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私の番が回されて顔が熱くなる。
「わ、私の好きな人…」
自分で落ち着いてみた。
好きな人は私しか知らないものだった。
私の心の中にそっと秘めていたこの好きな人。
二人に言う時が来るとは…。
「誰々なのよ〜」
ふゆなはウキウキしながら聞く。
私は少し間を空けて言った。
「……輝くん。」
輝くんと呼ぶのが不思議で不思議で顔がどんどん熱くなる。幸い、部屋が暗いおかげでわかんない。
「えええええええ!?」
ふゆなは興奮気味で叫んだ。
「どんなところに惹かれ…」
ふゆながそう聞いた時、ドアの開閉音がなった。
ギクッ
私は咄嗟に寝たフリをした。
先生だ。もちろん隣のクラスの女性の先生齋藤先生だけど。
「ふゆなさんの叫び声が確かに聞こえたんですけど、ふゆなさん。寝たフリはやめてください。」
齋藤先生の低い声がして私たちは震えた。
「……はい、すみません」
ふゆなは目を瞑りながらそう呟く。
廊下の光が眩しい。
「…反省してくれたならよろしい。またしたら、明日のお土産タイムあげませんし、買ったものも没収ですからね」
齋藤先生はそう脅し去っていた。
「…ふぅ、一件落着。」
ふゆなは特に焦った様子はなかった。
「こんなこと、初めてじゃないからね、ふゆなは去年の宿泊体験で何度も先生を騙しているのよ」
みりんが呆れた声で言う。私はあはは…と苦笑いした。
「それで、どんなところに惹かれたの?」
ふゆなはさっきよりも少しボリュームを下げて聞いた。
「えぇっと……爽やかなところかな?1人でもかっこいいところ」
私も緊張で声を小さくしながら呟く。
「へぇ…このははよくある少女漫画みたいな素敵な恋をしてるのね…」
みりんは少し眠たそうで優しい声でいった。
「…ふふ、明日も輝くんと進展があるといいなぁ」
私も段々と眠くなっていきいつの間にか寝てしまっていた。
子鳥のさえずりで穏やかに朝を迎えた。
私は2人より遅く起きたから2人はもう準備を始めていた。
「おはよう…」
眠い目を擦りながら私は2人に挨拶をした。
「このは…おはよう、それより寝癖すごいよ!」
みりんが慌ててそういった。
確かに鏡を見るとぴょんと寝癖がたっていた。
「うわ〜最悪!!」
私がでっかいため息をつくとみりんはニコッと笑ってこういった。
「私がしてあげるよ」
「ぇぇぇ!?いいの!?」
私は嬉しくなってつい興奮気味になってしまった。みりんは「もちろん、もちろん」とえがおでいった。
私は自分でツインテールを結んでいる。だからどうしても左右差ができてしまう。でもみりんにやってもらうと左右対称の 綺麗なツインテールができた。
「よしっ、ふゆなもやろっか?」
「お願いしますぅぅ!!」
ふゆなも神頼み。ふゆなはいつもの下ろした髪の上の方にふたつのお団子をしているがみりんは上の方ででっかめのお団子を作っていた。
「わぁ〜みりん凄!いつもさく姉にやって貰ってるけどみりんはすごいわ!」
ふゆなは大絶賛。ふゆなには「さく」というお姉さんがいる。
「さすがにさくさんには適わないよ」
みりんは苦笑いしながら言った。
「やばい、もうこんな時間、2人とも出るよ!」
みりんが時計を確認していった。
私達は急いで食堂に向かった。
食堂に向かったとき、みりんに呼び出された。
「ご飯食べ終わったら急いで布団の片付けしてそのあと、かいやまりについて話さない?」
私たちはその言葉のとおり、布団の片付けを最速で終わらせ、話し合いを始めた。
「かいやまり……魔王を倒さなきゃいけないのでしょ?」
みりんが顎の下に指を当てて言う。
「魔王の正体は、星長という日本で言う総理大臣みたいなもの…。」
私たちはメモを始めた。
「……ねぇ、思ったんだけど」
ふゆなはいつもより心配そうな声で言った。
「…なに?」
みりんは少し動揺していた。
「………この3人とパールちゃん…。で魔王に挑めるの?」
ふゆなの言葉は意外だった。たしかに、パールは少し難しそうって言ってたような…。
私の中でもやが生まれた。
「、ふゆな。心配かもしれないけど…私たちは敵を倒したことは無い…。でしょ?それなのに言えるの?」
みりんは言葉の割には優しかった。
「……言えない。」
ふゆなは声を小さくして言った。
「そうでしょ?だから…また経験を積み重ねてから決めていきたい…」
みりんがそう言うと少し空気が重くなった。
私はそれに気づいて
「……仲間を入れて悪いことはない!」
私は宣言した。
「たしかに…不必要かもしれない。でも3人で挑むより、4人。増えれば増えれば魔王を倒すことがスムーズになるし、もし変わらなくてもその子との友情が深められる。……悪いことはない。だから……誘うのも賛成だな」
声のボリュームが段々とフェードアウトしていき私は俯いた。
「……たしかに、そうよね。私も未経験なくせになに上から目線だったんだろう…。ごめんなさい。ふゆな。」
「いいよいいよ!みりんが、賛成してくれたなら私は嬉しいし!」
ふゆなとみりんの表情が徐々に緩まっていき私はとても安心した。
「……じゃあこの修学旅行で、誰かを誘おう!」
ふゆなの思い切った言葉に私たちは固まった。
「…誘わなくていーの?」
ふゆなは唖然とした表情で呟く。
「ううんっ、びっくりしただけ。誰を誘う?」
私は首を横に振って2人に聞いた。
「そりゃあね…」
「うんうん…」
2人は目を合わせてニヤニヤ。
「な、なに!?何を企んでるの!?」
私は冷汗が背筋に通るのがわかる。
2人は一体…なにを!?