⚠学パロ ⚠微曲パロあります
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暑さが身にしみる8月
毎日休みの繰り返し
蝉の鳴き声も、もう慣れてきていた
からんころん
ぴーひょろろ
明るく軽快な音楽が耳に近づいてくる。
いち、に、さん。
いち、に、さん、よん。
歩幅も比例してどんどん大きくなる
提灯の明かりが目に映る。
それと同時に何気ないことを思い返す。
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
あの夏休み前の夏祭りのお誘いを二人に当たり前かの様にやんわりと断られた。
レトさんが
「お前と二人で行くのは流石に嫌。俺も予定あるし」
と言っていた
予定があるのも仕方がないことなので「そっか」と一言。
「あ、けど」
「最終日なら行ける」
レトさんには珍しく自分からの外出行けるよ発言。
俺は嬉しさと戸惑いを隠せずに目を白黒させていると、誘われないことを不思議に思ったのかチラチラとこちらをのぞき込んでいる。
それを見て勝手に口が動く
「なになに?レトさん俺と夏祭り行きたいの?」
「は?」
俺はなんて、意地悪なんだろう。
そんなこと思ってても本心の10%にも満たないからね。
「お前とではないけど。まぁ、たこ焼きは食べたいかな」
「食い意地すごw」
「お前にだけは言われたくはないわ」
「んで?一緒に行く?」
「んー、そうね。一人は流石にむなしいわw」
そう言った顔は微かに赤みがかっていて楽しそうだった。
 ̄ ̄
一応フジにも聞いてみた。まだ最俺の奴らの中でもレトさんと仲がいい奴。
だが、あいつ…「彼女いるよ」とさらりと言いやがった………しかもその反応見て「あれ?!言ってなかった?!ごめん!」なんて………ガッチさん達とおなじようなことしてんじゃねーよ。ったく…
そのあとも…
開き直ったのかフワフワしながら俺の目の前に液晶画面を押しつけて「可愛いでしょ?」とワクワクしていて自慢までしてきた
その画面には水色のはなびらの浴衣を着て何処かを向いている肩の下辺りまで髪を伸ばしている女の子の姿があった。
「いっちばん似合うとおもう!」なんて、どうせ彼女には言えもしないことをぺらぺらとほざきやがって…………!
だけど、そんな感じで微笑む………。ん?……ニヤける?と言った方が…………
………
……えー…ごほんっ
ま、まあいいや……
そんな感じで微笑む仲のいい友人の幸せな姿を見てこちらもどことなく安心した。
まあ、惚気るのは増えて欲しくないんですけどね
和やかなことしか頭にない中。しかし、俺はすっかり重大な事を忘れていた。
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
待ち合わせの神社の隣にある公園の時計台前についた。
そこまでの道中で夏休み前の出来事が繊細かつ、ザックリと脳内でフラッシュバックしていた。
15分も前にきてしまった…
俺らしくないって絶対言われる。
遠足のときの小学生みたいじゃん。
ここで突っ立って居ても時間はなかなか進まないと考えて携帯を取り出す。
LINEの通知はうるさいので基本的に消しているが、レトさんから何か連絡があったらどうしよう…
心配になった俺はロック画面を開く。
待ち受けを見て心の中で思いっっっきり叫ぶ
『のぞみーる可愛い!!!!!!!』
最近のドラマの写真を撮ってキレイに加工をしたらあら完成!
風にはらりとなびく綺麗なロングヘア
儚いのぞみーるはいくら見ても飽きないなぁ
うっとりと女々しい事を考えながら、美しさに浸っているとハッと我を取り戻す。
ホーム画面を開くと「ふっ」とさっきとは違う鼻で笑うような笑い方をしてしまう。
のぞみーるとは違う、別次元の
俺の大好きな人の写真
泊まりに行ったとき二度寝をしようとしてぼやけた寝ぼけまなこでそれを捉えた。
朝日に当たる栗色がかった髪の毛と長めのまつげ
そんな顔が至近距離にあったので思わずパシャリと一枚撮ってしまった写真だ。
それを見てまた、ニヤける。
なぜだろう。
のぞみーるの方が遠い、遠い存在なのに
レトさんの方が遠く、遠く、近づけない存在のようだ。
今日は楽しく過ごしていたい。
だからぽっかりと空いた謎のものを無視したかった、
それを「気のせい」という名前で終わらせることにした。
レトさんからの連絡は何も来ていない。
そんなことだけでほっとしていると一人の男が見えた。
見間違えるはずがない。だってあれは
レトさんだ。
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8月編続きます。
次の方が曲パロ要素高めです。
歌詞のイメージに沿ってはいません。