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1.新しい柱
登場人物
時透無一郎 霞柱、記憶を失っている
琴織星夏 鬼殺隊員、階級甲
不死川実弥 風柱
伊黒小芭内 蛇柱
悲鳴嶼行冥 岩柱
甘露寺密林 恋柱
胡蝶しのぶ 蟲柱
お館様 病が進行している
______________
ぼくは時透無一郎。
鬼殺隊の霞柱。
今日は柱合会議のため鬼殺隊の本部、お館様の屋敷に来ている。
さっき鬼を連れた鬼殺隊員がじゃまに入ったけど、それ以外は通常通り話を進めていた。
いつもの会議の流れが終わると、お館様は突然
お館様「今日は色々なことがあって申し訳ないけれど、もう一つだけ話さなければならないことがあるんだ。聞いておくれ」
と話しを始めなさった。
お館様「今回、異例だけれど鬼を五十体倒している隊士がいてね。十人目の柱として就任させたいんだ。」
柱全員「!?」
全員驚いた。歴代の柱は九人以上増えることがなかったからだ。新しい柱はどんな人なんだろうと、みんな気になってお館様の話をくぎ付けになるように聞いていた。
お館様「きっと鬼殺隊の運命を大きく左右する__出ておいで」
スタ スタ
柱のみんなは興味心身に視線をあげ、どんな人がいままでにない十人目の新しい柱なのか興味心身だった。その時ぼくは誰が来ようが特に気にしていなかったけ。
彼女の姿を見るまで
揺れる純白のマントを靡かせ、歩くその姿が目に映った瞬間、いままで感じたことのない不思議な感覚がした。どこかで会ったことがあるような、安心するような気持ち…そこにゆっくりと現れたのは、透き通った銀の髪、一番星のように輝く金色の目をした女の子だった。ぼくより小柄で、年が同じか少し下に見える。ぼくはなぜだか彼女に興味津々になっていた。
女の子「琴織星夏です。どうかよろしくお願いします。」
星夏と名乗る女の子は律儀に腰をかくっと曲げて礼をし、優しい笑顔で自己紹介した。柱の方々は、その若さ自体にも驚いていたが、何よりその年とは思えないほどの落ち着いた雰囲気と気品にも驚愕していた。
お館様「星の呼吸を使う星柱としてこれから頑張ってもらうつもりだよ。」
星の呼吸…聞いたことない
しのぶさん「“星の呼吸“、はじめて聞く呼吸ですね。もしかして…」
お館様「そう、彼女は自分で星の呼吸を編み出したすごい子なんだ」
自分で呼吸を…この女の子が。ただ、
不死川さん「彼女が鬼殺隊の運命を大きく左右とするという理由がわかりません。呼吸を新しく編み出す者や若くして才能のある者も鬼殺隊にはいます」
不死川さんの言うとおりお屋敷がそこまでおっしゃる理由が分からない。特殊な能力でもあるのかな?もっと大きな決定打があるんだ__
お館様「これを聞いただけでは、みんな分からないよね。実は、
星夏は二つの呼吸を使えるんだよ。
一つは今言った星の呼吸。もう一つは知っている人はほとんどいないと思う
___命の呼吸」
命の呼吸?全く知らない…
一体どういうものなのだろう
悲鳴嶼さん「!?」
悲鳴嶼さんが_驚いている。そんな姿は初めて見た。相当の事なんだ。でもやっぱりぼくは聞いたことがない。彼以外の柱もみんな聞いたことがないようだった。
お館様「これは遠い昔に生きていた鬼殺隊員が残した記録に書いてある、もう存在していないはずの古代の呼吸。聞いたことがある人はごく一部だろうね。」
伊黒さん「その命の呼吸とやらはどういうものなのです?」
煉獄さん「剣技ではなさそうだが…」
お館様「命の呼吸はね、魔法みたいどんな傷でも一瞬で治すことができる。うまくいけば腕や足をなくしても再生させることができたり、命を救うことができるんだ。」
宇髄さん「なっなんだと!?」
富岡さん「そんなことがあり得るのですか?」
甘露寺さん「人の傷を一瞬で!?!?凄いわ!
