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みく「おはよう。」
私のその言葉に、藍ちゃんだけが返してくれた。教室全体の異様な空気は私にもひしひしと伝わってきた。
らん「おはようみくちゃん!元気になったの?」
みく「うん、昨日はありがとう」
らん「いいんだって〜」
みく「……何かあったの?」
らん「ん〜、わかんない。私が来たらもうこんな感じだったんだよね〜」
昨日学校で何かあった訳では無い、今日の朝なにかあったのか。
昔から人の視線をよく気にしてしまう。自分の隣の席、瀬戸くんの席でヒソヒソ話している男子が私の方を見ているのは確かで、私についてなにか話しているのも多分、確か。何も聞こえないけど悪口を言われているような気がしてずっと居心地が悪い。HRが終わってからも、1時間目が終わってからも。放課の度に瀬戸くんの席で大勢の男子がヒソヒソと話す。それだけではなくて、前の方では女子も、いつものグループでこちらを見てなにか話している。もちろん、藍ちゃんも。
そんな居心地の悪い午前中が終わり、給食を食べ終わり昼放課を挟んで次は合同授業。席は自由だったからはてなが私の隣に来た。
はてな「……1組なんかあった?」
みく「わかんない…自意識過剰かもだけど私の方見てなんか言ってる気がして…」
はてな「多分気のせいじゃないよ。私ですら視線感じるもん。」
みく「何言われてるんだろう…」
はてなという心の拠り所ができたせいで、どんどん気分が悪くなってくる。さっきまで、ここで気分を崩したらダメだという意識があったから。目の奥が熱くなって、涙が出てきそうになるのを必死でこらえた。
私は気が弱いタイプ、とまでは言わないと思う。でも人の視線とか、悪口を言われてないかなとか、無駄な心配が多いと昔はてなに言われた。でも気になってしまうものは仕方がない。
佐藤「じゃあなんかいい感じに男女、クラス混合で8人1組の班作れ〜」
学年主任の一声で、一気に周りが騒がしくなる。はてなとは絶対同じ班、あと6人は誰を呼んだらいいんだろう、と考えていれば、はてながこちらを覗き込むように話しかけてきた。
はてな「やまみーいつもの6人呼んでもいい?」
みく「あ、うんいいよ。いつものって藍ちゃん達だよね?」
はてな「そうそう!」
呼ぶまでもなく、話している間にもう数人集まっていた。
はてな「はやw」
ポン酢「あ、もしかしてやまみー?」
はてな「それはてな用の呼び方だからやめて」
バブケ「なんだそれw」
らん「おまたせ〜!」
あと2人、はてなの話だと多分来るのは瀬戸くんと蜂山くん、のはず。
でも一向に2人は来なくて、周りを見渡せば男子に囲まれているふたりが見えた。
なつ「おいおいおいおい裏切りですか?」
せと「違います〜。もう行きます〜」
なつ「じゃあ早く来いよ」
卯紗くんが2人を呼びに行って、8人揃ったのでその場に座る。1人だけ仲間外れ感を感じつつ、隣にはてながいる安心も感じて、先生の指示通り文化祭についての話し合いが始まった。
バブケ「ところで1組ってなんかあったんですか?」
なつ「あ、僕もそれ気になってた」
ポン酢「なんか空気変だよね」
私も、気になる。でも聞く勇気はないし、もし私が関わっているならここで話さない。はてなが聞いておいてくれることを願って。
みく「ごめん、私ちょっとお花摘み行ってくるね」
はてな「みく……。いってらっしゃーい」
【はてな視点】
美紅は本当に責任を感じやすいし、人の視線には人一倍敏感だし、ネガティブに捉えやすい性格をしている。今1組で何が起こっているのか、美紅は絶対気になってる。でも自分がいたら話せないだろうとか、悪口だったらどうしようとか考えちゃうからトイレに行った。そんなところだろう。ならはてなが聞いておかないといけない。
はてな「で、何があったの?」
らん「えっとね〜……」
ハチ「昨日瀬戸が美紅を保健室まで運んだのよ。んでその運び方がさ、いわゆるお姫様抱っこってやつだったのよ。」
いや、そんなくだらん事?!そんなくだらないことヒソヒソ話して美紅を不安がらせたってこと?!うっそでしょ……。
なつ「そんだけ?!」
らん「いや、一応まだある」
せと「ないわ黙れお前ら」
バブケ「あさひさん顔真っ赤じゃないですかw」
ポン酢「瀬戸さん、あなたまさかですけど」
ハチ「そのまさかです。」
せと「ちげぇって言ってんだろ」
まさかって……瀬戸さんが、美紅のこと好きってこと?
は?????
はてな「いや普通に無理だが?」
バブケ「なんではてなさんが?!」
はてな「いやいやいや瀬戸さんに美紅は絶対に渡さないよ?はてなの美紅だから。やめて?」
なつ「敵は手強いぞせと〜w」
せと「だから違うって」
てかお姫様抱っこなんて聞いてないんだけど!昨日美紅おぶられたって言ってたのに……。てかおんぶも全然許せないけどね。そんなふうにやいやい言っていれば、美紅が帰ってきて、楽しそうな私たちを見て少し微笑んでいた。
はてな「やまみーははてなが守るからね!大丈夫、はてながいるから!」
みく「えっ?う、うん……?」