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─はじめに─
たけです。いつもありがとうございます。
今この小説を読もうとしてくださってる皆さまに今回のお話に関してのお知らせです。
こちらの4話、そしてこの次更新予定の5話は私のコナン友達が少し前に書いてくれたものを、許可をもらって私がリメイク(一部改変)したものです。
…ので、言葉の使い回しはたけでも、話の構成、展開などは友達、というようになっております。
もしこのお話が面白い!と思って頂けたらその時はお友ちゃんを絶賛してあげてください。
そしてごめんなさーい!!!泣
2話初登場のミスティア、思いっきり表記し忘れたんですけれども上記のお友ちゃんのオリキャラです!!!!もちろん許可取ってます!!言い忘れです!!ごめんなさい!!!(土下座)
1.正しい判断
「仕事だ。コイツを消してこい」
バレンシアが死んで3年が経った現在。ソライア22歳、ミスティアは24歳である。
「この顔…どこかで…」
ミスティアはジンの持つ写真をじっと覗き込んだ。
「政治家の…今改革がどうのとか言ってる奴か…」
ソライアが上着のポケットに両手を突っ込みながら言う。ミスティアが納得したような顔をした。
「その改革を実行されると俺たち組織が動きづらくなるんでな。先に殺す」
「なるほど」
「奴は明日、横浜であるイベントに出席するらしい。自身の妻と子供を1人連れてきている可能性が高いから、ミスティアは親とガキを引き離せ。ソライアはその隙に奴とその妻を始末しろ。どんなやり方でも構わねぇ」
「あら、妻は始末するクセに子供はしないの。随分と哀れな子ね」
ミスティアはわざと冷たく言った。本当は子供だって大人だって殺したくはないが、ここではそんなこと言っていられないのだ。
「あぁ。バーボンによると、奴は自身の妻になんでも話しているようだ。何か今回のことに関しても聞いているはずだ。ガキは何も聞いてねぇだろうから必要ねぇ」
「ジンにしては随分とお優しいのな」
ソライアが後ろから嫌味を言う。ジンはそれを無視した。
「…状況に応じてガキも殺せ」
「「了解」」
ソライア、ミスティアは口を揃えて返事した。
「じゃあ私たちは2人で作戦を練るから帰らせてもらうわよ。ソライア、行きましょ」
「あぁ」
2人はジンの元を去っていった。
「…さて、鬱陶しいジンから離れたことだし。計画を立てましょ。今夜19時に私の家に来てもらえるかしら」
「分かった」
ソライアは一旦家へと帰っていった。
2.作戦会議
そして19時。
ピーンポーン、と時間ピッタリにインターホンが鳴った。ソライアである。
ミスティアの家はオートロック付きのタワーマンション。初めてソライアを呼んだ時、オートロックにかなり混乱していたのを覚えている。
「いらっしゃい!コーヒーでいいかしら?」
「あ、すまない」
都心のタワーマンションの最上階。やはりリビングもキッチンも何もかも大きい。おまけにベランダまである。悔しい。
「それじゃあ早速本題に入るわね」
コーヒーを用意し終えたミスティアがソライアの向かいに座った。
ミスティアが提案したのは次のようなものだった。
横浜で行われる例のイベントの会場で、ミスティアが風船配りのアルバイトに変装。子供を誘導して夫妻から引き離し、その隙にソライアが夫婦を狙撃…。
「いいと思うぞ」
「それでね、仮にその子供も始末するのであれば、私がまず子供を周囲から見えない、誰もいない場所に誘導して、私かもしくはあなたが撃つっていう感じで考えてはいるんだけど…」
ミスティアが一度、言葉を区切る。
「…単刀直入に聞くわ。どうする?あなたは…子供を始末するべきだと思う?」
ミスティアの瞳が真っ直ぐと眼前のソライアを捉える。
「罪のない小さな子供を撃つのには少し抵抗がある。だが、その時殺さなければその子供は私やお前のような親がいない生活を強いられることになる。どちらにせよ関わったのなら間違いなく殺されるんだ。今殺っても変わらない」
「でも、証人保護プログラムを利用してどこかへ逃げれば…」
「まだ幼い子供が親を目の前で殺されておいて、その後普通に生きていけると思うか?その子供の身に悪影響を及ぼし、自らが罪を犯す可能性だってゼロではないんだ」
ミスティアは黙って俯いてしまった。親を殺され、妹を亡くし、それでもなお仇である組織に加担する自分のことを言われているような気がして…。
ソライアはローテーブルに置いてあったティーカップを手に取った。ブラックコーヒーにミルクが混ざっていく。だがコーヒーは黒いままだ。
「その子供の心を黒く染めてはいけない」
「…そうね…」
3.Xデー
そして、決行日がやって来た。
ジンとウォッカ、そしてベルモットはバンの中で警察や追っ手がいないかを確認し、ソライアとミスティアはターゲットに近づいた。
「あの、すみません!奥様も!先日の例の改革の件について少しお聞きしてもよろしいですか?」
「あぁ、構いませんよ」「何でしょう?」
ソライアから少し離れたところで、テレビ局のリポーターがターゲットとその妻にマイクを向けているのが見えた。
「ママ!パパー!ふうせんがある!もらってくるね!」
「あんまり遠くまで行っちゃダメよ〜!」
「はーい!」
これが最期の会話になるとは知る由もなく、夫妻の子供がミスティアの元へ走っていく。
「おねえさん!ふうせんひとつください!」
「1人で偉いわね〜!何色が好きかな?」
ミスティアは動じることなく、ただのアルバイトになりきっている。
「ピンクとしろがすき!くろはきらい!おねえさんは?」
聞かれてもいないのに嫌いな色までわざわざ答えるあたり、実に子供らしく微笑ましい。だがその一方でミスティアは心が痛くなるのを感じた。
「分かったわ。今はピンクないから白をあげるね。私は白と黒が好き。でも黒は嫌いな色でもあるの」
「…どういうこと?」
子供がつぶらな瞳でミスティアを見ながら首を傾げた。ミスティアはその子供の頭をそっと撫でる。
「…きっといつか、分かる日が来るはずよ。…そうだわ、せっかくだからピンク色の風船も作ってあげる。おいで」
「ほんと!?やったぁ!」
喜びの表情を浮かべる子供を尻目に、ソライアは夫妻に銃口を向けた。
『子供の身に悪影響を及ぼし、自らが罪を犯す可能性だってゼロではない』
そう話した時、心当たりがあったのはミスティアだけではない。ソライアもだ。
最愛の兄を組織のせいで喪ったというのに、”復讐のため”と言い張ってその組織に加担する。罪のない人間を殺す。
他人事のように言い放ったあの言葉。
その意味は、自分が1番分かっていたはずなのに。
パシュ!!
2発、的確に命中した。
続