凄すぎる♡♡」
ぼく「本当にそんな事が可能なの?」
女の子「あっあの…は、はいっ💦」
彼女はあわあわとして少し困ったように答えた。
胡蝶さん「…信じがたい事ですね」
お館様「いきなりこんなことを話して、みんな本当に戸惑っていると思う。
でも、どうか信じてほしい」
柱全員「…」
お館様はいつもよりさらに明瞭な声でぼくたちに話しかけなさった。
お館様がここまでいうなら…
不死川さん「お屋敷のおっしゃることならば、信じます。しかし我々にも命の呼吸の情報がなさ過ぎる…」
お館様「そうだね、今説明するよ。
命の呼吸を使う者を柱にするというのは本来あり得ないことなんだ。命の呼吸の使い手は体が弱くなる傾向にあり、戦いの道に進む人なんてほとんどいなかった。でも星夏は、柱に成り上がるほどの強さで、命の呼吸を司る。この意味が分かるかい?」
悲鳴嶼さん「…柱の位を利用し、命の呼吸の使い手をより速く優先的な戦いに参戦させられる。そして柱同士と協調することで上弦の鬼や鬼舞辻との戦闘に優勢になる。」
そうか、もし本当に彼女が命の呼吸というものの使い手なら、戦闘において非常に重大な人材になる。最も強い剣士である柱にと関わることで、相手の特徴を抑えより治療の効率も増す。
伊黒さん「確かにこれは…」
甘露寺さん「鬼殺隊を左右する重要な存在__Σ( ̄□ ̄)!!?」
お館様「分かってくれたかな、彼女を十人目の柱としてもいいかい?」
柱全員「御意」
お館様「みんな、本当にありがとう。
_星夏は無一郎と同じ十四歳なんだ。優しくしてあげてね。」
伊黒さん「…やはり若いですね」
やっぱり同い年だったんだ。まあそれはどうでもいいや、彼女が優秀な人材ならそれだけ鬼を多く減らせるし。
お館様「ただ、問題が一つあってね。みんなに相談したいんだ。
星夏の屋敷が中々完成が遅いみたいでね。しばらくの間、誰かの屋敷で彼女を止めてあげてほしい。誰かお願いできるかい?」
ざわざわ…
みんなどうするか話を始めた。
甘露寺さん「(え~どうしよう!本当ならこんなにかわいい子、お招きしたいけど…)
私はすみませんっ…!家がいま物置みたいになってて💦いまは出来ない状況ですぅ(T-T)」
しのぶさん「すみません。私も預かりたいのは山々なのですが、けが人だけで手一杯ですね…」
不死川さん「女陣が無理となると、七人のうち誰かか、いや俺ん家は無理だ。そもそもガキを入れたくねえ」
煉獄さん「ならばうちで預かろう!継ぐ子にしてやろう!」
宇髄さん「…煉獄はやめておくとして、それにしても俺も派手に無理だな」
煉獄さんは誰でもかれでも継ぐ子にしたがるから、こういう話には除外される。
伊黒さん「俺も無理だ。(うちに入っていいのは甘露寺だけだ)」
悲鳴嶼さん「私は寺の質素な建物ばかり故、過ごしずらくしてしまうかも知れぬ」
伊黒さん「おい、関係なさそうにしているが富岡。お前も候補だからな」
富岡「…俺は無理だ」
しのぶさん「時透さんはどうですか?」
ぼく「どちらでも…つかっていない部屋も多いので」
不死川さん「同い年らしいからな、時透でいいだろ」
伊黒さん「私も賛成だ」
悲鳴嶼さん「私もだ。時透が良いのであらば…」
煉獄さん「ぬぅ!こちらでもよかったのだが、その方がいいだろうなっ!」
ぼく「…承知しました」
するとぽつりと置き去りだった彼女は
「よろしくお願いします…!」
とぼくに近づいてきて礼をした。相変わらず礼儀正しかった。
