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#主人公最強
杯雪乃
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小鳥遊
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#現代ダンジョン
夜鐘
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「あ、聖金樹騎士団総司令殿!
確かクアートル大陸へ行かれたのでは
なかったのですか?
もうお戻りになられていたとは」
アングア大陸・ルガシオン公国―――
その首都オルレニアにある大宮殿の廊下で、
騎士団の1人と思われる若い青年に
呼び止められ、騎士団総司令と呼ばれた
銀髪の三十代の男は軽く会釈する。
「ええ、つい先ほど。
相変わらず船は慣れませんけどね……
ところで、私の不在の間に何か変わった
事とかは?」
そう返された彼は周囲をキョロキョロと
見回すと、近付いて小声となり、
「各地で光聖勇者隊の連中が暴れ回っていて、
頭が痛い事この上ないですよ。
そんなに暴れたければ、辺境に出向いて
魔物相手に暴れりゃいいものを―――
亜人の自治区に見回りに行くと称して、
そこで悪さをしているみたいですので……」
それを聞いたスクートは眉間を人差し指と
親指でつまむようにして、
「相変わらず、という事ですか」
「ええ、ただ総司令殿のご指示通り、
騎士団が可能な限り見張っていますので、
まだそこまで無茶な事はしていないと
思います。
ですが、全員を見張る事が出来るわけでも
ありませんので―――」
青年の言葉に、同行していた白髪の短髪の
四十代くらいの男と、まだ十代くらいに見える
青いショートカットの女性がため息をつき、
「ったく、安全な場所でコソコソと」
「他にする事が無いんですかね、あの人たち」
彼はそんな聖金樹騎士団第『ゼロ』軍団長と
副軍団長の2人を見て、
「あはは……
グチのようになってすいません」
第『ゼロ』軍団は極秘の諜報機関となっていて、
もちろん2人の正体を彼は知らないが、
総司令としては複数の秘書的な側近や部下を
従えていてもおかしくはなく、また3人同時に
動いている事も珍しくないので―――
そういう意味では顔なじみでもあった。
「ところでそちらの方々は?」
そして後方には『見えない部隊』である
赤毛の恰幅のいい女性と……
痩せ気味のチンピラ風の男と、さらに
それより痩せた男性が荷物を抱えてついて
来ていて、
「ああ、ランドルフ帝国の商人さんです。
商談のためにこちらへ。
それと彼らからお土産もたくさん買って
来ましたので、期待していいですよ」
「ありがとうございます!!
みんなも喜ぶでしょう!!」
スクートの言葉に彼は最敬礼を返し―――
そしてその場を去っていった。
元マフィアの女主人であるブロウ、
その部下のジャーヴ、そして同じく
『見えない部隊』メンバーのユールは、
「案外バレないもんなんだねえ」
「つーか堂々としていやすね」
「『あなたたちはそのままでいいです』って
言われた時は、戸惑いましたけど」
3人の言葉にウルフェンとシミスは苦笑し、
「巨大な組織だからな。
いつ、誰が、どのように出入りしているか
なんて……
把握しきれるもんじゃねえ」
「それに総司令と一緒ですからね。
不審人物を連れてくるはずはありませんから」
2人の言葉に『見えない部隊』3人はうなずき、
そのまま宮殿奥へと一行は歩いていった。
「へえ。
総司令様の部屋っていうから、最上階にでも
あるのかと思ったのに」
室内に入ったブロウは、まずその位置について
言及すると、
「ここはあくまでも表向きの総司令の部屋です。
この地下に聖金樹騎士団第『ゼロ』軍団の
施設があり―――
またそこはいざという時の外につながる
脱出経路となっていまして、
万が一の場合、大司教様を保護、逃がす
任務も帯びております」
部屋の主の説明にジャーヴとユールは、
「おおう、さすがは騎士団最高責任者」
「ああ、そういえば……
この国では大司教様がトップなんでしたっけ」
