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最愛なる宿敵へ
━━━戦後から80年
GHQからの支配もなくなり
経済も復旧し、
貿易も最高とまではいかないものの
順調で、壊滅ギリギリだった日本は
今や先進国となった。
戦争は各地で起こっているものの
世界大戦期のころから見ると
世界は驚くほど平和になったと言える。
そして、
その平和も
近いうちに
壊れることになる。
🇯🇵「はぁ〜〜…!」
「疲れたぁぁ」
荒々しくパソコンを閉じ机に突っ伏する。
🇹🇼「お疲れ!…にしてもほんと仕事早いよね」
そういい褒められるというのは
仕事疲れの心を癒し
🇯🇵「え……そ、そーかな、?!」
「めっちゃ嬉しいけど!!」
嬉しさで包み込んでくれる。
🇹🇼「あっという間に成績追い抜きやがって~」
🇯🇵「台湾くんだってそこまで悪い訳じゃないでしょ!」
🇹🇼「そーだけどぉ」
🇯🇵「それに、私は働かないと」
「ここまで働くのは過去への償いだよ」
重い話ならないよう軽い口調で言う。
🇹🇼「……そっかぁ~」
「旧国のことなのに律儀だよねぇ」
それを汲み取って
台湾は少しボケを入れて返した。
🇯🇵「それだけの事を私の父上はしてしまった」
「こんな事で律儀なんて言ってたら」
「世界中律儀すぎるよ笑」
これもまた、律儀に答えた。
🇨🇳「そんなことはないんじゃないアルか?」
🇹🇼「!、中国!?」
🇯🇵「いつから居た?!」
🇨🇳「日本の、はぁぁ、疲れた。からだナ」
🇹🇼「ハナから聞きやがってる…」
突然現れたように思えたが
初めからいたらしい
🇯🇵「あはは…笑」
それよりも少し気になったことがあった
「……にしても、先程のはどういう意味で?」
🇨🇳「なんのことアル?」
🇹🇼「あぁー、中国の、「そんなことない」の意味じゃないの?」
🇯🇵「それだ」
あの戦争で大きな被害を負ったのは中国もで
何より、中国を多く傷つけたのは私達だった
🇨🇳「そのまんまの意味アル。」
「今だって近くに戦争してる国がいる中で」
「軍隊も核兵器も憲法に従って、自国の意思で持ってないのは凄いことダロウ?」
皮肉にも聞こえてしまう褒め言葉が
本当に皮肉なのか、
それとも彼らしいフォローなのか。
どっちにしろ中国の言うことも一理あった。
🇹🇼「確かにね〜流石に僕も軍隊はあるし、」
いつもはあまり感じない感情が出てくるような気がする。
いつものじゃれ合いのような会話なのに酷く腹が立つような渦巻く何かを感じた。
🇯🇵「そういう決まりだから!」
「守るのは当たり前だろう!」
それがバレないよう元気で隠してしまった。
🇨🇳「そうアルね」
🇯🇵「あ、ごめんなさい!アメリカさんに呼ばれてるんだよね!」
「行ってきます〜」
🇹🇼「あ、そーいやそーだったね」
「うん!行ってらっしゃい」
すっかり私に染まった
聞きなれた挨拶を聞いてその場を去った。
🇨🇳「すっかり日本の言葉染み付いているな」
🇹🇼「しょうがないでしょ?ずっと一緒だもん」
「それに、中国だって同じでしょ」
🇨🇳「それもそうアルね」
🇯🇵「あ!アメリカさん!」
社内の喫煙ルーム。
かなり広く、大きめの窓が1つついている。
🇺🇸「にほんか!!」
そう、振り返らずに言う。
🇯🇵「すみません、遅れちゃって」
🇺🇸「全然だ!オレも今来たところだ!」
てっきり遅れたことに怒っていると思っていたが、そうでは無いらしい。
