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1-4 薔薇には棘がある。
【春菜side】
「ただいま、」
「あら、おかえり。最近外で勉強することが増えたわね?」
「ちょっと、家だと、雨音が響いて集中できなくて」
作らなきゃ。笑顔。笑顔。
「たしかに、この家は、よく雨音とか響くもんね~」
「でしょ?」
「でも、それにも慣れときなさいよ?」
「わかってるよ。そういや、今日の夕飯なに?」
「今日は、春菜が好きなオムライスを作ったの!今食べる?」
「なら、今食べようかな。」
いつからだっけ。
お母さんが作るオムライスが苦手になったのって。
覚えてないや。
「うん。おいしいね。」
「春菜がそういってくれるだけでこれからも頑張れるわ~!春菜も勉強、頑張ってね。」
「…うん。」
「ご馳走様。勉強してくるね」
「お水要らない?途中で取に来るのめんどくさいでしょう?」
「…そうだね。そうする。ありがとう」
「頑張るのよ~!」
図書館で勉強してるってことになってるけど、本当は、叶花行ってるんだよ。お母さん。
ごめんね、嘘ついて。
今日は、どこしよう。
英語でもしようかな。
「ふぅ…」
もう22時だ。
寝なきゃ。
その前に、シャワー浴びに行こ。
「あ、お父さん。お帰り。」
「ただいま、疲れたぁ。」
「お疲れ様」
お父さんは、これぐらいの時間に帰ってくることが多い。
いつも、疲れて帰ってくるから心配。
「先に、シャワー浴びていい?」
「いいよ。先にご飯食べるから。」
「ありがとう。」
お風呂、温かい。
お風呂好きだったのになぁ、
なんか、気持ち悪い。
ちょっと眠くなってきた、
「…疲れた」
まぁ、でも、お父さんよりかは、マシなんだろうけど。
「上がろ。」
「お父さん、上がったよ」
「なら、入って来るわ」
「うん。」
さ、私はもう寝よ。
「お母さん。おやすみ。」
「おやすみなさい。春菜。」
おやすみ。春菜。
【だれだっけ、
あの笑顔、誰かに似てる、
『春菜ちゃん。』
この声、おばあちゃん、?
おばあちゃんっ、!
『久しぶりだね、ごめんね、急にいなくなって、』
そうだよっ!急にいなくなって、私っ、どれほど悲しいかったか、
『ごめんね。』
なんで謝るの?だって、おばあちゃん、何も悪くないのに…
『春菜ちゃん、今、生きてて、楽しい?』
どういうこと?
あの時と同じ声。
私が熱を出して寝込んだとき、ずっと手を握っててくれた。
一晩中、歌ってくれてた、あの声――
『今、春菜ちゃん、叶花にいるから、
私もね、昔、初代医院長がいた頃、叶花で過ごしてたの』
ぇ?おばあちゃんが?
『そうだよ。私も、そこの利用者だったの。』
あんなに明るい、おばあちゃんが、、
『おばあちゃんも昔は、春菜ちゃんみたいにだったよ。でも、おばあちゃんの昔より、今の春菜ちゃんは、ちゃんと笑えてるよ。大丈夫、って言いきれないけどね。』
おばあちゃん、
『どうしたの?』
ずっと、見守っててくれる?
『うん。見守ってるよ。』
ありがとう。】
「っ、」
ちょっと汗かいてる。
「おばあちゃん、」
見守ってくれてるんだ。
まだ、雨降ってる、
明日も、雨降ってるのかな。
コメント
1件
うわあ、春菜の家での作り笑いがすごく胸に刺さった……「うん。おいしいね」って言うところ、読んでて切なくなったよ。でも夢の中でおばあちゃんが出てきて「ちゃんと笑えてるよ」って言ってくれたの、ちょっと救われた気がした。雨の描写と春菜の気持ちが重なってて、こういう静かな感情の揺れを描けるの、ayaさんほんと上手いわ。次、春菜がどう変わっていくのかすごく気になる🔥