「 wild card(ワイルドカード)」
視線を重ねたままどれくらい経っただろうか。
体が辛いのはわかるけど、そろそろ起き上がってほしくて、回した手に力を込めた。
その時、急に 佐伯(さえき)の体が震え出す。
驚いてジャケットから手を離せば、彼は声にならない声で笑っていた。
わけがわからず唖然としていると、佐伯は額に手の甲を押し当てる。
「ほんと……。 あんたみたいな女は初めてだよ」
「えっ……なに……」
「今の、 打算も計算もなしだろ?」
「は……?」
そう言った後、佐伯は英語でなにかを呟いた。
はっきり聞き取れなかったけど、表情からいい意味とは思えない。
「……さっき英語でなんて言ったの」
「さぁ、なんだろうな 」
「どうせ悪口なんでしょ」
ひとしきり笑った佐伯は、ベッドからゆっくり身を起こした。
「”You’re a wild************************
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