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「私の理解者」

彼を見つめ、一呼吸置くと、「よろしくお願いします」と頭を下げた。

この人に頼ろうと、今は素直に思えた。

やらねばならない仕事をひととおり説明すると、 日比野(ひびの)はすぐに要領を得てくれ、分担して作業に取りかかった。

定時になり、ほかの社員が席を立ち始めると、日比野はパソコン画面からこちらに視線を移す。

「あとどれくらい?」

「えっと……。このデータを入力したら終わりです」

「わかった」

日比野のほうの画面を覗けば、頼んだ書類の作成が終わりかけている。

どうなることかと思ったけど、ここまでくればあとはすこしだ。

「終わりました。日比野さんのほうが終われば、先方にメールで送付するだけです」

「わかった。あとはやっとくよ。もうあがって」

日比野はこちらを見て軽く微笑むと、またパソコンに向き直った。

その横顔を見ながら、素直な感謝が湧きあがる。

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熱帯夜~私と彼氏と浮気相手と~

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