テラーノベル
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久々に、あんなに声を上げて泣いた気がする。
ころん 「……落ち着いたかな?」
莉犬 「よかったぁ」
ころんさんと莉犬くんが、顔を覗き込んで優しく微笑む。
ころん 「中に入ろっか」
心音 「……っ」
目の前で大泣きしてしまった恥ずかしさで、俺は俯いたまま小さく頷くことしかできなかった。
一歩足を踏み入れると、カウンターの奥や読書スペースに、三人の先客がいた。綺麗な白髪の男の子と、黒と白のツートンカラーの髪をした体格の良い男性、そして長い髪を後ろできれいにまとめた女性。
「みんな、戻ったよ〜!」
ころんさんが声をかけると、三人が一斉にこちらを振り返った。
「おかえり」
「おかえりー」
「おかえりなさい、お疲れ様」
それぞれが、俺たちに向かって当たり前のように『おかえり』と言ってくれる。それだけで、また胸の奥がツンと痛くなった。
ころん 「この子が、さっきなーくんから連絡があった心音くんだよ」
ころんさんの紹介に、カウンターの奥から白髪の男の子がひょいと顔を出した。髪にバッテンのヘアピンをつけている。
メルト 「心音ね。俺、メルト。よろしく」
続いて、たくさんの本が並ぶスペースから、ツートンカラーの男性が歩み寄ってきた。
まぜ太 「俺はまぜ太。よろしくな」
すごくガッチリとした体型で強そうだけど、その笑顔はとても気さくだ。
最後に、女性の従業員さんが柔らかい口調で丁寧に話しかけてくれた。
女性従業員2 「私の名前は『なつ』っていいます。よろしくね、心音くん」
ころん 「あと二人、今は二階にいるから、それは後で紹介するね」
ころんさんはそう言うと、俺のお腹のあたりをじっと見つめた。
「それより心音くん、お腹空いてない?」
言われてみれば、今日はずっと何も食べていなかった。
心音 「……空きました」
蚊の鳴くような小さな声で答えると、ころんさんは嬉しそうにニカッと笑った。
ころん 「こっちおいで」
手招きされて、木製の温かみがあるカウンター席に座る。
すぐにメルトさんが、湯気の立つ温かいお茶と、大きなおにぎりを目の前に差し出してくれた。
ころん 「うちの自慢のおにぎりだよ!」
ころんさんが胸を張る。ふっくらと握られたお米の上に、ちょこんと鮭のほぐし身が乗っていて、すごく美味しそうだ。
メルト 「……アレルギーとか、ない?」
メルトさんが少しぶっきらぼうに聞いてくる。
心音 「ない、です……」
メルト 「なら、冷めないうちに食べな」
心音 「いただきます……」
手に持つと、手のひらからじんわりと温かさが伝わってくる。大きく一口、口に運んだ。
心音 「……おいしい」
噛み締めた瞬間、思わず本音が口から溢れていた。塩加減が絶妙で、お米が驚くほど甘い。
メルト 「ならよかった」
メルトくんはふいっとそっぽを向いてしまったけれど、耳の後ろが少し赤くなっている気がした。
莉犬 「美味しいよね〜! 俺もここのおにぎり大好きなんだ!」
莉犬くんが隣で嬉しそうに声を弾ませ、ころんさんはそれを満足そうに眺めている。
さとみ 「それじゃ、俺らはそろそろ交番戻るわ」
莉犬 「そうだね、なーくんたちも待ってるし」
二人が立ち上がると、メルトさんがカウンターの奥から、少し大きな袋をすっと差し出した。おにぎりが透けて見える
メルト 「はい、これ……」
莉犬 「わぁ〜! ありがとうメルメル! なーくん達と一緒に食べるね!」
さとみ 「メルト、ありがとな」
メルト 「……別に。余ってただけだし」
どこまでも素直じゃないメルトさんに、さとみさんはニヤリと笑って頭をぽんっと叩いた。
ころん 「二人とも、また明日ね〜!」
がちゃり、と扉が閉まり、二人の警察官が帰っていくと、店内には心地よい静寂が戻ってきた。
温かいお茶を飲み干し、おにぎりを完食すると、ころんさんが優しく微笑みながら立ち上がった。
ころん 「じゃあ、二階に行こっか」
その言葉に、俺は無意識のうちに少しだけ身を構えてしまった。二階で、一体何を言われるんだろう。警察の人みたいに、また色々と深く聞かれるんだろうか。
ころん 「そんなに身構えなくても大丈夫だよ」
俺の不安を察したように、ころんさんは声を和らげる。
ころん 「少し、お話するだけだからね」
促されるままに歩き出し、俺は二階へと続く階段の前に立った。
ゆうな
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#みじかめです、!
夢仁羽
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コメント
3件
うわ、第4話めちゃくちゃあたたかい回だった……! 泣きはらした心音くんに「おかえり」って言ってくれる空気感、一気に沁みたわ。おにぎりの描写が丁寧で、塩加減とか米の甘さとか書かれてるだけでお腹空いてくるし、メルトさんのツンデレ具合も可愛すぎる。まだ二階に誰かいるみたいだし、これからどうなるのかすごく気になる。続き楽しみにしてます🔥(HISORAさん、素敵な世界観ありがとうございます!)