お館様「では無一郎に任せるとしよう。頼んだよ」
無一郎「御意…」
自分の屋敷に滞在させるのは初めてだ。いやではないな、お館様の命令だから。邪魔にならきゃべつにいいや。それにこの__
女の子「(ニッコリ)」
彼女を見るときの不思議な感覚の正体が、分かるかも知れない。
お館様「今日の柱合会議はここまで。みんな星夏と仲良くね。」
柱一同「御意」
こうして異例の十人目の柱が鬼殺隊に現れた。
ぼく「くれぐれも他の柱に迷惑はかけないようにして」
銀髪の子「わかりました」
悲鳴嶼さん「ではいつもの場所へ向かうとしよう」
宇髄さん「おう!派手にな!」
柱合会議の後、柱たち全員で打ち上げをすることとなった。新しい柱が来る祝いだ。ぼくの時もした。いつものお店で彼女を引き連れみんな店に入った。
周りのみんなは命の呼吸についてやその若さにそうとう驚いていたのか、一斉に彼女に話しかけた。彼女はその圧に一瞬とまどっていたが相変わらず律儀に質問にこたえ、大人しくしている。ぼくは特に話すこともないので話をなんとなく聞いていた。
甘露寺さん「キャーッ♡改めて見るとめっちゃかわいくない!?それに十四歳とは思えないくらい律儀ね✨」
銀髪の子「そう…ですかね?
ありがとうございます…!」
胡蝶さん「そもそも“命の呼吸“どういう仕組みで使えるのでしょうか?」
銀髪の子「私の肺には特殊な器官がついていて、呼吸法を工夫することでそこに空気をため込ませ、体に含まれた日光とともに治癒の力に変換し、手から放つことで、傷ならなんでも治す事ができます。ただ自分だけは治せませんが」
胡蝶さん「自分は治せないんですね。だとしてももはや超常現象…」
富岡さん「…」
宇髄さん「まあ怪我をすぐ治せるのなら派手にすげえなあ、よろしく頼むぜっ!」
銀髪の子「…はいっ!頑張ります!」
不死川さん「でもよぉ、柱ほどの実力とかなんとかでもこんなガキ一人で任務任せて大丈夫なのかよ。自分の怪我は治せないんだろ?…せっかく特別な力があるっていうのにすぐ死んじまうんじゃねえか?」
胡蝶さん「あれ?もしかして心配してるんですか?お優しいですね。
星夏さん、もっと気を休めてください。柱との仲を深めるのも任務のうちですから」
銀髪の子「…ありがとうございます!」
伊黒さん「不死川の言うとおりだ。例え柱ほどの実力だとしても、その貴重となる命の呼吸とやらを使える人材を一人で任務を任せるのは危険危険」
煉獄さん「ならば初めのうちは他の柱と共に任務に望むというのはどうだ!勉強にもなるだろう!」
胡蝶さん「それは名案ですね、私も賛成です」
伊黒さん「まあそれがいいだろうな」
悲鳴嶼さん「ではお館様から後に許可をいただこう」
不死川さん「あいよお」
安心しているのかその時の彼女の目はいっそうきらきらとしていた。
飲み会も盛り上がってきた。とにかく騒がしかった。たまに話かけられてきたので受け答えしながらぼくはなんとなく、彼女に話しかけてみることにした。
時透さん「じゃあ星の呼吸はどんな呼吸なの?」
星夏「あっ、時透さん。星の呼吸は雷の呼吸の派生です。高速移動と筋肉の瞬発力が必要になります。」
彼女と目を合わせる。不思議な感覚がまたいっそう強くなっていく。キラキラした星のような瞳は奥まで山の中の星夜を連想させる。
山…山の中って__
星夏「…時透さん?」
彼女と目を合わせてからぼーっとしてしまったようだ。
行冥「そろそろ夜も更ける…任務としよう」
