『村の出入口で…』
村長「ミノタウロスを倒していただき、
ありがとうございました。」・眼の
前の、ダイアンたちに、お礼を言った
ダイアン「あっ、あぁ…(苦笑)。」
フィル「はは…(苦笑)。」
ぷー吉「ふあ(喜)。」・バイスと
一緒に村の外を走り回ている
若い男「あの…。どうやって、技を
仕込んだんですか?」・ダイアンに、
きてれつな犬(ぷー吉)のことを訊いた
ダイアン「仕込んだっていうか…(困)
。」・答えに詰まった
村長「それよりも、言うことが
あるでしょう?」・右側の若い男に
言った
若い男「ごめんなさい。ぼくが石柱を
壊したばかりに…。」・ダイアンたちに
頭をさげた
フィル「そんなことないよ。こっちにも
非はあるわけだし…。」・若い男に
応えた
村長「ところで、あなた方が
持っている、その本は?」・フィルの
脇の本を指した
フィル「あぁ、これは、宝箱に入って
いたんです。」・脇の本を手に
持ちかえた
村長「宝箱に?」・フィルに聞き返した
フィル「はい。そこの丘の上に置いて
ありました。」・村長を見ながら、南の
方を指した
村長「ふむ…(考)。見せて
もらえますかな?」・フィルを見た
フィル「どうぞ(笑顔)。」・村長に
本を渡した
村長「私どもの持つ本と似てますな。
」・本の表紙を見ている
ヒゲ男「確かに、似てるだ。」・村長の
左側で、自身の取り出した本と村長の
持つ本を見くらべた
ぷー吉「ふい。」・3回ほど前転した
「ズダダダッ!!」・地面から岩石の
トゲが飛び出し、バイスめがけて
突き進んだ
バイス「ふん!」・右前足で、ぷー吉の
技?を止めた
若い男「・・・・・。」
語り手「若い男は、犬たちを見て、
がくぜんとした。」
村長「・・・・・。」・本を開き、
中を見ている
若い男「ぼくも、ああいう犬を
飼いたい!」・村長に頼み込んだ
ヒゲ男「村長は、今いそがしいだ。
あとにするだよ。」・フィルに自身の
本を渡しながら、若い男に言った
フィル「こっちの方が詳しく
載ってますね。」・ヒゲ男の本を開いた
村長「文字が読めるのですか?」・本を
開いたたまま、フィルを見た
ダイアン「兄ちゃん、考古学者なんだよ
。」・フィルのことを村長に説明した
村長「そうでしたか。いや、
お恥ずかしい話。私どもは
読めませんでな。言い伝えの通り、
電動の泡立て器を用意したのですが…
(照)。」・ダイアンを見て言った
ダイアン「そういえば、電動の
泡立て器のことを忘れてたぜ。
兄ちゃん。何か書いてあるか?」・
やや上を向いたあと、フィルに訊いた
フィル「えーと、ですね…。」・本を
読み始めた
語り手「電動の泡立て器は、地面に
落ちていた。それを菓子職人が見つけて
使おうとした。しかし、回転速度が
凄まじく、なぜか、素材(タマゴや
砂糖など)に戻るため使えない。
そこへ、ミノタウロスが現れた。
菓子職人は、慌てて逃げ出したが、
その際、電動の泡立て器を
ミノタウロスの近くに、ほうった。
電動の泡立て器は、ミノタウロスの
シッポに巻きついて引きずり込んだ。」
「キュルキュル、スポン!」
語り手「ミノタウロスは黄色い玉にされ
、電動の泡立て器は、いつの間にか、
なくなっていた。」
ダイアン「意味が、わからねぇ。」・
顔をゆがめて言った
フィル「えぇ。電動の泡立て器自体は
ナゾですが、黄色い玉になった理由は、
わかりました。」・本を閉じた
ヒゲ男「村長、そろそろ…。」・村長の
耳元で言った
村長「ふむ。この本は、お返しします。
」・本を閉じて、それをフィルに渡した
フィル「あぁ、はい。」・村長の本を
受け取り、代わりに、ヒゲ男の本を
返した
村長「では、感謝の『しるし』として、
ポイット村・名物のクッキーを
お受け取りください(笑顔)。」・
本を脇に、はさみ、ヒゲ男の持つ、
クッキーを差し出した
ヒゲ男「犬用も、あるだよ。」・犬の
絵が、はいった袋と、無地の袋を
ひと組ずつ、フィルとダイアンに配った
ダイアン「この盾は、どうするんだ?
