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・一話参照

・暴力表現などが含まれます。

ワンクッション








































────────────

皆、幸せ幸せって言うけれど、幸せってなんなの?

それは、自分が幸せって思えば幸せなの?

皆、辛い辛いって言うけれど、辛いってなんなの?

それは、自分が辛いって思えば辛いなの?


じゃあ、幸せも辛いも分からないなら?

そうしたら、どうなるの?


痛いことも、苦しいことも。

楽しいことも、嬉しいことも。

それが全部なんなのか分からない。

じゃあ、それはなんなの?

痛いは幸せなの?

楽しいは辛いなの?


皆は、今、幸せなの?


僕には分からないや。

身体にあった赤い跡は綺麗さっぱり無くなった。

髪の毛もいい匂いで、サラサラになった。

服は触り心地がよくって、皆と同じ匂いがする。

昔に比べて、すごく生きやすくなったなと思う。

でも、それって幸せなの?

生きやすいのが、幸せなの?

じゃあ、辛いって生きづらいってことなの?


分からないや。


僕を育ててくれたあの大きな男の人。

確か、そうちょお…とかって、言われてた人。

あの人は、僕を拾ってくれた優しい人。

だからね、あの人になら何をされても嬉しかった。

それが、痛くても苦しくても。

これが、僕はされて当たり前で、これは俗に言う”愛情”なのだと考えた。

だから、辛いなんて思わなかった。

僕は、まだ大人の世界を知らない。

ただ、皆冷ややかな目でピリピリとしているというのは覚えたよ。

僕は、言われたことを言われた通りにこなし、命令を受ける。

そうすれば、皆黙って見ているだけだった。

はて、それは辛いなの?

なんだか、僕に興味を無くしたようで胸が苦しかった。

これが、辛いなの?

だから、僕は皆に喋りかけたり必要に構ったりした。

すると、皆は顔を歪ませて僕を蹴ったり殴ったり。

特には、すごく熱いお湯で体を洗われたり。

すごく痛い。でも、これをすると存在を認められているような気がして安心した。

これが、幸せなの?


