する。玉壺が壺から姿を現し、堕姫は帯を操って現れる。兄の妓夫太郎は堕姫の背中にくっついたままだ。黒死牟は刀を携え、童磨は扇子を片手に余裕の笑みを浮かべる。半天狗は震えながら壁際に身を寄せる。そして、鬼舞辻無惨が静かに佇んでいた。
静寂が場を支配する中、無惨が冷たい視線を向けた。
「全員、集まったようだな」
その言葉に、誰もが緊張を走らせた。無惨様の前にいるということ、そしてそこに新たな気配が加わったからだ。見慣れない、だが強大な鬼の気配。上弦の鬼たちは皆、視線をそちらに向けた。
そこにいたのは、すらりと背の高い青年だった。
「新たな上限の鬼、月輪だ」
無惨の言葉に、場に動揺が走る。新しい上弦。全員が月輪という鬼に注目する。月輪は無表情で、ただ静かにそこに立っていた。
「ん?新しいお友達だねー!素敵じゃないか!僕と同じ色白さんだね!」
(内心:この青年、何も感じてないな。感情の匂いが一切しない。この瞳の色、まるで死んでいるようだ。どんな血の味がするのかな?あはは、楽しみだねー!)
「新しい上弦か…俺と戦え…」
(内心:なんだこの強さは…!全く気配が読めない。だが、間違いなく強い!ゾクゾクする!最高だ…!俺と戦ってくれ!)
「なぜ…」
(内心:無惨様のお考えは読めぬ。上弦の壱である我を超越する存在…?この男、何者だ…?)
「美しいですねぇ…!その宝石のような瞳、是非とも私の壺に入れたい!」
(内心:この世のものとは思えない美しさ!その瞳、その肌、その全てが芸術です!この美しさを永遠に閉じ込めたい…!)
「…羨ましいなぁ、こいつは…」
(妓夫太郎の内心:何もかも持ってやがるな。綺麗な顔に、強そうな気配。羨ましい、本当に羨ましい…!)
「…」
(内心:つまらない。どうでもいい。こいつらの感情が面白いくらいに剥き出しだ。嫌悪、嫉妬、興味、好奇心…くだらない。どれだけ強いか知らないが、どうせ希望を与えて絶望に突き落とすのが一番楽しいだろうな。どんな顔をするかな?考えるだけで面白い。楽しみだねぇ。) 月輪は無表情のまま、内心では興奮を隠しきれていないようだった。
(童磨の内心:ああ、なんてつまらない。僕の言葉に何も反応しない。無感情、無表情。こんな奴に僕の血鬼術なんて使っても無駄だね。それにしても、本当に綺麗な瞳だ。これを抉り出して、僕の宝物にしたい。どんな顔をするかな?楽しみだ。)
「ムカつくムカつくムカつく!面白くもないし美しくもない、こんな鬼の紹介のためだけに私を呼んだの?!」
「…堕姫、落ち着け…」
妓夫太郎は堕姫を落ち着かせるように声をかけた、堕姫は苛立ちながらも妓夫太郎の言葉で口を閉じた
そんな騒ぎを他所に、猗窩座が月輪に詰め寄る。その鋭い殺気に、半天狗が震えあがった。
「俺と戦え…!」
(猗窩座の内心:この男、全く動じない。俺の闘気にも反応しない。まるでそこに存在していないようだ。だが、その深淵には計り知れない強さが潜んでいる…!これほどの相手と戦えるならこの命、くれてやる!早く、俺と戦ってくれ!)
月輪は無言で、ただ猗窩座の熱烈な視線をまっすぐに見つめ返す。その無機質な瞳に、猗窩座は苛立ちと興奮を同時に覚える。
「なぜ、我に…」
黒死牟が静かに呟く。
(黒死牟の内心:この男、我を侮辱しているのか?我こそが上弦の壱。無惨様に従う忠実な鬼。この男は…なぜ我に何も言わぬのだ?理解できぬ…)
玉壺は壺の中で体をくねらせながら、月輪の周りを浮遊する。
「素晴らしい…!なんという神秘的な静けさ!この静けさの中に、どれほどの芸術が潜んでいるのでしょう!ああ、興奮してきました!是非とも、その瞳を私に譲っていただきたい!」
(玉壺の内心:美しい…美しすぎる!この男の存在そのものが、私の芸術欲を刺激する。この瞳、この肌、この雰囲気を、全て私の壺の中に閉じ込めて、永遠に眺めていたい!最高傑作が生まれる予感がします!)
その時、これまで壁際に身を潜めていた半天狗が、おどおどと口を開いた。
「ひぃっ…わ、わしは…何もしてないのじゃ…い、いじめるのはやめて欲しいのじゃ…」
(半天狗の内心:ひどい、みんなわしを無視してあの男ばかり見ておる!わしは被害者じゃ!この醜い顔、震える体…全てはあいつらのせいじゃ!あいつら、わしを嘲笑っておる!わしは何も悪くないのに!)
誰もが月輪に言葉を投げかける中、月輪はただじっとその様子を観察していた。誰もが自分の感情を剥き出しにしている。彼らは彼らの世界で生き、彼らの欲望に忠実だ。
「ふふ…」
そして、月輪は静かに、小さく笑った。
その声は、無限城の静寂に溶け込むように小さかったが、そこにいる鬼たちの耳には、はっきりと聞こえた。
「可愛い…」
月輪の口から、無表情なまま発せられた言葉。その一言に、誰もが戸惑いの表情を浮かべる。
「お前たちの…醜い感情が、本当に可愛い」
黄色の宝石のような瞳が、ゆっくりと鬼たち一人一人を見つめる。
「興味、嫉妬、怒り、嫌悪、恐怖…全部、全部、本当に可愛い。俺の目の前で、こんなにも分かりやすい感情を晒してくれるなんて。ああ、堪らないね。最高に面白い」
その言葉と、一切の感情が読み取れない表情のギャップに、上弦の鬼たちは背筋が凍るような感覚を覚えた。
無惨は、その様子を静かに見つめていた。彼の表情は変わらない。だが、その瞳の奥には、新たな鬼への興味が宿っていた。
「月輪。お前には、奴らを束ね、さらに強くなってもらいたい」
無惨は月輪に命令を下す。
「奴らの欲望を弄び、その絶望を味わうがよい」
月輪は無言で、ただ首を縦に振った。その顔には、相変わらず表情一つない。しかし、その瞳の奥には、底知れぬ愉悦が宿っていた。
続く。