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甲板の上で泣き続けるミコ。必死で船体を押さえ続ける北野と山中。
近藤が船体にそろそろと近づき、説得しようとする。
近藤「ミコちゃん、お願い、私の話を聞いて」
ミコ「やだ! ママが困ってるのに、ミコが困ってるのに、誰も助けてくれない! 来ないで」
沙羅「なら、あたしが助ける!」
ミコが顔を上げるとチバラキピンクの姿が目に入る。
ミコ「ピンク? ピンクなの?」
沙羅「そうだよ! チバラキピンクが助けに来たぞ!」
また船体が大きく揺れ動き、ミコが甲板の上で転がる。
沙羅「ミコちゃん、ゆっくりこっちへおいで」
ミコ「でも、ママがまだ中にいるの」
玲奈「ママはあたしたちが助けるわ!」
コスチュームに着替えた他の4人がピンクの周りに並ぶ。
ミコ「レッド、ブルー、イエロー、それにブラックも……みんなで、ミコとママを助けに来てくれたの?」
玲奈「そうよ。チバラキVは正義の味方。ミコちゃんが泣いていたら助けに来るのよ。だからピンクの言う通りにして」
智花が肩からかけたロープの束を広げ、甲板の上に投げる。
智花「ミコちゃん、それをしっかり握って! それからゆっくり、ピンクのとこへ来て」
ミコがこくんとうなずき、ロープをつたって船体の縁にたどり着く。智花に腰を支えられた沙羅がミコを抱き上げ、船体から下ろし、抱いたまま桟橋の奥へ下がる。
智花がもう1本のロープを玲奈に投げ、自分の腰にロープを回して結ぶ。
智花「あたしと玲奈さんが中に入ります。みんなでロープを引っ張っていて」
倫、瑠美、近藤がロープの端を握り、玲奈と智花が甲板に上がり、船室に入って行く。
船室の床に倒れているミコの母親。周りには、錠剤のパックが大量に空になって散らばり、空になったウイスキーの瓶が転がっている。
智花が母親を背負い、玲奈が後ろから二人を支え、よろめきながらも桟橋に降り立つ。
救急車のサイレンが聞こえて来る。タンカに乗せられて運ばれるミコの母親。近藤がミコを抱いて救急車に同乗する。
走り去って行く救急車の後ろ姿を見送る、マスクを外したチバラキVの人と北野、山中。
玲奈「よかった。ぎりぎり間に合ったみたいですね」
智花「いえ、一足間に合わなかったかもしれないです」
玲奈「どうかしました?」
智花「さっき背負っていた時に感じた。あのお母さん、もう息をしてなかった」
他の全員「ええ!」