「雨もいずれ止んで」
唇を重ねながら、“好き”や安堵が自然と 紀坂(きさか)に伝わっていく気がした。
湧きあがってくる想いが彼へ向かっていく。
紀坂からも、彼がほっとしていること、気のせいじゃなければ、私を大事に思ってくれていることも伝わってくる。
お互いの想いを充分伝え合えたと感じられた後、紀坂はキスを終え、こちらを向いた。
私の頬に手を当て、そっと撫でる彼から愛おしさを感じるのは、きっと気のせいじゃない。
「ここからは真面目な話なんだけど」
胸がいっぱいの私に、なぜか彼は弱ったような笑みを浮かべる。
「あいつ―――君の元彼は、昨日、君が帰ってくるのを待っていたような気がするんだ」
言われて、無意識のうちに目を瞬いた。
日比野(ひびの)のことなんて頭から抜け落ちていたけど、言われてみれば、日比野はうちによく出入りしていたし、レストランで別れた直後も電話が入っていた*********************
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