僕には分からない。

だって、僕はまだ子供で、世界は大人で作られている。

未知の世界を、僕は知らない。

でも、僕は考えている。

大人は、子供には分からないよだとか、子供には早いよとか、子供は勘違いしやすいとか言うけれど。

僕はもう考えれたよ。

強い人は、世界の上位に。

弱い人は、世界の下位に。

子供は、弱い人。

弱い人は、痛いことや苦しいことを受けて、辛いも幸せも知らずに、言われた通りに生きなければならない。

大人は、強い人。

強い人は、弱い人を動かせて、いつも幸せそうな顔をしている。


てことはね。

今、僕といてくれるこのgrって人も。

本当は僕を痛くしたいんだ。

今は優しいけど、本当は違うんだ。

皆そう。

皆、きっと僕を痛くする。

僕は大人になれるのだろうか。

なったとして、僕は強い人になれるだろうか。

…無理だろうなあ。

だって、僕は親がいない。

親から受けるはずの色んな物を僕は知らない。

それが愛情でも、痛いことでも。

僕はフリな立場なんだ。

僕は、ずっと弱い人。

だから、痛いこと、苦しいことは、幸せだと思わねばならない。

これから先、沢山味わうだろうから。


正直ね、期待してる自分がいるんだ。

もしかしたらって。

もしかしたら、皆はずっと優しいままでいてくれるかもって。

でも、そんなことばかり考えてると、いつか…それこそ、辛い思いをする。

僕は、優しい貴方達が、好きで嫌いだ。

…されど、僕は貴方達の傍にいたいの。

























─────────────

gr「ci、今日はおねむなのか?」

knに呼ばれknの自室にやってくると、ciが布団を頭まで被っていた。

kn「起きろ言うても、起きへんねん。」

gr「ci、朝だぞ。」

少し揺さぶっても顔を出さない。

まるで、grから隠れているようだ。

gr「なあ、ci。どうかしたのか?ほら、私だぞ。」

kn「ciぉ、grおるで?」

それでも出てこない。

ただ、小さな声が聞こえた。


ci「い、やぁ…。」


それは、確かに否定であった。

弱々しく、だけで本気な否定。

grは眉を下げてへにゃりと笑い、自室を出た。

gr「食堂にいるからな。落ち着いたら来なさい。」

kn「俺も行くで?ああ…ここにインカム置いてやるから、なんかあったら連絡しぃや。」

ぱたんと、虚しくも扉が閉じる。


ひょこっと現れたciの頬は、赤い涙の跡がこっぴりと着いていた。

目から溢れ出る涙を、拳で乱暴に拭う。

それから、小さく咳き込んだ。

がちゃり。

ci「ひゃッ。」

また開いた扉に驚き、布団に隠れながらちらりと見る。

ci「……!!、knッ。」

慌ててインカムに手を伸ばすが、その手はゴキリと曲がった。























────────────

kn「ci、イヤイヤ期かもしらん。」

ut「なんや、イヤイヤ言ってるん?」

kn「せや。」

食堂に付き、パンを頬張りながら話す。

shp「珍しいですね。」

gr「ああ…悲しいぞッ。」

tn「ええー、見てみたいなあ。」

kn「ほんま閉じこもっとるで。」

knがパンを口に詰める。

すると、ピピッとインカムが反応した。

kn「ふごふごもごもぐッッ、もぐげほげほッ。」

パンを飲み込めずにいるknのインカムを、隣にいたzmが奪い、通信する。

zm「はーい!!どうしたん!?!?」

『ガザッ……ザザッ…ぅ"ッ…ザザッ』

ノイズ音と、小さな声だけが聞こえた。

zmは皆にそれを伝えて、皆とknの自室に走った。

kn本人はパンが喉につまり、咳き込んでいた。

それをutが笑いながら背中を叩いていた。




















───────────

zm「ci!!」

ダクトから飛び降りて、布団をめくる。

ciの姿はない。

床に、knのインカムが落ちていた。

zm「…、敵襲か?いやでも、なんでッ…。」

gr「ci!!」

到着した皆も、唖然とする。

zm「…逃げ出したか、連れ去られたか。…あとこれ、はいっ。」

kn「お、おう…。」

zmはインカムをknに投げた。

受け取ったknは、インカムを見つめる。

あの時、自分が自室にいてやれたら。


tn「…なあ、血が着いとる、やっぱciは連れ去られた可能性が高いな。」

tnは床に付着した血を眺めて言った。

grはフラフラしながら、部屋を出た。

snは追いかけて出ていった。

em「…この感じ、宣戦布告するんでしょうか。」

ut「でもまだ何処が連れ去ったか分からんで。」

shp「隣国でしょう。証拠はないけど、ciのことを知ってる時点で。」

sho「あの国、潰したいと思ってんよ。」

