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天樹
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主はアモンと一緒に庭を見て回っていた。
『わ〜、すごい・・・これ全部アモンが育ててるんだよね・・・』
「そうっすよ!もっと褒めてくれても良いんっすよ〜?」
『あはは、でも本当にすごいよ・・・尊敬しちゃう』
「えぇ〜?嬉しいこと言ってくれるっすね〜。
そんなお優しい主様にはバラの花束をプレゼントしちゃうっす!」
アモンは何処からか花束を取り出し、主に差し出した。
『え!すごい!・・・えっと・・・何本あるのかな・・・?』
「36本っす。意味は「ドラマチック」「覚えています」っすよ。
こんなドラマチックなプレゼントならずっと覚えててくれるかな〜って思ったんっす」
『わぁ・・・ありがとう』
主は嬉しそうに笑って花束を抱きしめた。
「・・・主様」
『なぁに?』
アモンは不意に真剣な声色で主を呼んだ。
「これから先、ずっと俺達と一緒に過ごしてくれるって聞いたときはすごく嬉しかったっす。
でも、それと同じくらい申し訳ないって思ったんっす・・・
だって、主様は悪魔と契約したわけでもなく、指輪に選ばれたってだけで日常生活とこっちの二重生活を強要されて・・・って考えたら・・・」
『アモン・・・』
主はニートで毎日ただ暇をつぶして寝るだけの生活をしていたことを思い出し、逆にこんなに気を使わせて申し訳なくなってしまった。
『私は今まで誰かの役に立てるようなこと、何一つできなかったの。
でも、こんな私を必要としてくれて、永遠にでも一緒に居てほしいって言ってくれる皆にはどんなに感謝しても足りないくらいだよ。
だから気にしないで。私が勝手にこっちに居座ってるだけなんだし』
「・・・そうっすか・・・?」
アモンは若干納得できない様子で主を見つめていた。
「じゃあ、こうするっす」
アモンはしばらく考えてからにっこり笑った。
「主様に嬉しいこととか楽しいこととかしてもらったら、お礼に36本の薔薇を贈るっす。
だから、主様・・・3600本になるまで、俺と過ごしてくれるっすか・・・?」
『アモン・・・うん、ありがとう・・・そんなにたくさん用意できるの?』
「な〜に言ってるんっすか!必ず俺が育てた薔薇だけで間に合わせるっす!」
2人は庭の真ん中で笑いあった。
温かな日差しが2人を見守るように降り注ぐ、お出かけ日和なある日。
また、主は執事と1つ約束をしたのだった。