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私、
雨宮 実樹 (あまみや みき)
何歳ぐらいの時やったっかな。
物心つく前からやと思う。
私が信ちゃんの隣の家に住むようになったのは。
親が離婚して、お母さんの実家に戻ってきた。
田舎で、祖父母の家は畑仕事をしている。
お母さんはバリバリのキャリアウーマンだったらしいが、パートで近くの介護施設で働いている。
田舎ってのもあるけれど
お隣さんだから、よくおうちにお邪魔させてもらったり、
信ちゃんのところはお米を育ててる米農家さんなのでお米をたくさんくれたり、
私のところは野菜だから野菜をおひそわけしたり。
お母さんが夜勤の時は家に泊まらせてもらって一緒に寝たりしとった。
親同士、
祖父母同士も仲が良くて、
お父さんの顔はもう思い出されへんわ。
小さい頃からよく信ちゃんと過ごすことが多かった。
信ちゃんは昔からあんまりはしゃいだりする感じじゃなかった。
落ち着いた子供やった。
私はそんな信ちゃんを驚かせたくて
笑わせたくて。
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『なぁ!信ちゃん見とって!!!』
「ん?なんや実樹」
🤸♂️🤸♂️🤸♂️🤸♂️🤸♂️🤸♂️側転〜〜〜
「あっ!危ない!」
『わっ!』
体勢を崩して、地面にズベラシャァァァ
『膝と手ぇ擦りむいてもうた……』
「大丈夫か。ほんま危なっかしいなぁ実樹は」
『でも……』
「?」
『凄かったでしょ!?✨✨』
____________
……なんかもう、馬鹿してた記憶しか残ってへんねんけどな笑
それでもその度に、信ちゃんは
「すごいなぁ」
「ほんまやなぁ」と褒めてくれた。
驚かしたり、笑かしたりってよりは
もしかしたら褒められたかったんかもしれん。
信ちゃんに褒められるんが嬉しかった。
私は物心ついた時から信ちゃんの事が好きやったんかもしれん。