rb「奇遇やな。俺もや。」

rbはがらんとしたベットに座って、ciの辛い過去について、知っていることを話した。

皆はそれに深く頷いた。

kn「…俺、席外すわ。ちょっと頭冷やす。」

knはいつも整えられた髪をボサボサにして、部屋を出た。

ut「ん、まってや。」

utは、火の着いていない煙草をポケットに閉まって部屋を出た。

shp「…ぐすッ、」

ht「shp、泣かないでよ…こっちも悲しくなっちゃうよ。」

泣き出してしまったshpをhtが抱き締めた。

os「…おちゃかい、したいなあ。」

em「ciくんのために買ったキャンディ…。」

2人は窓からテラスを眺めた。



























───────────

ci「いたいよぉッ…ふぐッ、」

「おい、俺を忘れたとは言わせないぞ。」

鞭で赤く腫れたあがった腕を叩く。

ciはびくんと跳ねたあと、小さく蹲った。

「どこからどこまでめんどくさいなあ。お前は、ずっとウチで大人しくいりゃよかったんだよ!!なんでわざわざW国に行くんだ!!」

バチンッバチンッ。

ci「ごめんなさいッ、ごめんなさいッ…!!わるいこと、しないから、!!」

「ああ?ああ、いつものバットがいいよなあ、お前はバットの方が痛がるもんなぁ?」

鞭を床に叩きつけ、壁にかけられていたバットを手に取る。

ciは痛く感覚の失っていく腕で、黒猫を抱きしめた。

「んな、ゴミは捨てろオラ!!」

ci「あ"あ”あッ!!ごめんなさっ、もうしない!!もうしないからぁ…!!」

「もうしないんじゃなくて、もうお前は悪いことをしたんだよ!!反省したなら、オラ!!這いつくばって足舐めてみろよ!!」

男は靴をciに当てるように脱ぎ捨て、顔に押し付けた。

ciはボロボロと泣きながら、その足を両手で抑えながら、小さく舐めた。

「…ッち。もっと口でやってみろよ!!やけに素直だなぁ?バットがそんなにも怖いか?」

足の指を、乱暴に口に押し入れる。

ciは耐えきれずに、咳き込んでしまった。

それから流れるように足をバットで殴られる。

ci「ぁ"ぁっ…つぎはちゃんとできうッ、できッ…あ"ああッ、」

「もういい!!ぺろぺろキメェんだよ!!」

濡れた足を、ciの頭に押し当てた拭う。

それから、手錠を取り出しciの両腕につけ、壁に括りつけた。

ciは両腕に全体重がかかり、今にも腕が引きちぎれてしまいそうだ。

ci「ぃ…、ぅ……、い…たぃ、」

男はciから離れ、仲間に連絡を入れ始めた。

ci「grッ…grぅ…、いたい…よぉ、う”ぐッ」

ぼんやりとした視界で、黒猫を探す。

黒猫は踏みつけられたせいか、片目が外れてしまっていた。

そこで、ciは意識を飛ばしてしまった。




















───────────────

「はい。とりあえず痛めつけました。はい。希望なら、こいつ連れて行きましょうか。総統様。」

「…はい。分かりました。じゃあ、連れていき…」


gr「ほう、それで?」


男は通信機を床に落とした。

それとgrは拾い上げて、男に渡した。

gr「それでなんだって?連れて行く?それで?」

「…な、なんでここがッ」

gr「連れて行ってなんだって?それを聞いているんだが。」

「なんでここが分かった…!!」

gr「…今私が質問してるだろう。先に答えたらどうだ。」

「…ちッ。なに総統が1人でノコノコ来てんだよ。んなんじゃ殺られ…」

shp「…察知能力低いんですねえ。どこが1人だと?」

首に刃物が当てられた感覚になり後ろを振り向くと、shpが斧を構えていた。

gr「言え。ciは何処だ。」

「ここまで来たなら…分かるでしょう。」

gr「なるほどな。ここら辺にいるのか。詳しく言え。」

「…はっ、誰が言いますかね。それに俺を殺したら鍵の場所が分からなく…」

tn「鍵ってこれんことかな。」

「…!?!?」

tn「ふっ、雑魚すぎ。死んでどーぞ。」

gr「やれ。」

shp「はーい。」

「ま、待て!!いいのか!?本当に殺っていいのか?」

shp「?はい。」

「ええ!?!?いやいや、ほら…」

ザシュッ。

男の首と身体が別れた。

shpは頬に着いた血を嫌そうに拭った。

それから、utが泣きそうな声で呼んだ。


皆で駆け寄ると、そこにはぐたりとしているciが居た。

utは自身のコートでciを抱き上げていた。

ut「大変やねんっ、目ぇ覚まさんッ、怪我も酷いしッ…!!」

gr「貸せ。」

ut「grちゃ…。」

grはutからciを受け取り、抱っこしたままこの地下から出ていった。

tnは床に落ちている黒猫を拾い上げてshpに渡した。

tn「片目…取れちゃったな。」

shp「…また付けてあげればいいんです。」






