実弥「おい琴織とかいうやつ、明日からは他の柱がつくから、ちゃんと仕事しろよ」
銀髪の子「…!はいっ」
みんなが外へ出て解散したのでその子を呼んだ。
ぼく「屋敷はこっちだよ、ついてきて」
星夏「はい!」
ぼくは彼女をつれて屋敷へ戻った。
~無一郎邸にて~
ぼく「…せな?だっけ」
あれ?すぐ忘れるはずなのに、なんで覚えてるんだろう
星夏「はい、これからよろしくお願いします。」
相変わらずにっこり笑顔で答える。
ぼく「ここは稽古場、そこが寝室、あそこが茶の間。わかった?あと、君ももう任務?」
星夏「はい」
ぼく「じゃあ終わったらこの稽古場に戻って、場所はどこ?」
星夏「桟橋地区の菱形山です。」
ちょうどそこはぼくの任務場所の隣の区内だった。初めての柱の後輩だし、他の柱のように彼女の面倒は見るべきだと思った。
ぼく「…ぼくの場所と近いから何かあったらカラスだしなよ」
星夏「ありがとうございます!」
そうして僕たちは屋敷からでた。
______________
私は琴織星夏。鬼殺隊階級甲。
今日、私は前代未聞の十人目の柱になった。こんなに大勢の人と会って恐怖と緊張はしたが、鬼殺隊のみなさんは温かく優しかった。そしてこれから他の柱の人と任務をすることができるなんてなんて名誉なことだろう。もっと人を救う、頑張ろうとさらに力が湧いた。そのために今日も頑張らないと…!
初めての柱での任務…菱形山へ鬼を狩ること。気配を感じるのは得意なので場所は特定した、山奥に入る
星夏「鬼はどこだろ…」
向かった鬼殺隊員がどんどん死んだという情報らしいけど見当たらないな。気配は近くなってる。でもこれは_
鬼「おおっ食料発見だぁ。女か…小さいかがいい肉に見える。」
いた。気色悪い目つきをした鬼がまた食料を見つけたと騒いでいる。
鬼「その服…また鬼殺隊員だ。よくそんな弱っちそうなのに入れたな?」
下弦程度の強さの鬼かな。雰囲気で分かる。
一番目の鬼「この量を倒せるかぁ?」
これじゃ階級の低い鬼殺隊員がどんどん死んだのも当たり前…だって同じような奴が五匹もいるんだもん。
その時鬼殺隊員の人々が無惨にも死んでいく姿を想像してしまった。憎しみがこみ上げてきた。
やはり鬼は許してはいけない
星夏「…」
思わず凄い目つきで彼らを睨みつけた。
鬼一「ああん!?ガキのくせにいなまいきな目してやがるぜ笑」
鬼四「でも金色の珍しい目をしているな、目は俺のもんだ」
鬼二「女は栄養価が高いからな、手足は俺がいただこうか」
鬼たちは侮っているのか戦闘態勢に入らない。逆にちょうどいい。はやく終わらせて、他の地域にいる鬼を少しでも減らしたい。私は刀を構え、いつでも技が出せる体勢をとる。
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ぼくは菱形山に向かっていた。
鬼を倒し任務を終わろうとしたところ、死にかけの鬼殺隊員とあった。菱形山に向かった鬼殺隊員たちの前に複数人の異能の鬼が現れ、次々と殺されていったらしい。こんなに気づかれず複数体鬼が山にいるのは…十二鬼月が紛れているかもしれない。
山を登っていると、なぜか今日柱になったという少女、星夏が頭に浮かんだ。確かあの子、菱形山に普通の隊員よりは強いと思うけど、いまの世代の柱達と強さが匹敵するとも限らないし、複数人の異能の鬼を倒せるほどの実力があるとは限らない。お館様が重要な人物といっていたから殺されないように急いで応戦しなければ