テラーノベル
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天樹
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「美味しい〜!!」
おやつの時間に恒例となった声が部屋から漏れてくる。
それを聞いたロノはニヤける口元が止められなかった。
勿論、主は毎日毎食美味しいと絶賛してくれるがおやつの時間は特に饒舌に美味しさを語ってくれるため、ロノはいつもおやつの感想を聞きに行くのだった。
『今日のチョコレートタルトはね、甘みと苦味のバランスが絶妙なの!そしてタルト生地がサックサクで〜!上からココアパウダーがかかってるのも贅沢だよね、それに生チョコみたいにとろけるチョコレートと、サクサクのタルト生地が絶妙みマッチして最高だよ〜!
どうしよう、私全然運動してないのにずっと食べてるから太っちゃう〜…』
「いや、主様は全然太ってないですよ!むしろもっと太っても大丈夫ですって!」
『え〜そうかなぁ…』
男女の違いもあってか価値観の違いに頭を悩ませつつ、主はチョコレートタルトをもぐもぐと食べすすめる。
でも運動しないと良くないことはなんとなく主は分かっていた。
(今度ハウレスたちにダイエットの相談してみよう…)
急に黙ってしまった主を不思議そうに眺め、ロノはお茶のおかわりを注いで勧めた。
今日も今日とてロノは卵と生クリームをたっぷり使ったプリンを用意して主の部屋に向かった。
『やっっっっべ!!!どうしよう!!!』
しかし、部屋の外にも響く主の困ったような悲鳴に足が止まる。
主は結構前に仕立ててもらったドレスを着てみて、チャックが上がらなくなっていることに悲鳴を上げていたのだった。
ロノはその様子をこっそり覗き見て、カロリーの塊のようなプリンを眺めた。
「よし、明日からはダイエットデザートの研究しなくちゃだな!」
プリンは勿体ないので今日までということで食べてもらい、ロノは早速書庫でダイエットメニューからデザートまでを考えるヒントを探しに行った。
『ロノ…ありがとう、とっても美味しいよ…傷ついた心に沁みるよ…』
しょんぼりとプリンをつつく主の姿…
あんなに悲しそうな顔はもう見たくない。
おやつを食べているときくらい幸せそうな顔をしていて欲しい。
この後、『しばらくおやつ禁止にする!』と言われるとは思っていないロノと主の攻防が幕を開けるのだった…