ルガシオン公国はいわゆる宗教国家であり、
クアートル大陸におけるモンステラ聖皇国と
ほぼ同じ体制であるといえた。
「さて、そろそろ出てきてもいいですよ」
そうスクートが何も無い中空に向かって
話しかけると、
「まあ、ここまでくれば」
「もう大丈夫でしょう」
声と同時に―――
ミディアムボブの紫の髪を持つ、
20代半ばくらいの女性と、
ダークエルフのような漆黒の肌に、
ホワイトシルバーの長髪の女性が
姿を現す。
「ご苦労だった。
イスティール、オルディラ。
しかしこの姿では身を隠す事すら
まだ出来ないのか……
やはり魔力の回復には時間がかかるようだな」
最後に2人の間に―――
ベージュのような薄い黄色の撒き毛の短髪を
持つ少年が現れ、
「3人とも、お疲れさん」
「アイクェル大陸とはほとんど交流が無かった
とはいえ―――
『霧』のイスティール、
『腐敗』のオルディラといった、
魔王軍四天王の名前と外見は……
私たちを含め公国の上層部で共有されて
おりますから」
申し訳なさそうにする『不死者』たちに魔族は、
「まあ現状の認識で、余や彼女たちが
創世神教の本拠地に乗り込むわけにも
いくまい」
外見は幼い少年の魔王・マギアがまず口を開き、
「変装すれば、とも思いましたが」
「万が一露見した時の事を考えますと―――
『隠密』で誰にも見られずに入る……
この方法で良かったのでしょう」
彼の妻、兼秘書的な役割の魔族女性2名が
同意してうなずく。
「しかしねぇ。
マギア様なら、別にそのままで良かったんじゃ
ないかい?
こんな可愛い子が魔王だなんて、誰も
思いやしないだろうさ」
そう言ってブロウがカラカラと笑うと、
「いやボス、それはそれで別の問題に
なりやせんか?」
「何でこんなところに子供が?
という事になりかねませんし」
ジャーヴとユールがそれに異を唱えて、
「その時はまあ―――
私か誰かの隠し子、という事にでも
しておきますか」
聖金樹騎士団総司令がそう答えると……
意外だったのか、彼以外のメンバーが
目を丸くして注目し、
一瞬間を置いて後、室内は笑いの渦に包まれた。
「よし―――
これで『ゲート』はつながった。
辺境大陸は元より、クアートル大陸、
フラーゴル大陸へもこれで行ける。
魔界を経由して、だがな」
地下にある第『ゼロ』軍団の拠点で、
設置された『ゲート』を前にマギアが説明する。
「これでここに来た第一の目的……
『ルガシオン公国に『ゲート』を設置』
はクリア出来たね。
そしてワタシらの出番―――
『見えない部隊』が光聖勇者隊とやらを
調査するのがスタートするってワケだ」
派遣されてきた『見えない部隊』のリーダー、
ブロウがそう告げると、
「でもまあ……
すでにその一端は耳にしましたがね」
「事前情報通りのようで」
先ほどの騎士団の一青年とのやり取りから、
ジャーヴとユールも確認したようで、
「身内の恥をさらすようで申し訳ありません。
しかし―――」
「?? 何だい?」
スクートが言いよどんでいるのを、
『見えない部隊』の女性リーダーは聞き返すと、
「いや、あんたらの顔はさっき……
そこの魔族の人たちと違って、
騎士団の1人に見られちまっている」
「それも商人として、ですから―――
今後の諜報活動に支障をきたさないかと」
ウルフェンとシミスが心配そうに聞くと、
『見えない部隊』の男性2名は互いに顔を
見合わせて、
「まー、普通ならそう思うところですがね」
「私たちは少々変わっておりまして……
少なくとも、魔力探知に引っかかる事は
ありませんから」
『不死者』たちは彼らの言葉に首を傾げるのを、
すでに『見えない部隊』との共闘を経験済の
魔族は、それを苦笑しながら見ていた。
「これはまた―――」
「冷やすとこんなスッキリとした味わいに
なるんだな」
公都『ヤマト』の中央地区にある、
宿屋『クラン』……
そこでブラウンの短髪と―――
こげ茶のボサボサ頭をした男2人が、手にした
木製のコップをまじまじと見つめる。
公都部隊長の2人、ロンさんとマイルさんだ。
「こっちは梅入りか!
これは効くなあ」
白髪交じりの短髪をした筋肉質のギルド長、
ジャンさんも声を上げ、
「これは少しピリッとしているッス」
「こっちは甘い!
