それから1年がたった私は二歳になったことで軽く歩いたり言葉を話せるようになった。
「エマァお庭に行きたい」
「そうですね。いい天気ですしいきましょうか」
私の行動できる範囲はこの王女宮の中と外の庭園だけだが幼い子供には広すぎるくらいだ。
でもなぜほかの宮殿には言ってはいけないのだろう。そういえばこの子、いや私の父母どちらにも会ったことがない。
「エマァ。」
「何でしょうか?皇女様」
「私ってお父様やお母様はいないの?」
「え?」
予想外のことを聞かれたのか数秒間意識が飛んだような顔を浮かべている。
「皇女様のお母様は今は少し遠いところに行かれているのですよ」
エマが口を濁した。嘘だろう産後すぐに旅行にでも行くわけが無い。
「お父様はいらっしゃいますよ」
焦ったような笑みを浮かべこう続ける
「ただ陛下は大変忙しい方なので…あっ、見てくださいこの花」
本当に忙しくて会えないのだろうか。娘に会えないほど?
慌ただしく話題を変えるエマを見てさらに疑問が大きくなる。
「この花は薔薇と言うんですよ。大変美しいですがトゲがあるので気をつけてくださいね」
微笑み私の銀髪に似合っていると続ける。
銀髪…この1年でいちばん気がかりなのがあの夢に出てくる女の子と容姿が似ていることだ。透き通るような肌と黄金の瞳に青みがかった銀髪。そして皇女と言うこと。
まさか、ね
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