テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
『俺もや。』
その言葉のあと、ふたりの間に、なんとも言えん静けさが流れた。
ソファの上、毛布にくるまった晶哉と、横に座る健。
手ぇ、繋いだまんまや。
「……健、さっきの……ほんまに言うたん?」
『嘘つくか、アホ。お前のこと、好きや言うたら好きに決まってるやろ。』
「……ふふ、そっか……」
安心したように晶哉が微笑む。
けど、その目はちょっとだけ潤んでて、なんか色っぽかった。
健は堪らんようになって、ゆっくりと晶哉の頬に手を添えた。
『なぁ、晶哉……キスしてもええ?』
「……うん。」
ふわっと目を閉じたその唇に、健がそっと唇を重ねる。
最初は軽く触れるだけのキス。
けど、だんだん熱がこもってきて、舌が触れ合うころには、毛布の中で握ってた手にも力が入ってた。
「ん……健……っ///」
『可愛すぎんねん、お前……///』
健の手が、晶哉のTシャツの裾に触れる。
そっとめくって、柔らかい肌に指先を滑らせる。
「アカンって、朝やで……」
『関係あらへん。お前がこんな顔するから、俺がガマンでけへんねんやろが。』
耳元で囁かれて、晶哉は身体をビクッと震わせた。
「……そんなん、言わんといて……余計なる」
『……なにがなるやねん……どこがや?』
健がわざと意地悪そうに囁くと、晶哉は真っ赤な顔で毛布を引き上げた。
「アホ……」
『可愛すぎやろ。……なぁ、晶哉。もっと、俺に触れさせてや。』
「……うん。健やったら、ええよ……全部、あげる。」
その言葉に、健の理性はほとんど飛んだ。
毛布の下で交わされる熱、重なる唇、這う指先。
晶哉は何度も甘い声を漏らして、健の名前を呼んだ。
朝の光の中で、ふたりは誰よりも確かに、お互いを求め合っていた。
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!