テラーノベル
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あかりちゃんは、ひとりで眠るのが大好きでした。ベッドに入って目をとじると、毎晩かならず声がします。
「……おやすみ、あかりちゃん」
やさしくて、やわらかくて、ちょっと低い声。
でも、その声の主はお母さんでも、お父さんでもありません。
あかりちゃんは不思議に思いながらも、その声に包まれて眠るのでした。
ある夜、ふと目が覚めたあかりちゃんは、ベッドの下から音を聞きました。
「ふふ……」「あはは……」
子どものような笑い声。
ベッドの隙間から、暗い闇の中で光る目がいくつもあかりちゃんを見ていました。
「ねぇ、あそぼ」
声はそう言いました。
あかりちゃんは、布団をぎゅっと握りしめました。
次の夜。窓を見上げると、外に立っている人影がありました。
それは子どもの形をしていて、にこにこと笑いながら手を振っています。
あかりちゃんも小さく手を振り返しました。
けれど朝になると、町ではひとりの子が行方不明になったとニュースが流れていました。
窓の外にいたのは、その子だったのでしょうか。
お気に入りのうさぎのぬいぐるみが、夜のあいだに消えました。
泣きそうになって探していると、かすかな声がしました。
「……こっちだよ」
それはうさぎのぬいぐるみの声でした。
ベッドの下から、手がにゅるりと伸びてきます。
うさぎを抱えたその手に、あかりちゃんは引きずり込まれそうになりました。
あかりちゃんは叫び声をあげ、必死に布団へ戻りました。
ある晩、声に導かれて学校へ向かいました。
真夜中の校庭にはたくさんの子どもたちが集まっています。
みんなで輪になって、歌を歌っています。
にこにこ笑っているけれど、近づくと、その顔は紙のように薄く、ひび割れていました。
「おやすみ会、いっしょにしよう」
子どもたちの声が重なって、夜風に溶けていきます。
家に帰り、あかりちゃんはベッドに横になりました。 目を閉じると、あの声がいつものように囁きます。
「おやすみ、灯ちゃん」
安心したように眠りに落ちようとした、その時
耳元で、もうひとつの声が囁きました。
「……次は、あなたの番だよ」
コメント
1件
かわいい系とホラー混ぜるの天才すぎますᐡ ̳ᴗ ̫ ᴗ ̳ᐡ