ハチミツが入っているのね」
褐色肌の次期ギルド長の青年、レイド君と、
その妻であるタヌキ顔の丸眼鏡の女性も、
感想を口にする。
例の熱中症対策会議にて……
これまでは寒い間、ホットでしか出なかった
甘酒を、冷やして出す事を提案。
試飲を兼ねて、またいろいろな味の甘酒を
鬼人族に用意してもらい―――
お披露目となったのである。
「この暑いのに甘酒を?
と思ったが……
冷たくしたものはこれはこれで、
すごく飲みやすいわい!」
「鬼人族が夏バテ対策として飲むものと
聞きました。
凍らせて飲料用として携帯すれば、
冒険者たちの夏の依頼も楽になるでしょう」
スキンヘッドの、最近は体形が元に戻りつつある
ロック前男爵様と、
その従者である執事風の、髪を後ろでまとめた
フレッドさんのやり取りが向こうから聞こえ、
「でも今は、冷やしたミソスープや
豆乳、コンソメ、ポタージュがあるし」
「わたしたちが冒険者になった頃とは
比べ物にならないくらい、選択肢が
広がっています」
ジャンさんたちのいる隣りのテーブルで、
焦げ茶の髪をした細身で長身のギル君、
そして亜麻色の髪を後ろで三つ編みにした、
彼の妻・ルーチェさんがしみじみと語る。
「そういえば、チビちゃんたちの姿が
見えないねえ」
この宿の女主人である、赤髪を後ろでたばねた
アラフォーの女性がそうつぶやくが、
「シンイチやリュウイチは、児童預かり所に
預けてきたんだよー」
「もう1才を過ぎておるが、さすがに甘酒は
早いと旦那様が言ってのう」
アジアンチックな童顔の妻と、欧米モデルの
ような顔立ちの妻が説明してくれ、
「そうで無くてもあの子たち、何でも
欲しがるようになっているからねー。
目が離せないよー」
黒髪ショートに真っ赤な瞳を持つ娘が、
自分の甘酒に口をつけながら続く。
実際、ハチミツ入りの甘酒もあり―――
年齢的には大丈夫だと思われるが、
何もわざわざリスクを冒してまで飲ませる
必要はない。
ちなみに用意した種類は他にも、
・梅肉ペーストを混ぜ込んだもの
・ショウガ入り
・各種果実ジュースで割ったもの
・甘酒の純度をより濃くしたバージョン
などがあり、これまでのメンバーの様子を
見るに、大方好評のようでホッとする。
「こいつもまた夏の定番になりそうだな」
「はい。
鰻と同様、流行ってくれたらと思います」
ジャンさんの言葉に私が答えると、
「鰻ならちょうど夜に出す予定だよ。
肝焼きと一緒にね。
食べに来ておくれ!」
クレアージュさんがそう言うと、
「じゃあ夕食はここにしよう、シン!」
「そうじゃのう。
ここしばらく鰻は食っておらんし」
まずメルとアルテリーゼが、
「じゃあ今から予約しておきまーす」
次いでミリアさんが手を挙げて、
「あ! わたしもー!
ほら、ギルも予定空けておきなさいよ」
最後にルーチェさんが夫に腕を回し、
見事に人妻組が意気投合をしたのを、
夫組や男性陣は微妙な表情で眺め……
そういえばルガシオン公国には、
『見えない部隊』、魔王・マギア様、
そしてイスティールさん、オルディラさんが
向かったと聞いているけど、
彼らにもこの甘酒を持たせてあげる事が
出来れば良かったな―――
そんな事を考えつつ、試飲会は無事に
終わりを告げた。
「ノクティさん、ここは……」
犬の頭をした獣人族のような亜人の
集落で、ブロウは目を丸くしていた。
「獣人は見慣れちゃいるけどよ」
「ずいぶんと小さいですね」
ジャーヴとユールも、その光景に戸惑う。
「お国には、彼らのような―――
コボルト族のような種族はいないの
ですか?」
ノクティと呼ばれた、30代くらいの
グリーンの短髪をしたガッシリした体格の
青年が、3人に説明する。
彼は、表向きは聖金樹騎士団の1人で、
商人に扮した見えない部隊』の案内を
命じられていたが、
実は騎士団第『ゼロ』軍団の所属であり、
光聖勇者隊の調査のため、『見えない部隊』の
同伴と護衛の任務を担っていた。
「獣人族はいるけどねぇ、大きさは人間と
同じかそれ以上だし」
「それに一口に獣人と言ってもいろいろ
いるしな。
猫型とか、熊型とか……」
「まあ、あちらの大陸では見た事がありません」
説明を受けた3人はそう返すと、
「しかし、『商売』になるのかい?
