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戦況は奇襲をかけたのにも関わらず防戦一方となり状況的に部隊壊滅の危機が訪れたため一時的に撤退を余儀なくされた俺たちは拠点であるベースキャンプに戻っていた
部隊の状況は最悪だった
俺と隊長だけがこの部隊の生き残りなのだ
疲れた体を少しでも休めるため椅子に腰をかけ目を瞑る
? おつかれらだお
声をかけられ重くなった瞼を再び開くとそこにはこの部隊の隊長である成瀬カニが立っていた
らっだぁ なるせもおつかれ…
昨日までは50人近くいたベースキャンプも2人きり
寂しく冷えてしまったこの場所に俺は居た
らっだぁ そういやもうじき援護部隊来るんだっけ?
心の隅にある援護部隊という俺たちの希望について言った
成瀬の顔が曇った…どうやら何かを考え込んでいるようだ
成瀬 あーそうらしいけど……どうだろ…………
成瀬 どこの部隊も損害が酷いみたいだから俺らのとこは後回しにされるかもしれない……
その言葉を聞いた瞬間俺は理解した
この部隊は破棄されたのだと
ようするに残る戦闘員である俺と成瀬で敵陣へ特攻し自爆攻撃を仕掛けろという命令だ
俺は俯いた
成瀬が背中をさすってくれる
らっだぁ まじかぁ…
俺は震える声でつぶやいた
ポタポタと頭上から水滴が落ちてきた
顔を上げると俺をさすりながら成瀬は泣いていた
成瀬 …グスッ……
らだお なるせそんな顔すんなよ…w
俺は無理やり笑顔を作った
成瀬 ははっ…俺らしくも…ないのに…なぁ………グスンッ
らだお 俺は成瀬を抱きしめ落ち着かせた
どうやら成瀬も相当疲れが溜まっていたようで俺がなだめるや否や泣き疲れて眠ってしまった
俺はテントの中に成瀬を寝かせ敵にバレないよう電気と焚き火を消した
成瀬が眠っている間は俺が見張りだ
しっかり見張ってないと夜襲食らったら一瞬で俺たちは殺されるからね
木に登り迷彩服を着て空を見上げた
今日は三日月か…
カァカァッ
そういや今日はやたらとカラスが多いような………
カァッッッ
一羽のカラスが俺の腕に飛んできて止まった
足に何かついている
俺は慎重にカラスの足に付けられている紙を解いた
内容は援護部隊の壊滅の報告と他の部隊の欠員名についての詳細だった
一人一人の仲間の名前が綴られている中俺は一人の名前に目を奪われた
天乃絵斗 仲間を庇い戦死
俺は声が出なかった
幼い頃からの親友が死んだのだ
ショックでまともに頭が回らなかった
一瞬…時が止まったように感じた
らっだぁ ぅ……そ……………だろ……?
俺は受け入れたくなかった
だってあの時彼はこう言ったんだ
「らっだぁ!今度旅行一緒に行こうな!!」
らっだぁ いいよーw
「お前の奢りで〜!お願いしまーす」
らっだぁ おいww
「www」
少しして笑いがおさまった頃真剣な表情で彼はこう言った
「いつまでも…いつまでもこうしていたいね」
その言葉に俺は__________
らっだぁ そうだね
らっだぁ ぺんちゃんは俺が死ぬまで生きてね
「あったりまえだろ!?お前のほうこそ俺より先に死ぬなよ!」
らっだぁ はいはいw
昨日のように蘇る懐かしい記憶。
それに伴う信じることができぬ現実。
真実は残酷だ
冷酷で無慈悲だ
だが俺たちは生きなければならない
儚く散っていった仲間たちのために
親友にために……
俺はしばらく声も出せずに泣き崩れていた
そして次の瞬間________
バァンッッッッ
銃声が響いた