(隼人)
拓也、ほら水だ!
だいぶ出血も治ったようだし…
地下に行って休んでくるといい。
(拓也)
何言ってるんですか⁈
地上で戦っている戦士の中には女性隊員だって
いるじゃ無いですか!
そんな中俺だけ安全な場所で休むなんて
出来ないですよ!!
(隼人)
それが、地下も安全では無くなって来たんだ…
(拓也)
なっ!なんだって⁉︎
いや、何故ですか?
(隼人)
どうやら本当の敵はあの知能の低い宇宙怪獣
ではなく、人間よりも遥かに知能の高い生物
の可能性が高いんだ。
(拓也)
どう言う事ですか⁈
(隼人)
それは今テクノロジー班が調べてくれている。
それよりも、レイナが倒れた…
だから地下でまずは休養を取ってレイナを
見張っててくれないか。
目を覚ましたらきっとまたすぐに上で戦うと
言い張るだろう…
言い出したら聞かないからな…。
(拓也)
レイナのやろー…アイツは昔っから
言い出したら聞かない頑固娘だからな…
確かに隊長の言う通りですね…
地下には親を亡くした子供達が増えている
ってレイナが言ってたし…
わかりました!!
今は地下の人達を守りに行って来ます!
そう言って拓也は早々と地下階段を降りて行った
(テクノロジー班)
隼人隊長!!ただちに研究室に来て下さい!
(隼人)
何かわかったのか⁉︎
とにかく行こう。
研究室
ワレワレハ ゼンウチュウヲ パトロールシテ
イル カミノツカイダ………
ニンゲンヨ ワタシノコエガトドイテイルデアロウ
地下入り口に降って来た謎の装置から聞こえて来た
(隼人)
聞こえてる!神のつかい?そんな訳…いや、
そうだとしたら なぜこんな酷い事を!!
ムゴイコト……??!
ニンゲントハ ザンニンデ ダマシアイ コロシアイ
アイスルオヤ コドモデサエモ コロスデアロウ
ジブンタチノテデ チキュウサエモコワシテイル
デアロウ
ダカラ カミガ チキュウヲ リセットセヨ
ト ワレワレニ イッタノダ
(隼人)
リセットって!!
全人類がそうでは無い…
地球人には人の為に命をかけられる人や
自分を犠牲にしてまで他者を助ける人だって!!
デハ ヨイニンゲンバカリ シニ
アクニンバカリガフエルデ アロウ
オマエモ ワカッテ イルデアロウ
(隼人)
う…… そんな!!
ナンドモ チャンスヲアタエタ
ダガ モウ キリガナイ
マスマスヒドクナルバカリダ
サイゴノキッカケハ ウィルスノカクサン
ニンゲンガツクリダシタ ウィルスデ
ニンゲンガクルシミ シメツシテイル
ナンノタメニ ……
ニンゲントハ リカイシガタイ ……
ト カミガ ハンダンシタ
リセットマデ チキュウジカンデ アト
トウカカンダ ……
アイスルモノト スゴスナリ
ハンゲキスルナリ クイノナイ
オワリヲ ムカエラレル ヨウニ ト
カミカラノ デンゴンダ
そこで通信は途絶えた………
残された時間…10日間……
(隼人)
どうすればいいんだ……
皆に伝えるべきなのか…
恐怖を与えてパニックになるだろうが
何も知らずに……
どちらが皆にとって良い事なのか…クソっ……
(テクノロジー班)
あ、あの……
神様の使い?神様ですか?
とても信じられる話では無いですが
何者かが地球を滅ぼそうとしているのは事実です。
私は、何も知らずに死にたくはありません!
自分は今まで家族の為と思い、研究、研究の毎日。
研究室にこもりっぱなしで…
子供の世話も妻に任せっぱなしで…
それが家族の為と思い込んでいた事に
気がつきました……
残りの時間は家族を大切に優先して側にいて
あげたいです…… 今更ですが……
家族と一緒に過ごし、家族と共に最後の日を
迎えたいです。
皆にもチャンスを与えてあげませんか……
(隼人)
残酷な話しだが、それがいいのかもしれない…
なんて言ったらいいんだ…
頭の中が整理出来ない…
でも説明しないとな……
隼人は肩を落とし頭を掻きむしりながらも
研究室を出て行った
宇宙ステーションに逃げればなんとか
なるのではと一瞬頭をよぎったが
全員が行ける訳では無い
それに、着陸する地球が無くなってしまったら
燃料も酸素も食料も尽きて
宇宙を彷徨いながら
苦しみながら死んでしまうだろう……
そんな事を考えながら放送室へと向かった。
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