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前々から歩きづらさを感じていた線路を、今やっと抜けられた。終着点には(何と形容するべきか分からないが)車止めが施されていて、山を抜けたからかそこまで古びたものでは無かった。
何も道標がなくなった以上、道を探してはふらつくしかない。今の今までガタついた道を歩いていたから、踏みしめる感覚が違って慣れなかった。辺りを見回すと、前よりかは建物も多くあり、ちゃんと人が住んでいる気配がする。とは言っても、どこもかしこもツタだらけだし、出歩く人は見受けないが。
そんな中で行き着いた先は、草むらが広がる河川敷だった。傾斜になっていて、降りれば川のすぐ近くにいくことができる。そのため、少し涼もうと提案し、階段で下に降りる。静かでだだっ広いコンクリートの上に2人並ぶと、遠くまで来てしまったことをようやく実感した。
突如視界の端から彼が居なくなった。慌てて目で追うと、川を見つめたまましゃがみこんでいる。彼が見つめる水面は、光を反射して揺らめいていて、少し、濁っていた。昨日くらい晴れていればもうちょっと透き通っていたかもしれない。それでも、蒸し暑い今日にとっては見ているだけで体温が下がりそうだ。
「綺麗だなぁ 」
脳裏に浮かんでいた言葉が、すぐ隣、ちょっと下から声となって聞こえてきた。
「、、、ぇ」
「良かった、最後に綺麗なもの見れて。この旅では、今までに出来なかったことも、見れなかったものも、見れた」
付け入る隙も無く、彼は続ける。
「、、、なぁ、イギリス。ありがとう。僕に着いてきてくれて。一緒に旅をしてくれて。、、、僕のこと、沢山考えてくれて。嬉しかったよ。あの線路での言葉も。」
こちらが口を開く前に、声で塞がれる。
「急に自分語りしてごめん。、、、ほんと、嬉しかったんだ。こんなにちゃんと友達として接してくれたのはイギリスだけだったよ。一緒に過ごしてて、楽しかった。」
「、、、だから、お前だけは死なないで欲しい、って思っちゃった。わがままだよね。だって、イギリスは、何も悪くないじゃんか」
「ふらんす、」
「僕は人殺しになったけど、イギリスはまだ引き返せる。まだ、幸せになれるんだ。 、、、お前が傍にいたから、ここまで来れた。本当にありがとう。
、、、けど、いや、だから、
もういいよ。 」
ようやく思い出した。自分がどれほどフランスの「綺麗」に怯えていたか。ずっと恐れていたことなのに、はっと意識が覚めた頃にはもう、目の前の光景に眼を見開くしか無かった。
「死ぬのは僕だけでいいよ。」
数十時間ぶりに会ったナイフを喉元に突きつけて、彼は言い放った。その刃先と滲んだ瞳は、悲しげに光っていた。
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というわけで、ここから先は皆さんお待ちかね()のルート分岐になります!
まあ部類としてはハッピーかバッドだとは思うんですけど、、、個人的にはそう判断したくないのでざっくり言っちゃいます。
7話が死ぬやつ、8話が死なないやつです。
結構ざっくり言いました。まあでも大体こんなんです。特に7話は俗に言う死ネタです。もう苦手な人は死ぬほどスクロールして下さい。ちなみにどちらにも後書きは書いてあるのでどっち先に見ても良いです。
地雷なものは無理せずに逃げてください!お好きな方を選んでくれれば嬉しいです。