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コイツはしっかり札束の入ったバッグを肩にかけ、銃をこちらに向けている、麗奈を連れたまま逃亡する気だ
レオは両手を挙げてその場に佇んだ
非常ベルはまだ鳴り響いている
彼女の化粧はすっかり落ち、抵抗したのであろう、髪も乱れているが
その瞳は恐怖よりも怒りに燃えている、必死で空気を吸おうと、のどを締め付ける相手の腕に両手でしがみついている
ブラックは持っている銃を犯人に向けた
「う・・・・撃ったら・・・この女の命はないぞ!! 」
怯えた声の犯人が叫ぶ
「そうなる前にお前の頭が吹っ飛ぶぞ!」
ブラックがここぞとばかりに野太い声で言った
「ほら!やれよ!コイツの射撃の腕は間違いない!」
レオも面白そうに言う
くそっ・・・馬鹿が煽るなよ!レオ!
「ブ・・・・ブラック・・・・」
麗奈が悲鳴のような声を震わせた
「大丈夫よハニー・・・すぐ終わるわ 」
こんな状況なのに彼は微笑みを浮かべ、麗奈に向かってウインクした
しかし額の汗がすべてを物語っていた
横の店のシャッターが蹴り破られる凄まじい音に、誰もが驚いて犯人もそちらに銃を構えた
防弾チョッキに身を包んだSWATチームの隊員が、10人ほどドドドとなだれ込んできた