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―1年後―
夜の11時過ぎには私はすっかり疲れ切って、車のハンドルをボーッと握っていた、今日はそれは大変な一日だった
まず休日だったはずの朝に店長からの、電話にたたき起こされてインフルエンザにかかってしまったので自分の代わりに店を開けてくれと電話をよこした
代役はみつからなかったので今日は私は二人分の仕事をこなさないといけなかった
またクレープの具材で有機野菜だと聞いて、オーナーが仕入れていた自称有機野菜農家が実は化学薬品を使っており
全然有機的でない野菜を食材に使っていたことが判明し、メニューにも堂々と有機野菜使用と明記しているのに
オーナーはカンカンになって農家に文句を言いに出かけ、おかげで私は有機野菜を求めてあちこちの八百屋を回った
おまけに閉店間際に新しく入ったばかりのアルバイトの子がレジミスをし、結局今の今まで一人でレシートとにらめっこして差額を報告していたのだ
時間は夜の11時過ぎぐぅーっとおなかが鳴った
そういえば忙しすぎてお昼から何も食べていなかった
私は冷蔵庫の中身を思い出していた、昨日仕込んでいたカレーライスがある、スパイスを数種類も入れて私好みに仕込み
特性の牛の肩ロースを入れて、何時間もコトコト煮込んだせいでこれ以上ない程美味しく出来上がったのが、自分の家の冷蔵庫に眠っている
思い出しただけで口の中に唾がたまった
ご飯も出勤前にタイマーセットをしているので今頃は美味しく炊きあがっているはず
そして店から持って帰ってきた、もうすぐ賞味期限が切れる、ティラミスが保冷パックに入って助手席に眠っている
そもそも賞味期限とはその食品が美味しく食べられる期限なので、1日2日経ってもすぐ腐ると言うものではいのだが、日本の食品衛生管理下の元商売をする以上商品としては出せない
なので持って帰ってあとは私の胃袋に収まるというわけだ、飲食店勤務のメリットはまさにそこだ
この日本に問題が起こっている、食品ロスのテーマの論文を今度の店長会議に議題で上げてやろうかと思った