西侍　短編

桃）神ちゃんってさ、なんか儚いよな。

緑）何急に、儚いことないで？俺ここに存在してるし。笑

桃）してるけどさ、気ぃ抜いたら消えちゃいそうやん。

緑）大丈夫やって、俺はのんちゃんから離れへんし、のんちゃんの知らん間に消えることは無いから。

桃）ごめん急に変な事言って、笑

知らん間に消えることは無い、そう言っていた神ちゃんは、今日事故で死んだ。

飲酒運転の車に撥ねられて吹き飛んで、即死だったらしい。

桃）っ…、神ちゃん、、なんで俺の知らん間に消えちゃったん、、おかえりって、お疲れ様って言うてやっ、、

黄）のんちゃん、辛いのも分かるけど、もう神ちゃんは居らんねんっ、

桃）うるっさい、！！淳太に俺の気持ちの何が分かるって言えんねん、

黄）ごめん、

桃）神ちゃん、なぁ、目ぇ開けてや、でっかい欠伸して一緒に笑おうや、

赤）小瀧、一回外出よ、

桃）っ…、神ちゃんっ…、

葬式が終わり各々家に帰って

桃）…ただいま、

緑）おかえり、のんちゃん、

そう言って神ちゃんは微笑む

桃）神ちゃん…？あかん、俺幻覚見てるわ…、

緑）幻覚ちゃうよ、今ちゃんと俺はのんちゃんの前におる。

桃）ほんまに、？神ちゃん、？

緑）おん、おるよ、笑やからそんな泣かんといて、？笑

桃）神ちゃんっ、、

緑）あぁ、泣かんといて言うたのに、

桃）神ちゃん、もう消えんといて、俺と一緒におって、

緑）…それは出来ひん、ごめん、俺もほんまはのんちゃんとずっと一緒に居りたかってんけど、

桃）そうよな、我儘言うてごめん、でも、なんでここおるん、、？

緑）最後にのんちゃんに伝えたいことがあってさ。

桃）…なに、？

緑）長くなるけど、ちゃんと聞いてな。

桃）ん、聞くに決まってる、

緑）まぁ、ずっと愛してる、これは絶対変わらへん。のんちゃんが俺の事見えへんなっても、話せへんなっても、のんちゃんが死んで俺のとこ来たとしても、ずっと、愛してるってことは変わらへん。そんで、のんちゃんがずっと言うてくれた、神ちゃんだけは命かけても守るって、約束、まぁ、俺はもうこんなんなってもうたけど、のんちゃんには俺がついてるから、次は俺がのんちゃん守る番やから、のんちゃんにもし危ないことがあっても俺が守ったる。せやからのんちゃんには俺の分まで生きて欲しいねん、俺がおらんからって生きていけへんとか言うて死にそうやから、これは言いたかった。

あ、もう時間無い、最後にな、俺の大事で、大好きな人達と大事なものを守って欲しいねん。のんちゃんに。わかるやろ？

桃）メンバー、？

緑）そう、メンバー。そんで、WEST。それで、1番大事なのんちゃん。

WESTがもし解散するってなっても、約束守れへんかった、とかは思わんといて。しゃーないことやから。のんちゃんが生きてたら、俺はそれでええから。のんちゃんが死のうとしたり、死にかけた時は俺があっちで怒るから。どつき回して、叩き起したるから。笑

そう言って笑いながら神ちゃんはボロボロ涙を流して

それにつられて俺もより涙を流した。

緑）わかった、？約束やで、？俺もう行くから、あ、でも俺はのんちゃんの事ずっと見てるから。夢にも出たるから。笑

じゃあな、また会えた時に。お盆とか、来るから。笑

そう言うと神ちゃんはすっと消えた

桃）っ…、神ちゃん、、あかんっ、見られてる、情けない姿見せられへん、

俺は涙を拭うと切り替え、色々済まして眠りについた。

……　夢は何も見なかった。神ちゃんも出てこなかった。

桃）夢出たる言うて出て来てないやんけ、笑

そう呟いて仕事の準備を始め

桃）行ってきます、

そう神ちゃんの写真の前で呟くと心做しか神ちゃんの

緑）行ってらっしゃい、頑張ってな、

という声が聞こえた気がした。