🇯🇵「沢山待たせたようじゃなくて良かった…」
🇺🇸「本当に日本は優しいな!」
🇯🇵「そんなこと……!嬉しいけれど…!」
「じゃ、じゃなくて!用とは?」
アメリカ。…さんがわざわざ私を呼んだ理由。
今はそれを知りたい。
🇺🇸「あぁ、いやな…少しまずい事がだな…」
🇯🇵「ま、まずい事……?」
「それを私に言うと言うことは私関係…?」
何となく心がザワつく。
🇺🇸「あぁ、ガッツリ日本関係だ」
🇯🇵「ぇぇ、なんだろ…」
「嫌な予感が今更してきた……」
これから何か大きな変化があるのだろうか。
何にしろ何か大きなコトが起きる。
そんな気がした。
🇺🇸「きっとオレの下手な日本語で言うより」
「見た方が早いと思うんだ」
🇯🇵「そうなんだ…?」
「十分すぎるくらいだと思うけど…」
アメリカの不自然な自分を下げる言い方に
違和感を覚える。
🇺🇸「HAHA! アリガトウw」
🇯🇵「わざとカタコトに……っ」
「……は、ちょ……っぇ?」
「あ、……ぁ、アメリカさ、ん……?」
アメリカは決して日本語が下手な訳では無い
下手な訳ないのだ。
今まで日本語で話続けてくれてたのだから。
🇺🇸「困っチまってヨ……」
「こんナの、だれヵに見せルワケにも…っテ」
振り返りながら喋る米こk ¿ の口元は
🇯🇵「お口が……っ」
「痛くないですか…!?」
🇺🇸「痛くは無い」
「朝見たらこうで…」
「たまたマ早く起き夕から親父やカナダには伝わっテネぇんだけど、、」
🇯🇵「と、とにかく……その、」
「溶けたお口!!どうにかしなければ…」
溶けて、口周りの顔の赤と白の縞が
絵の具のようにどろけていた。
🇺🇸「…なにやっテも、ヨくならネェんだ」
「朝見たトきから溶け具合ィは変わッテねぇ」
「先にモうひとツ見て欲しいものガあるんだ 」
これより優先するものなどないだろ……
そう思いながらも聞き返す。
🇯🇵「な、何ですか?!」
そうして出てきたのは古い和紙の手紙だった
🇺🇸「これダ」
🇯🇵「折られた和紙……?」
「日本風の手紙ですか…?」
🇺🇸「日本風というよりは」
「日本の手紙だ」
🇯🇵「アメリカさんが書いた訳じゃない…?」
🇺🇸「あぁ」
「中を見てみてくれ。」
🇯🇵「中……?」
そう言われ、私は正直に中を見た。
そこに描かれていたのは……
🇯🇵「……っ!!」
「これは……父上の…っ」
🇺🇸「あぁ、朝枕元にあったものだ」
国帝本日大の国旗だった。
ただそれだけ。
ただ、ただそれだけでも一大事だ。
旧国は現国が化身に就いた時点が寿命となる
だから、日本国が化身となり国を掲げている
今。
旧国がこの世界にいるのはおかしい事だった
🇯🇵「なんで……」
🇺🇸「……分からねぇ」
「俺の元に来たんだ、アイツで間違いない」
🇯🇵「……迷惑かけてしまってすみません」
「とにかく、今はまだ手紙だけで大きなコトは起きていません」
「取り敢えずアメリカさんのお口をどうにかしなくては…」
🇺🇸「あーあぁぁ」
「1日仕事休んじマった!!」
「ま夕怒らレるぜ…!」
そういい、場の空気を和ませるよう言うが、
溶けた口の滑舌ではどうも和まなかった
🇯🇵「今日は私の家に来てください!」
「にゃぽんに見て貰えば何かわかるかも…」
🇺🇸「ニホンの家行けるなラ」
「たまにはイイかもナ」
🇯🇵「良くないです!!!」
ONE Prolog END
※この作品の表紙は仮です。
コメント
3件
好きです、、最高