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生体保護ジェルを作ろう
《対話型情報処理システムを実行・・・・・・》
何度か探索に行って、資源もいい感じに集まってきた頃、クラウドAIから連絡が入った。
《お待たせしました。
送信してもらった各種データの解析が完了しました。
これでようやく作っていたものを仕上げ、完成させられます。
個体番号G4A-U。ファクトリーAI。
貴方がたの働きに感謝します。》
また突然の連絡が入ったにも関わらず、ロボもファクトリーAIもさほど動じなくなっている。
《次は生体保護ジェルの作成をお願いします。
必要なレシピをお渡しします。
作成後、そちらにあるコンテナを生体保護ジェルで満たしてください。》
ロボは【生体保護ジェル】のレシピを受信した。
《そのコンテナが最後のピースです。
生体保護ジェルを満たすことでコンテナ筐体は完成し、新たな赤子を育むための人工子宮として、復興装置の核を担うのです。
生体保護ジェルの作成には「きれいな真水」が必要になります。
しかしむやみに探索したところでこの汚染された世界では発見することは困難でしょう。
ーー【海洋プラント】。
未汚染の真水が残っている可能性が最も高いと推定されている場所です。
当該地の座標を送っておきました。
私は復興準備を引き続き進めますが、どうかお気をつけください。
当該地へのルートは複雑怪奇です。
貴女がたの健闘を祈ります。
願わくば進む道を誤らんことをーー
ーーーー。》
[むむぅ・・・・・・クラウドAIさんもかなーり忙しそうですね。
【海洋プラント】ですか・・・・・・
そこできれいな真水を手に入れれば、ついに最後ですかね!]
ファクトリーAIはクラウドAIのそっけない連絡にちょっと不満げだ。
しかし、海洋プラントで真水を手に入れれば人類復興ができるということもあって、気合を入れてロボットに語った。
低い
[それでは、ロボットさん・・・
どうかご無事で・・・]
ファクトリーAIに見送られて、ロボは海洋プラントに向かった。
ワニのような凶暴な生物やロボットたちを蹴散らしながら、下層の真水があると思われる場所を目指す。
何度も強制帰還を繰り返し、やっとの思い出きれいな真水を手に入れることができたのだった。
ほどほど・高め
[・・・あの、私思ったんですけど・・・
きれいな真水であれば、何でも良いんですよね?多分・・・]
ファクトリーAIは自信なさげにそう切り出した。
ロボが不思議そうに首を傾げる。
[もし、あれば・・・ですけど・・・
お屋敷から貰ってくるのはどうでしょうか?
あちらの水であれば汚染は絶対にありえませんし・・・]
〈!〉
ロボはびっくりした様子で飛び上がった。
[・・・どうでしょうか?
良いと思いますか?よかったぁ・・・]
ロボが同意を示し、ファクトリーAIは嬉しそうに笑った。
ロボは早速ファクトリーAIに手紙を書いてもらい、お屋敷のルカスの元に向かった。
「・・・なるほどねぇ・・・」
ルカスはファクトリーAIからの手紙を読んで難しい顔をしていた。
「うん、いいよ。
精製水、でいいんだよね?」
〈頷く〉
「それなら、実験とか薬を作るときとかにも使うから私の分も多めに買ってもらおうかな♪」
ルカスはナックに頼んで大量の精製水を仕入れてもらうことにした。
精製水が届くまでの間は、この前のようにトリコと遊んだりして時間を潰した。
木箱に入った精製水が山と届くと、ルカスとラムリが必要な分を転送装置に運んでくれた。
「よし、この箱で最後だね」
「はいっ!ロボット君、頑張ってね〜」
トリコ、ルカス、ラムリに見送られて、大量の精製水を手に入れたロボは嬉しそうにテラリウムに戻っていったのだった。