」・左手の黄色い盾のことを訊いた
村長「私どもには、
もう必要ありませんから、あなた方に
差しあげます。」・ダイアンに答えた
ダイアン「なんか悪いな。
こんな、いい盾まで、もらっちゃって
(笑顔)。」
ヒゲ男「それは、オレが作っただ。木の
板に、ゴムを張り合わせてあるだよ。
」・ハナ高々に言った
ダイアン「・・・・・。」・笑顔のまま
固まった
語り手「ダイアンは、粗末な盾を
使って、ミノタウロスの攻撃を
防いでいた(笑)。」
『ポイット村を去る、ダイアンたち…』
バイス「もぐもぐ…。」・人のように
歩きながら、クッキーを食べている
ダイアン「これ、意外と頑丈なんだな…
。」・黄色い盾を見ながら呟いた
フィル「へぇー。名物だけあって、
おいしいですね(笑顔)。」・
クッキーをひとクチ食べて、
感想を言った
ヒゲ男「村長。なんで、あの人たちを
とがめなかっただ?」・右側の村長を
見た
村長「起因は、どうであれ、この村を
救ってくれました。それに、
思ったのです。守られてばかりではなく
、私たち自身で守るのだと…。」・歩き
去るダイアンたちを見つつ、ヒゲ男に
言った
ヒゲ男「んだな。」・村長と同じ方を
向いた
若い男「ねぇ!犬が欲しい!」・村長を
見て叫んだ
『いっぽう、コマメ島の酒場では…』
酒場のジェイク「今日は、オレに、
おごらせてくれ。」・サイフォンの前に
グラスを置き、ウイスキーを注いだ
サイフォン「むっ。」・カウンターの
イスに座り、ウイスキーを
ひとクチ飲んだ
オウムの獣人「村長!何か、ひと言!
」・テーブルの席から、トラの獣人に
向かって言った
トラの獣人(ツブラ村の村長)「えー。
では、コホン。」・立ち上がって、
せき払いした
獣人たち「・・・・・。」・赤色の
ネクタイをしたトラの獣人を見ている
トラの獣人「乾杯。」・グラスを顔の
高さまで上げて言った
オウムの獣人「いやいや、そうじゃ
なくて(笑)。」・トラの獣人の
ボケに、ツッコミをいれた
獣人たち「わっはっはっはっ!!!」
酒場のジェイク「あの通り、村長が
決まってな。オレも、ほっとしている。
」・獣人たちを見ながら、サイフォンに
言った
サイフォン「ふむ。そういえば、前の
村長は、どのような人物だったのかね?
」・ウイスキーをひとクチ飲もうとして
、なんとなく酒場のジェイクに訊いた
酒場のジェイク「前の村長?あぁ。
あのバカのことか。」・サイフォンを
見てから、やや上を向いた
サイフォン(バカ?)・ウイスキーを
ひとクチ飲みながら思った
酒場のジェイク「あれは、つまるところ
、珍獣だぞ。5日前だったかな。
界・為世を名乗るアホにんが来て、
『お試しでどうぞ(笑)。』と、
おもしろ半分で置いていったんだよ。」
サイフォン「・・・・・。」・酒場の
ジェイクの話をじっと聴いている
酒場のジェイク「いま、思えば、あの、
アホにん(界・為世)。自身を作者とか
言ってたし、何か異質な感じがしたな…
。」・自身のアゴ触りながら言った
サイフォン「ふむ…。」・軽く、
うなずき、ウイスキーをひとクチ飲んだ
カメの獣人「おーい、酒!!」・酒場の
ジェイクに向かって叫んだ
酒場のジェイク「あいよ!」・
テーブルに座る、カメの獣人に
返事をした
『草原の道で…』
語り手「ここへ本を返却してください、
と書かれた立て札がある。」
ダイアン「さて、まだ昼間だし、
もう少し先へ行くか。」・宝箱を閉じて
立ち上がった
フィル「・・・・・。」・森(右)の
方を見ている
『しばらくして…』
木の獣人「困りましたね…。」・門を
見上げながら言った
語り手「この植物系の獣人は、モリト・
ジュウ。動物だけでなく、植物の声も
聴くことができるのだ。」
バイス「なにしてんだ?」・モリトの、
うしろに来て話しかけた
モリト「おや、さっき来た子の
友だちかな?」・バイスと、ぷー吉を
見て言った
バイス「?」・首をかしげた
ぷー吉「・・・・・。」・ボーッと、
モリトを見ている
フィル「すいません。勝手に
行っちゃって…。」・モリトに
謝りながら、バイスの、うしろに来た
モリト「いえいえ(笑顔)。元気のいい
子たちですね。」・フィルに応えた
ダイアン「オレたちは、旅の者だが、
どうかしたのか?」・モリトを見ながら
立ち止まった
モリト「えぇ。この、おかしな門が
ジャマをしているのです。」・門を
見上げながら、ダイアンに言った
ダイアン「おかしな門?」・門の方を
向いた
語り手「扉には『アホにん』の、
しるし、があり、扉の左右を見ると、
カードを通す機器が、ひとつずつ
付いている。」
フィル「アホにん…。」・扉を見て
言った
ダイアン「よく見ると、しるし、の下に
界・為世ってあるぞ。」・扉に顔を
近づけた
バイス「開かね。」・扉をガンガンと
叩いている
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