───────────────

gr「…!!ci。」

ci「…ぅ、gr…、?」

gr「そうだ!!ああ、起きなくていい…寝転んだままで。傷が痛むだろう。」

ci「…う。」

帰りの車で、ciはgrの膝に寝かされていた。

手当は既に施されており、出血もしてないようだった。

ci「…うぇッ。…gr、」

gr「うん?」

ci「…おみず、ある、?」

gr「ああ、あるぞ。少し上半身起こすな。痛かったら私の腕を掴むといい。」

そういって、ゆっくりと起こし水の入ったコップを口に近付けた。

ストローがついているので、ciはちゅーっとそれを飲み込んだ。

gr「…飲めたか?」

ci「…う。ありぁと。」

gr「よし、抱っこにしようか。」

grはciと向かい合わせになるように、抱っこをした。

ciはgrの腹に頭を乗せてふうと一息着いた。

gr「…よしよし、可愛い子だ。」

ci「…!!」

ciはガバッと起き上がり、隣で寝ているshpに抱きついた。

shpはうーんと唸ったあと、うっすら目を開いた。

ci「shpくっ、shpく…う」

shp「え!?!?ci!?ど、どうしたん!!」

ci「くろねこっ、くろねこがねッ…」

ああこれかなとshpは横から何かを取り出した。


両目が揃った黒猫人形だった。

ci「あ、あれっ…めが、」

shp「ははっ、返すわ。」

ci「…grっ、みて…くろねこぶじ!!」

gr「ああ、そのようだな。よかった。」

ci「うっ!!」

ciは嬉しそうに微笑みながら黒猫を抱き締めた。

ci「いたいいたいね…、ごめんねっ。いたいね。」

shp「…?」

ci「…まえ、ばっと…ばんっ、して、ごめんね。」

shp「ああ…。」

ciは悲しそうに黒猫の足を撫でながら謝っていた。

それにshpは察してしまった。

ciが何をされていたのかを。

そして溢れ出す殺意に、後ろの席に座っているutがひぇっと情けない声を出した。

ci「…gr、おうちかえるの?」

gr「ああ。もうすぐだぞ。」

ci「…そこが、ぼくのおうち?」

gr「ああ。」

ci「grたちが、ぼくのかぞくなの?」

gr「勿論だ。」


ふへへっ


明るく可愛らしい笑い声が車内を癒した。

ci「ぼく、しあわせだなぁっ」



























────────────

まだここに来て幼く、小さな頃に捕まった時、思う浮かぶのはgr達の顔だった。

優しくて、どこか男らしくて。

僕を助けてくれるだろうって思えた。


昔、鞭やバットで叩かれたり踏みつけられたりした。

でもそれは僕にとっての普通であって、痛いも辛いもか耐えること簡単だった。


なのに、久しぶりに受けるこの感覚は酷く悲しくて、僕には嫌いなものになっていた。

これはきっと、僕が本来居たい場所。

幸せを見つけたからだろうと思ってる。


その帰りの車で目を覚ました時金色の髪の毛が視界に入って、あのツンとくるような匂いが僕に気づかせた。

grが助けてくれたんだと。

僕はこの人を疑ってしまっていた。

そんな自分が憎くて仕方ない。

でも、僕は何も分からなかったから、だから正直そこまで気にしてる訳では無い。

こんなことに気にしてるよりも、grと達遊んでる方が大切だと考えたからだ。


…おっと、もうこんな時間か。


ci「…ふふっ、外交に行ってきますか〜!!」

鞄に黒猫を入れて。

幸せを胸に秘めて。

長い過去は捨てずに抱き締めて。


僕はもう、立派な大人になれました。


tn「ci〜、車出すで〜。」

ci「はーい!!」

次に向かうのは、子供の奴隷化の激しい国を無くすため。

子供は幸せを沢山浴びて生きなければならないだろう?













次回から番外編とかやるかもしらん

あとめちゃ終わり方変になってしまった。

すいません😭

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コメント

33

ユーザー

もう最高です、!!! なんかもうちゃんと過去を捨てずに持っているとことか、、、 幸せになってほしすぎる

ユーザー

見返しにきたけどこんなにたくさんの人が絶賛してる作品作れるのすごいな...まじで語彙力とか尊敬でしかないです...!!ほんとにすごい(語彙力皆無

ユーザー

未来まで書かれてるの好きすぎるぅぅぅぅ 🫶🫶 ciくんが黒猫の人形に謝れてるの賢すぎる … !! 仲間を疑ってたけど最終的には信じて 、 自分の居場所を見つけれたのに感動 ッ … 泣くぞ 。 ((

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