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「ねぇ照くん、お化け屋敷行こうよ!」
休日の遊園地。
テンション高めな〇〇の隣で、
岩本照は露骨に顔をしかめた。
「……やだ」
「え、なんで!?楽しいじゃん!」
「無理。ああいうの、嫌い」
「もしかして、怖いの?」
「怖くねぇ。嫌いなだけ」
「(絶対怖いやつだ……)」
にやっと笑って腕を組むと、
「じゃあ平気だよね?一緒に行こ?」
「いや、マジで無理」
彼が本気で首を振る姿に、
つい吹き出してしまう。
「かわい〜〜照くん!そんなとこも好き!」
「……うるせぇ。可愛くねぇ」
そ う言いながらも、
耳がほんのり赤いのを〇〇は見逃さない。
「じゃあさ、私が前歩くから。手、つないでていい?」
「……ほんとに行く気?」
「うん!」
ため息をつきながら、
彼は観念したように手を差し出した。
「……絶対離すなよ」
「え、怖いの?」
「お前が走ると危ねぇだろ」
強がりなのに、
手のひらの温度がほんの少し震えてる。
「(あー……もう、やっぱかわいい) 」
暗闇の中、
お化けよりもずっと近くにいる“怖がりな彼”に
胸がきゅんと鳴った。