「フーゴ。大丈夫かい?」
へッ!?
フーゴは驚いて目を見開いた。今1番会ってはいけない人に会ってしまった。アルファの中のアルファであるジョルノだった。
「ジ、ジョジョ!?な、どうして!?」
「少し外出していたんだ。」
クソッ!タイミングが悪い。普段なら会えて嬉しいのだが、発情期の抑制剤がある薬局の手前で会ってしまった。ジョジョには僕がオメガであることを言っていなかった。でも発情期のオメガから出るフェロモンで気づかれたかもしれない。本当に最悪だ。
「いいや。そんなことよりもフーゴ。少しこっちへ来て。」
ジョジョに路地裏へ手招きされてしまった。一瞬よからぬことが脳をよぎったがブンブンと頭をふり頭を働かせる。
「単刀直入に言うけど、君はオメガだね?」
ヒソヒソとジョジョが言った。あぁ、気づかれてしまった。こんな醜態を晒してしまった。恥で顔が紅く染まる。返事をする事もできずに黙り込む。
それを見てジョルノの目がギラつく。だがフーゴは気づかないようだ。
さっきから胸の高鳴りが止まらない。当たり前だ。アルファのフェロモンを受けているからだ。心なしかいつもよりジョジョの声が艶やかで色っぽく感じる。今すぐにジョジョを退け抑制剤を買いたいのに理性が言うことを聞かない。…いっそこのまま…。
ダメだ!ダメだ!ダメだ!ダメだ!!!
こんな状況に身を任せてセックスを懇願するなどはしたないと思われる!!あくまでも僕はジョルノの信頼のおける部下なのだ。この関係を断ちたくない。もう思考がグチャグチャだ。
フーゴは赤面のまま目を潤ませジョルノを見上げている。
それがジョルノの加虐心を煽ったようだ。
「ごめんね。フーゴ。どうやら僕は今どうしようもなく興奮しているようだ。」
ッえ!?
「今から一緒にホテルへ行こうか?」
疑問符がついてはいるがNOを言わせない圧と色気がある。
どういう事だ…!?まさか、ジョジョもこんな僕とセックスを…!?いやいやいやいやいやいや!いや!!そんなわけがない!!!!
だがフーゴも十分に興奮しているようで、フゥーッ、フゥーッ、と熱い息をもらす。それをジョルノはOKだと判断する。
「ね、フーゴ。」
そう言うジョジョは恐ろしいほどに色っぽく低い声で、その目はまるで獲物を狙う獣だった。
僕はそのまま近くのホテルへ連れ込まれてしまった。
(あぁ、もうどうにでもなれ)
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