首都オルレニアからそんなに離れて
いないとはいえ」
続けて出たブロウの言葉には、
『こんな首都から近いところで調査に
なるのか?』という意味が込められていて、
「彼らはルガシオン公国の一部となって長く、
本国と同じように、文明的な生活を送って
おります。
むしろこういうところが『商売』になる
可能性もありますよ?」
そして彼の返しは―――
『こういうところこそ、連中が好き勝手
やっている』と暗に答えていた。
「そういうもんかねえ」
「では、取り敢えず宿屋でも……」
ジャーヴとユールが周囲を見渡すと、
「おう、旅人かい?
宿屋なら俺らが案内してやるぜ?」
身なりこそ立派だが―――
態度はチンピラのような、いかつい顔の
人間の男が近付いて来た。
「??
ここの住人かい?
それともここで商売しているのかい?」
ブロウが首を傾げながら涼し気に返すと、
いつの間にか仲間と思われる男が5・6人ほど
囲むようにしていて、
「いやあ?
俺たちは光聖勇者隊サマだよ。
あんたらは実に運がいい!
何せ、俺たちに護衛と案内をして
もらえるんだからなあ」
それを聞いていたノクティは3人を守るように
その前に出て、
「彼らは国外の商人です。
護衛なら自分が請け負っておりますれば」
彼の言葉に、連中はニヤニヤし始めて、
「いやいや、だからたった1人だけで?
って言ってんの。
それに俺たち光聖勇者隊はよ、平和維持の
ためにいろいろと動いてんだよ」
「何か事故や事件があってからじゃ、
遅いんだぜぇ?」
「あんたら、商人なんだろ?
危機意識は持っておいた方がいいと
思うけどな~?」
と、連中は口々に……
『逆らったらどうなるかわかってんだろうな?』
『出すもの出しておいた方が身のためだぜ?』
と、遠回しに脅迫と要求をし始める。
「平和維持、ですか―――
それならば辺境に派遣される聖金樹騎士団の
ように、危険な場所でご活躍されては?
こんな『後方』の『安全地帯』などではなく」
騎士団の青年が苦々しく返すと、
「だから言ってるだろ?
平和維持だって。
安全ってのは『守られて』こその安全
なんだよぉ?
首都だって事故も事件も起きる時ゃ
起きるだろぉ?」
「まあここらじゃ見ない顔だが……
これだけの人数を前に引かない度胸だけは
認めてやるよ。
けど、お前はそれでいいとして―――
後ろの商人たちはどうなるかなあ~?」
ジリジリと光聖勇者隊は距離を詰めてくる。
それに対しノクティが構えようとすると、
「まあまあ。
ここはワタシに任せて。
まずはえーと、案内料かい?
これでいい?」
彼と最も近い位置で対峙していた勇者隊の
1人に、ブロウは金貨を握らせる。
「おっ!
話がわかるじゃねーか、おねーさん♪」
「あらヤダ!
あんたも上手じゃない。
それにワタシらはこう見えても、あちこち
飛び回っている商人だから……
こういう時の『交渉』は心得ているのよ」
するとブロウから金を受け取った勇者隊は、
ノクティの肩をポンポンと叩いて、
「最初っからこうしていればよぉ、
余計な事故や事件は起きないんだよなぁ~。
お前も見習った方がいいぜぇ?」
彼はそんな連中を無表情で見つめ返していたが、
「もう、そんなにイジめないで。
その子、商談先から紹介してもらった
子なのよ。
えーと、何て言ったかしら?
確か聖金樹騎士団のお偉いさんでね。
ワタシたちランドルフ帝国から来たんだけど、
海の向こうから来たという事で、いろいろと
便宜を図ってもらっちゃったの」
彼女の言葉に、光聖勇者隊と名乗る連中の動きが
ピタッ、と止まり……
「聖金樹騎士団総司令、スクート殿です」
「超がつくほどの重要な取引先になるかも
知れないんですから―――
ちゃんと覚えてください」
続けて出たジャーヴとユールの言葉に、
彼らは顔を見合わせる。
「そして自分が彼らの護衛を任されました。
もちろん、自分も聖金樹騎士団の1人です」
ノクティがそう告げると、彼らの顔色は
段々と青くなっていき、
「ああ、そうそう!
