コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
◤◢◤◢注意◤◢◤◢
御伽噺、童話のパロディです
一部改変含む
一応中太です
役
太宰治(白雪姫)
中原中也(魔女)
小人(中島敦、江戸川乱歩)
「今日も君達は元気だねぇ」
そう動物達に微笑み掛ける。この子達は何時も元気だなぁ、なんて思いながら洗濯をする。川沿いに面するこの場所は正に洗濯の聖地であり、入水にももってこいの場所である。要するに私のお気に入りスポット。
最近はお義母様からも命を狙われる事無く平和に暮らしている。
こんな日が続いてくれると嬉しいのだけれどねぇ…
チュンチュン
「っ嗚呼、もうすぐご飯の時間だね。準備をしてくるよ。」
洗濯物を全て籠にいれ川から離れる。直ぐそこが家なので少し重い洗濯物も運べる。
スタスタ
「よいしょっと」
家へ帰り、台所で食材を確認する。
「…あっ」
野菜が足りない事に気づいて焦る。何せ、命を狙われている身だ。できるだけ外出は控えたい。
「太宰〜?野菜なら庭にあるでしょ」
小窓から誰かが顔を出していた。声からするに乱歩さんだろう。
「!そうですね。有難うございます乱歩さん。」
「お礼はお菓子でね」
相変わらずお菓子が好きなようだ。
「さてと」
昔植えたトマトやらきゅうりやらが収穫出来るらしい。さっさと取りに行こう。
ガチャン
「太宰さん!収穫ですか?僕も手伝いますよ!」
「有難う敦くん。」
中島敦。弱っている所を助けて以来、私の手取り足取り動いてくれるいい人材(?)だ。
さて、収穫収穫〜
トントン
「ん?」
「そこの美しいお嬢様。林檎は要りませんか?」
「林檎?」
…!
突然林檎を売ってきたかと思えば其れはどう見ても毒林檎だった。其れに、売人は恐くお義母様。
嗚呼、真逆。
「なァ。もう、死んでくれねぇか。」
「……其の心は?」
「もううんざりなんだよ。王宮では蔑まられ、お前の事で一杯なんだ。もう、何も有りやしねぇよ」
そうか。
お義母様、貴方は。私を殺したくて堪らない癖に、私の事を愛しているのですね。
「なァ…もう終わらせてくれ……」
「いいですよ。」
「…!?」
曇りきった眼が微かに明るくなった気がした。
クマだらけの目元。ストレスのせいで白化したであろう髪の毛。やつれている躰。
一体何をしていたらこんな姿になるのだろう。
お義母様。私は悲しくて堪らない。だって、私も貴方に期待してたから。いつか絶対愛してくれると信じて。
「お義母様、私の事は愛していますか?」
「…死んだらな」
毒林檎を受け取り、其れを一口、又一口。
躰全体が痺れ、やがて意識が遠のいていく。嗚呼、私は初めて貴方に愛されている。
「めでたしめでたし」
「随分不穏な話じゃねぇか。コレ本当に白雪姫かァ?」
「白雪姫だよ。紛れもない、彼が話してくれた白雪姫さ。」
「彼?」
「…もう遠い昔の親友が話してくれたのさ」
「そうか…」