テラーノベル
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「あ~!よかったぁ」
ガチャンと重たい扉が閉まる音がして、一気に心が軽くなった。涼架さんは、大きく伸びをしてるし、お兄ちゃんは、さっきからずっと僕の頭を撫でている。お兄ちゃん、少しだけ丁寧になった?……いや粗いのは変わらないな。
「よく頑張ったな。さすが俺の弟だ」
「うわぁん、もとき君、よかったぁ。もとき君がいなくなったらどうしようってずっとドキドキしてたぁ」
僕も、家族になれたんだったら、もう追い出されることはないのかな。本当に、ここにずっといていいのかな。お兄ちゃんと、お兄ちゃんたちと一緒にいて良いんだ。
「涼兄ぃうるせぇ。元貴、疲れてんだから」
……そういえば、どうしてお兄ちゃんは、僕が隠れてた場所が分かったんだろう。結局、僕、使用人さんたちの棟の一番奥の、一番偉い人のお部屋にいたみたいだし。
「元貴を探しに行くときに、じいちゃん……あのお年寄りの使用人さんいただろ?あの人に、どこにいるか知らないかって聞いたんだよ」
お年寄りの使用人さん……一番偉い人だ。僕が隠れてたお部屋の人。じいちゃんって呼ばれてるんだ。思ったよりゆるく呼ばれてるんだね。僕の場所、その人が教えたのかな。
「そしたらさ、『あなた方は、本当に兄弟なのですね』って言うんだよ。意味わかんねぇよな」
うん、よく分からない。兄弟に、嘘とか本当とかってあるの?だって、お兄ちゃんと涼架さんも本当の兄弟でしょ?
「でも、じいちゃんが俺の質問に意味のねぇこと言うわけないから、いろいろ考えてみたんだよ。それで浮かんだのがあそこってわけ」
ん?……どういうこと?
「俺も昔、よく、勉強が嫌になったり、怒られて悔しかったりしたら、じいちゃんの部屋の棚のなかに隠れてたんだよ」
そうだったんだ。でも、それがどうして僕がいるって思ったのにつながるの?
「兄弟って似るって言うだろ?『兄弟ですね』ってそう言う意味かなって。そう考えたら、俺と同じような行動をしてるってことだからな」
兄弟は似てる。絵本にかいてあったな。甘いのが好きなのも似てたし、おしゃべりが苦手なのも似てる。最近気付いたけど、選ぶ服も似てる。確かに、お兄ちゃんと似てるのたくさん。
「懐かしいなぁ、滉斗がいなくなる度に、僕が『でてきて~』って言って、棚をぽこぽこしてたんだよ」
「ぽこぽこじゃなくて、ドカドカだろ」
「で、だいたいでてきた滉斗に『うるさい』って怒られるの」
僕のほうが年上なのにね~って。ふふ、涼架さんらしいな。小さいときから、お兄ちゃんも涼架さんも変わらないんだ。なんだか嬉しい。お兄ちゃんとおそろいって。
「……夕飯、どうする?豪華なのがいい?」
そういえば、お父様が「セイダイに祝うといい」って言ってたっけ。セイダイってなにか分からないけど、祝うはおめでとうってすることだよね。
「そうだ!外食でも行かない?お祝いっぽいし」
「元貴がいいなら、良いけど」
ガイショク?え~っと、ガイはお外、ショクは食べる。だから、お外で食べる。え!お外でご飯が食べれるの?行ってみたいかも。ちょっと気になるかも。
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コメント
2件
正真正銘の家族になれてよかったです!! 続き楽しみにしてます!!!
よかったねぇ...!!!( *´꒳`* )よかったよぉ...!