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「では汝のその願い、我が叶えよう」
「ちょっと待ってください!!」
姫花が急いで手を挙げ止めに入る。悲しい目で佐久間を見ていた。
「……やっぱりサクマさんは別世界の人だったんですね」
「そうだ、隠したつもりはないがな」
「自分のこと学者だって嘘ついたじゃないですか!!」
「あんなすぐバレる嘘を嘘とは言わない」
「もういいです!!」
それから間をおいて姫花は言った。
「私達、もう会えないんですか?私はサクマさんとお話するの楽しかったです。だから、ずっと一緒にいられたらなと思います。私まだサクマさんのことなにも知らないのに、本当に帰らないといけないんですか?」
「……俺には友達がいる。本当ならずっとこの世界にいたかった。だけど、帰るって決めたんだ」
たとえ元の世界がどんなふうになっても、佐久間は帰ると決めた。そして……。
「そう……ですか……」
姫花は落ち込んだが、少し考えて言った。
「なら、私も行きます……!」
「この里はどうするんだ、里長なんだろ?置いていくのか?」
「……っ」
すると佐久間が来た通路があった場所から声が聞こえてくる。
「壁の向こう側になにかあります!里長、大丈夫ですか!?」
「全員離れろ!」
爆発音がして壁が崩れ始めると、中から里のエルフ達が現れた。
「里長!ご無事で──!?ドラゴン!?なんでこんな場所に……!?」
「みんな……!実は──」
「俺が話す」
そうして佐久間は事の経緯を話す。別の世界から来たこと、そして、その世界は魔王によって侵略されていることを明かした。
「なにか恐ろしい気配を感じてここに来たと思ったら、サクマ殿にそのような事情があったとは……」
「ああ、だから今から帰る。世話になった」
「……私はサクマさんの力になりたいです。魔王は倒せないかもしれないけど、あなたのことを守りたい!」
「……俺としてはありがたい。でも、さっきも言った通り里のエルフを残して行くわけにもいかないだろ?それに危険だ。もし姫花になにかあったら俺はどうしたらいいんだ?どうやってその責任を負って生きていけばいいか、分からない」
里のエルフ達が頷き、突然 姫花の方を向き跪《ひざまず》いた。
「……え?」
「里長、私達が里長にどうこう言うつもりはありません。なので、私達は里長の意思を尊重します」
「……でも!私は里長で、この里を統べないといけないのです!」
「……なら、姫花様はもう私達の里長ではありません。どうか、私達のことは心配しないでください」
そう言って里のエルフは微笑んだ。姫花は涙を流して言った。
「みんな……!」
姫花は決心し、佐久間の方へ向き直して言った。
「私がどうなってもサクマさんのせいではありません、これは私が望んだことです!だから……私もついていきます!」
佐久間はやれやれだと言わんばかりに頭を掻いた後、ため息をして言った。
「はぁ、寂しいなら全員来たらいいんじゃないか?」
「……え?」
「サクマ殿、あなたの世界がどんな世界か分かりませんが、それではあなたの世界に混乱を及ぼすはずです。そのご厚意は受け取れません」
「迷惑だなんて思わない。むしろ、俺としてはありがたい話だ。今の俺の世界は魔王がいるんだ、エルフが来たってどうってことない」
「サクマさん、本当にいいんですか?」
「何度も言わせるな。来たくないならそれでいいが」
「サクマ殿……!」
エルフ達は喜び合い顔を合わせる。
「私達里のエルフは、姫花様に一生ついて行く所存です!どうかなにとぞよろしくお願いします!」
「……はい!よろしくお願いします!」
その場が微笑ましい雰囲気になる。
「なら早速行くぞ、頼む」
「承知した」
佐久間はドラゴンに頼むと、ドラゴンは羽を広げて足場にしていた塔から飛び立ち佐久間の目の前に降りる。
「では我の背中に乗るがいい」
その場にいた全員がドラゴンの背中に乗ると、その巨体が上昇し始める。
「では望み通り、汝を元の世界に送る。しかと掴まれ」
ドラゴンの体が徐々に浮上し、闇が続く洞窟の空へ飛び立ちその巨体は暗闇に消えた。
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