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霜月リラ@瑠璃ノ月第4夜
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ちいちゃんのかげおくり
二
それから、何ヶ月かたちました。
お父さんからの便りはなく、街には毎日のように、恐ろしい飛行機の音が響いていました。
ある夜、突然、けたたましいサイレンの音が鳴り響きました。
「空襲だ!」
お母さんの叫ぶ声と同時に、外が真っ赤に染まりました。
お母さんは、ちいちゃんの手を強く引き、お兄ちゃんをもう一方の手で引いて、家を飛び出しました。
あたりは、火の海でした。黒い煙が、もうもうと立ち込めていました。
たくさんの人が、泣き叫びながら走っていました。
「おかあちゃん、痛いよ、足が痛いよ。」
ちいちゃんが泣き出すと、お母さんは、ちいちゃんを背中におぶいました。
走って、走って、お母さんは必死に逃げました。
しかし、大勢の人の波にもまれて、お母さんは、お兄ちゃんの手を離してしまいました。
「お兄ちゃん! お兄ちゃん!」
お母さんが後ろを振り返り、人混みを探そうとしたそのとき、向こうから大きな火の粉が降ってきました。
ちいちゃんは、恐怖で目を強くつむりました。
二段落 終わり
コメント
1件
ちいちゃんの「足が痛いよ」って声、本当に胸にくるね…お母さんが必死に背負って逃げるのに、お兄ちゃんの手を離しちゃうところで一気に息が詰まった。戦争の現実が音や色で迫ってきて、読んでるこっちまで怖くなったよ。続きがすごく気になる…ちいちゃんがどうなるのか、ちゃんと見届けたい。