【戻れない村】
※Prologueはあらすじを見てください
Episode1
「ぇ、なにこれ……?」
思わず、スマホの画面を二度見する。
ナビに表示されていたはずの道が、消えていた。
さっきまで確かに存在していたルートが、急に「行き止まり」になっている。
けど、実際に俺等の目の前にはまだ道路が続いていた。
「ナビがバグってね?」
「いや、マジでおかしいですよ。これ、もう道ないことになってる…。」
「え、じゃあ俺等どこ走ってんの?」
しにがみが後部座席から身を乗り出してスマホを覗き込む。
クロノアさんもトラゾーも不思議そうに画面を見ていた。
「……電波の問題か?」
そう言いながら、俺はスマホの電波を確認する。
圏外。
「え、もう圏外?山奥だから?」
「でも、さっきまで普通に繋がってたよな?」
「ん~……」
クロノアさんが少し考え込む。
けど、その間も車は進み続けていた。
舗装されていないガタガタの山道を抜けると、突然、視界が開ける。
目の前に広がったのは——村だった。
「……え??」
地図には載っていないはずの村が、目の前に存在していた。
異様な村
村の景色が視界に広がった瞬間、俺の心臓が一瞬、跳ね上がった。
そこは明らかに異様だった。
ボロボロに朽ち果てた木造の家々が並んでいる。
どの家も窓が割れていたり、崩れかけていたりして、まるで何十年も放置されたゴーストタウンのようだ。
しかし、それだけじゃない。
どこかの家の扉が、わずかに開いている。
しかも、扉の前には足跡が――ほんの少しだけ新しいような、そんな気配を感じた。
「……なんか普通に村じゃなぃ、?」
しにがみが後部座席から震えた声で言う。
普段ならこんな場所、速攻で帰るはずだ。
でも、なぜだろう。
何か引き寄せられるような、妙な好奇心が湧いてくる。
「……行ってみるか」
クロノアさんの一言に、俺はうなずくことができなかった。
誰もが少しの不安を感じながらも、それでもどこか興味深げに村の中へ足を踏み入れる。
——その時、初めて俺は感じた。
もう、戻れないのだと。
next💛1000~
(♡企画ではいってるのに小説ではいかないの何ででしょうね?)
コメント
5件
ログインできたらいいんだけどね、w
ログインしてないから♡10個までしか押せない…(´・ω・`)
書いてくれてありがと、続きも楽しみにしてよん