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縁en
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なにを思われるのか、と思いながらも勇斗の方を見ると、涙を流していた。
俺はぎょっとして、空いてる方の手で勇斗の涙を拭う。
「…なんで勇斗が泣いてるの。」
「ごめん、…グス…自分が、情けなくて」
「え…?」
「仁人が、辛いことに気付かずに居たことが情けない。…俺は、誰よりも仁人が大事なのに。」
そう言いながら俺を見る。
本当に仲間思いなやつだななんて考えながら流れ続ける涙を拭ってやる。
「…ありがと。勇斗は本当に俺たちのこと好きだもんな、俺が隠してだけなのに、そう思わせてごめん。……大事に思ってもらえて嬉しいよ。」
そう微笑むと、勇斗は苦しそうに顔を歪める。
「…仲間としてだけじゃない。」
「ん?」
「もちろん、M!LKのメンバー全員大切で、本当に大事に思ってる。だけど、それ以上に吉田仁人という1人の人間が大事なんだ。……好きなんだ、仁人のことが。」
思いもよらなかった言葉に理解が追い付かず、一拍おいて勇斗をみる。
「俺のことを、好き…?」
「…ごめん、こんな時にこんな風に言うことじゃないとは思う。……でも、仁人が誰よりも大切なんだ、だから消えないで。」
苦しそうにそう吐き出す勇斗。
その姿に心が痛む。
俺が消えたら、勇斗は止められなかった自分を責めて苦しむのだろうか。
「…俺が、消えたら?」
「俺もすぐ死ぬ。」
ふと口から溢れた疑問。
それに対しすぐさま返ってきた答えにギクリとする。
「死ぬって……M!LKはどうするの」
「あいつらに任せる」
「そんな、勇斗はいなきゃだめでしょ。俺なんかに…」
「”なんか”じゃない!…俺は仁人がいなきゃ生きていけない。M!LKだって、リーダーであるお前がいなきゃダメだよ。」
勇斗がいないのと、俺がいないのじゃ全然ちがうと思うけれど、勇斗の顔は真剣そのもので…
「……もし、勇斗が俺を追って死んだら…俺、世間の人に怒られちゃうよ」
「世の中の人なんて知らん。俺は絶対にお前についてく。仁人がいれば良い。」
「………馬鹿だね、そんなに俺が好きなの?」
「好き。すげー好き。愛してる。」
「ふはっ…愛してるって。」
「ずっと好きだった。もう10年も片想いしてるんだぜ?」
「10年!?そんな前から…?全然気付かなかった…」
「俺の執着を舐めないほうがいいぞ。…地獄でもどこでもついてくから。」
「やばいね。」
「キモい?」
「うん、ちょっとね…(笑)」
「まぁ、そうだよな。でも、仲間として少しでも俺を思ってくれるなら……俺を死なせたくないなら、……どうか消えないで。俺のために生きて。」
そう懇願してくる。
俺が消えたら、勇斗が死ぬ。
うーーん………それは嫌だなぁ。俺が消えたとしても、勇斗にはずっと笑って生きていてほしい。
「……しょうがない。勇斗のために、消えるのは少し先にするわ。」
そう告げると、俺を抱き締めてぶわりとまた涙を流す勇斗。泣き虫だなぁ。
……消えたいという思いが無くなったわけじゃない。とりあえず、今日は消えるのをやめただけ。また、すぐに消えたいと思うんだろう。
でも、泣き虫で俺のことが大好きな勇斗のためにもう少しだけ頑張ろうかなって思う。
◆◆◆
あれから俺らはホテルに戻り、次の日から日常に戻った。
って言っても全部が元通りなわけじゃない。勇斗は俺に過保護になった。どこにでもついてくるし、すぐ俺を甘やかす。
想いを告げたことで吹っ切れたのか、好意を隠すこともせず、好きだとか愛してるだとかことあるごとに言ってくるし、距離も近い。
最初は何事かとドン引きしてたメンバー達も、勇斗が俺を好きなのは当たり前として扱うようになった。慣れるの早すぎだろ。
俺はと言えば、相変わらず消えたいと思うことに変わりはない。
だけど、深く沈むたびに勇斗が俺の元にきて自分のために生きてくれと告げるから、なんとか生きていけてる。
お前が死んだら、俺も死ぬだなんて
ほんと凄い脅し文句だと思うけど。
…俺なんかを好きな勇斗のために、もう少し生きていたいと思える。
まだ、同じ量の想いは返せないけど、真っ直ぐで優しくて大きな愛をくれるあいつのために。
End
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
後書き
ハッピーエンドとは言い難いけど、一応トゥルーエンドかなと思ってます。
愛があればなんでもできるなんて嘘だけど、現世に留まる理由くらいにはなるよね。
ちょっとしんみりとした感じなやつだったので、次は甘々なやつ書きたいです。
自分で書いといてあれだけど、創作のなかでも幸せでいてほしい…。
コメント
1件
うわ…ラスト、すごく切なかったです🥀 「俺が消えたら、俺もすぐ死ぬ」って台詞、重すぎて息が止まるかと思った。愛の重さが健気でありながら怖くて、でもそれが勇斗の本気なんだろうなって伝わってきました。 「消えるのを少し先にするわ」って仁人が一歩踏みとどまる決意をするところ、胸がぎゅっとなりました。ハッピーエンドとは言い難いって後書きにあって納得したけど、それでも「生きていよう」と思える理由が勇斗の存在ってのが、たまらなく哀しくて美しかったです。 甘々な次回作も楽しみにしてます🌙