確かそんな名前だったわ~。
まだボケる年じゃないのにやんなっちゃう。
それでね、ワタシたち……
帰りにもう一度、そのスクート殿に会う
予定なのよ。
土産話が増えるのはいい事だわぁ♪」
トドメと言わんばかりにブロウがそう告げる。
そして光聖勇者隊の連中の頭では―――
「(クソッ!!
国外ってこのアングア大陸の国じゃ
ねーのかよ!!
さすがに海の向こうまで絡むのは
まずいぞ……!!)」
「(よりによって騎士団総司令が絡んで
いるのか!?
そしてコイツが護衛に選ばれた、というので
あれば―――
弱いわけがない……!)
「(ちょっとした小遣い稼ぎのつもり
だったのに、冗談じゃねえ―――)」
彼らは互いに顔を見合わせ、やがて同じ
結論に至ったのか、
「……チッ!!」
連中の1人がブロウから受け取った金貨を
地面に投げ捨てると、そのまま背を向けて
どこかへ去っていった。
それを見届けたノクティは、ハー、と
大きくため息をついて、
「御覧の通りです。
『商売』になりそうでしょうか?」
呆れた様子の彼の言葉に、
「まあ、ワタシらは『商人』だから」
「どこでもやる事は一緒ですぜ」
「とにかくやってみましょう」
そして彼らは引き続き宿屋を探すため―――
街中へと足を進めた。
「意外と普通、というか……
ちゃんと人間のサイズに合わせて
あるんだね」
とある宿泊施設の一室に通された彼らは、
そんな感想を口にする。
「あはは、人間の方を相手に商売しているので、
合わせないと話にならないですよ」
従業員であろうコボルトの1人が、笑いながら
ブロウにそう返す。
「こりゃ一本取られた」
「私たちは海の向こうから来た商人ですので、
こちらの事はうといんです。
いろいろと教えてもらう事があるかも
知れませんので、その時はお願いしますよ」
自分の頭を叩くジャーヴの次に、ユールが
金貨を従業員に握らせる。
「あ、ありがとうございます!
どうぞごひいきに―――」
従業員はそう言って頭を下げると、部屋から
去っていき、室内に4人が残されると、
「しかし、妙だね」
「?? 何がですか?」
元マフィアの女主人の言葉に、騎士団の青年が
聞き返すと、
「この街なんだけどね。
困窮しているってほどじゃないけど、
裕福な感じにも見えない。
それなのにどうして、光聖勇者隊のような
連中がいるのか……」
「そうだな」
「確かに不自然ですね」
『見えない部隊』のメンバーの言う事が
理解出来ないのか、ノクティは首を傾げるが、
「騎士団のあんたにゃわからないかも
知れないけど―――
商売は利益を求めてやるもんだ。
人を派遣するのも動かすのもタダじゃない。
それは裏も表も関係ない。
あの連中、どんな利益を求めて……
このコボルトの街にいると思う?」
「あ―――」
そこで彼はやっと気付いたというように
口を開き、
「嫌がらせ目的のためだけ?
ってわけじゃなけりゃ……
こりゃクセーな」
「今回の仕事も、一筋縄ではいきそうに
ありませんね」
『見えない部隊』の3人は、そこで仕事モードの
顔に切り替わった。
コメント
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うわあああ第334話も熱すぎる!!😭💕 スクート総司令の隠し子発言で笑いが起きる場面、めっちゃ好きだよ〜!!あの空気感がたまらんかった! あとブロウたち「見えない部隊」が光聖勇者隊を逆にやり込めるシーン、スカッとしたね✨ 「聖金樹騎士団総司令の重要取引先」って切り札、まじで冴えてる! 甘酒試飲会のほっこりした空気とのギャップもたまらないし、コボルトの集落での調査がこれからどう動くのか…続きが気になりすぎる!! アンミンさん、今回も面白かったです、ありがとうございます🌸