テラーノベル
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ああ、もう、もう……! これは反則すぎるよ、だいすさん…!(>_<)💦 雨の夜の出会いから始まる、この距離感の詰め方がたまらなく好き。 「無防備で優しい顔見せられたら理性のタガが外れる」ってIfのセリフ、めちゃくちゃ刺さった…。 初対面なのに「名前、見えちゃいました」って、ずるい、ずるすぎる…! ないこさんの戸惑いと、それでも抗えない気持ちの描き方がすごく丁寧で、私までどきどきしちゃったよ🥀 次も、絶対読みます。
続き
今回はそれほどRないです。次の話ではあります!
「……If…初対面でそういうことするの抵抗ないの…??」
弱々しく放った俺の問いかけに、首筋に顔を埋めていたIfの動きがピタリと止まった。
静まり返った部屋の中に、お互いの荒い息遣いだけが響く。
Ifはゆっくりと顔を上げると、至近距離で俺の目をじっと見つめてきた。暗闇に目が慣れて、彼の表情がはっきりと見える。
……あれ? さっきまでのイタズラっぽい笑みが消えている。怖いって。
「抵抗、ですか……」
Ifの低い声が、いつもより少し真面目なトーンを帯びて耳に届く。
「普通はあると思いますよ。初対面の男の家に上がり込んで、いきなり押し倒すなんて……頭おかしい奴のすることです」
「自分で分かってんじゃん……! じゃあなんで……っ」
「なんででしょうね」
Ifはふっと自嘲気味に笑うと、俺の手首を掴んでいた力を少しだけ緩めた。でも、離してはくれない。代わりに、彼の親指が俺の手のひらを優しくなぞる。
「雨の中で途方に暮れてた俺を、名前も知らんのに部屋に入れてくれて。温かいタオル渡して、風呂まで貸してくれて……『お金なんていい』って笑うから」
Ifの瞳の奥に、さっきまでの肉食動物みたいな危険さとは違う、熱く重い感情が揺らめいた。
「そんな無防備で優しい顔見せられたら……俺かて男ですよ。理性のタガ、外れて当然やと思いません?」
「っ……理不尽すぎるだろ……!」
「理不尽で結構です」
Ifはそう言い切ると、今度は抵抗する隙さえ与えないほど優しく、でも力強く俺の体に腕を回し、そのまま抱きすくめてきた。胸と胸がぴったりと合わさり、彼の強い鼓動がダイレクトに伝わってくる。
「初対面でこんなことするの、俺だって初めてですよ。」
耳元で落とされた甘く低い囁きに、俺の身体は完全に思考停止に陥った。
「……顔いいくせに。……女の子にお願いしたらみんな、逆に金払って泊めさせると思うけど」
抱きすくめられたまま、やけくそ気味に呟いた俺の言葉に、Ifは一瞬きょとんとした顔をした。それから、堪えきれないといった様子で「くっ……」と肩を揺らし始める。
「あはは! なんやそれ、俺の顔、そんな評価高かったんですか?」
「事実だろ……! だから、わざわざ男の社畜選んで襲う必要なんて……っ」
「ちゃうなぁ、分かってへんなぁ」
Ifは俺の頬を挟み込むように両手で包み込むと、至近距離で意地悪く目を細めた。顔が良いなんて言ったことを一瞬で後悔するくらい、その笑みは破壊力抜群で整っている。
「女の子に金払ってもらって泊めてもらうより……こうやって、無防備で優しいお兄さん困らせて、真っ赤にさせる方が何倍も興奮するんですよ」
「変態かよ!!」
「なんとでも言ってください」
Ifは気にした風もなくニヤリと笑うと、おでこを俺のおでこにこつんとぶつけた。
「それに……女の子じゃなくて、あんたが良かったんです。雨の中で声かけた時から、ずっと気になってたんで」
「っ……!」
ずるい。顔が良い奴が、そんな真っ直ぐな目でそういうことをさらっと言うのは反則だろ。仕事で疲弊した頭に直撃して、自分の顔が熱くなっていくのが嫌でも分かる。
「ほら、また顔赤くなった。……ほんま、可愛い」
俺の動揺を見逃さないIfは、満足そうに囁くと、ゆっくりと自分の唇を俺の唇へと近づけてきた。
「観念して、俺に全部預けてくださいね、……ないこ?」
名前を呼ばれた瞬間、俺の思考は完全にフリーズした。
「っ……名前、なんで……」
「最初に部屋入った時、鍵と一緒に置いてあった郵便物、見えちゃいました」
耳元で囁かれた低くて甘い声と、名前を呼ばれた衝撃で、俺の身体から完全に力が抜けた。自分の名前を呼ばれただけでこんなに胸が跳ねるなんて、完全にペースを握られている。
「……もう、逃げへんの?」
Ifが顔を少し離し、尋ねてくる。暗闇の中で見つめ返すと、彼の瞳には俺を気遣うような優しさと、隠しきれない強い熱が渦巻いていた。社畜として毎日に追われ、誰かにこんなにも強く求められることなんてずっと無かった俺の心が、ゆっくりと溶かされていく。
「……どうせ逃がすつもりないじゃん、お前。手、離してくれないくせに」
強がり気味にそう呟くと、Ifの表情がぱぁっと明るくなった。
「ふふ……じゃあ、たっぷり可愛がってあげますね」
重ねられた唇は、想像していたよりもずっと柔らかくて、温かい。
最初は触れるだけの優しいキスだった。俺の緊張を解きほぐすように、何度も、何度も角度を変えて重ねられる。唇が触れ合うたびに「ん……っ」と小さな吐息が漏れてしまい、その音に反応するようにIfのキスは次第に熱を帯びて深くなっていった。
「んむ……っ、ふ……If、っ……」
口腔を割って侵入してくる彼の舌が、俺の舌に絡みつく。呼吸が上手くできなくなって胸をトントンと叩くと、一瞬だけ唇を離し、吐息の混じった声で囁かれた。
「鼻で息して……力、抜いてください」
「っ、そんなの……無理……っ」
「大丈夫、俺に全部預けて……」
言葉と同時に、Ifの大きな手が俺のTシャツの中に滑り込んできた。熱い手のひらが、敏感な脇腹から胸元へと擦り上げられていく。冷え切っていた身体が、彼の体温に触れられるたびに熱くなっていくのが分かった。
手首を縛っていた力はいつの間にか解かれ、気づけば俺は自分からIfの背中に腕を回し、その大きな身体にしがみついていた。
「……っ」
嬉しそうに目を細めたIfが、俺の首筋、鎖骨、そして胸元へとキスを落としていく。濡れた音と、皮膚に吸い付く熱い感触に、何度も背中が跳ね上がった。社畜の疲れなんてどこかへ吹き飛んでしまって、頭の中はIfの熱と匂いだけで満たされていく。
「ぁ……っ、ん、あ……っ」
「……いい声出るじゃないですか」
暗闇の中で、Ifの低い声が甘く響く。何度も何度も名前を呼ばれ、身体の奥まで甘い熱で満たされていく感覚に、俺はただ彼に身を委ねることしかできなかった。
雨の音だけが響く静かな部屋で、俺たちの甘くて濃密な夜は、ゆっくりと更けていった。