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3人は森を走ったのち、洞窟の前に着いた。
コブシ「着いたよ!ここが象徴選抜をやる場所!メレシーがいっぱい生息してるんだ、気をつけてね。」
ルディア「そういえば、象徴選抜って何をやるの?」
デュランタ「…本当に知らないまま象徴選抜の誘いを了承したんだな。」
「ここまで来たんだ、実践で説明しよう──」
デュランタが懐からピンクの石を取り出す。
ルディア「それって?」
デュランタ「妖の象徴が遺したと言われているダイヤモンドだ。」
「妖の象徴、ディアンシーはメレシーの突然変異で生まれたと言われているが、突然変異なんてものの確率は極めて低いだろう…それが起きるまで待てなんて言うのも無理な話だ。」
「ところがこの桃色のダイヤモンドを使えば──それを意図的に引き起こせる可能性がある。」
洞窟の中へ駆け出す!
ルディア「本当!?」
デュランタ「ああ、だがその適正のないメレシーは拒絶反応を起こす。こんな風に…なっ!」
走ったままジャンプし、メレシーの頭に宝石を当てる!
するとメレシーは体の空色の宝石にピンクの光が血走る…
そして体が震え──それが止まり、ギロっとデュランタの方を見て…岩を飛ばしてくる!
ルディア「うわあ!?」
デュランタが床の岩に触れ、岩の盾を作って相殺する。
デュランタ「これが拒絶反応だ!まるでダーティ災害にかかったかのように、近くの人間を攻撃する…!」
コブシ「はぁーーっ!!」
コブシが肘落としで暴走したメレシーを打撃し、メレシーはふらっとして床に落ちる。
他のメレシーは皆キョトンとしている。
コブシ「ん〜〜、肘が痛いなぁ…」
腕を回す。
デュランタ「当たりが出るまでこれの繰り返しだ。1体ずつダイヤモンドを当て、その度に暴走したメレシーを沈める…」
ルディア「なるほど…?これポケモン虐待にならないの?」
デュランタ「象徴を再来させるためだ、仕方がないだろう。命を奪うほどの加減ではやらないしな。」
「それに…ダーティ災害でポケモンとの間にできた亀裂など、埋められないようなものだ。こんな『些細』なこと、もう叱られないだろう…」
ルディア「……」
「あー!暗い話は嫌いだよ!さっさとやり遂げよう、象徴選抜!」
コブシ「そうだよ!集中しよ!」
デュランタ「コブシがダイヤモンドを持ってくれ、僕がカバーする!」
コブシ「おーけー!」
デュランタが軽くダイヤモンドを投げ、コブシがパシッと受け取り、すぐにメレシー達に接近する。
コブシ「一気に行くよ!」
糸を縫うようにメレシー達に次々と接触し、その全てがまた拒絶反応を見せる。
デュランタ「ハズレだな!」
(『十八変化の岩本』…!ドームを作る程度ならどうせ破られる──から──こうだ!)
岩の両手を作り、それを拍手のように勢いよく合わせる!
ものすごい衝突音がして暴走したメレシーの全てに命中し、撃ち落とす。
デュランタ(くっ…はぁ、賊相手に使いすぎたか…特性も限界が近いかもしれない…)
その間にもコブシは次々メレシーにダイヤモンドを当てていく!
未だ全てハズレである…
デュランタ「ルディア!頼めるか!」
ルディア「世界に──光を!」
「はぁぁぁっ!!」
大剣を横に薙ぎ払い、暴走したメレシーを攻撃される前に撃破する!
デュランタ「本当にすごいな、その力は…!」
コブシ「まだまだ行くよ!頑張って!」
それは、数十分もの間続いた──
そして、ついにメレシーは最後の1体となった。
コブシ「最後!行くよ!!」
それによりデュランタは『今年も全部ハズレだったか』と察してしまう。
コブシも同じ感情は芽生えていたが、少しの希望をこの眼前の光景に託しながら宝石を振りかざした。
そしてルディアは、この状況でも諦めなど見せず、前を見据えていた──
メレシーにダイヤモンドが当たる!
ルディアは攻撃の構えを取り、デュランタはもうその準備を終えたが…
───その時!
コブシ「ッ!?」
デュランタ「!?…!!!!」
ルディア「!!」
洞窟内が…淡い光に覆われる!!!
宝石はピンクに輝き、その岩の体は上に成長してゆき、その場の全員がその美しさに見惚れる…!
今まで見たこともない反応。デュランタは確信した…
200年に渡った象徴選抜は…今日、そして今をもって成功すると!!!
だが、それと同じくして…
…ルディアは洞窟に黒い霧が立ち込み始めたことに気付く。
ルディア「!?」
流れる悪雲。煙の量が増してゆく!ルディアはその光景に、深く見覚えがあっただろう…
…ダーティ災害が、発生した。