テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
「明日は朝が早いから、今夜はゆっくり休もう」 その宮舘さんの言葉は、一見すればいたわりと優しさに満ちていました。しかし、その「休息」を確保するために、昼下がりの隠れ家で行われたのは、渡辺さんの魂を根こそぎ奪い去るような、壮絶なまでの愛の儀式でした。
婚礼を翌日に控えた、雲一つない快晴の昼下がり。 窓から差し込む暴力的なまでの陽光が、逃げ場のないキングサイズのベッドを白く照らし出していました。
宮舘さんは、昨夜までの涙が嘘のように静謐な、しかし底の知れない瞳で渡辺さんを押し伏せました。
「翔太……明日の夜、お前は神の前で俺だけのものになる。だから今日は、そのための『準備』をしよう」
宮舘さんの指先が、まだ生々しく残る首筋の噛み跡をなぞります。渡辺さんは、その指の冷たさに背筋を震わせながらも、抗うことをやめました。昼間の明るさの中で晒される自分の身体。どこに逃げても、宮舘さんの視線からは逃れられない。
「……っ、涼太……、あかるい、よ……」
「いいんだ。お前の隅々まで、太陽の下で刻みつけたいんだ」
そこから始まったのは、慈愛を装った執拗な支配でした。宮舘さんは渡辺さんの喘ぎ声を吸い込み、彼の肌に新たな「愛という名の暴力」を上書きしていきます。渡辺さんは、昼の光に焼かれながら、自分が宮舘という存在の中に溶けて消えていく感覚に、恐怖と、それ以上の快楽を覚えていました。
ベッドでの熱が冷めやらぬまま、宮舘さんは渡辺さんを抱き上げ、サンダルウッドの香りが立ち込める浴室へと運びました。 揺れる水面に、二人の肢体が重なり合って映し出されます。
宮舘さんは、渡辺さんの背中を愛おしそうに洗い流しながら、何度もその肩口に唇を寄せました。 「お前は本当に綺麗だ、翔太。このまま、水に溶かして俺の身体に取り込んでしまいたい……」
「いいよ……、そうして。涼太の一部になれるなら、俺、消えてもいい……」
お湯の温かさと、宮舘さんの低く甘い声。渡辺さんは次第に、どこまでが自分で、どこからが宮舘さんなのかが分からなくなっていきました。宮舘さんに洗われるたび、愛されるたび、自分という個人の輪郭が削り取られ、ただの「宮舘涼太の所有物」へと造り変えられていく。その喪失感が、渡辺さんにはこの上なく心地よく感じられたのです。
ベッドでの情事の後、宮舘さんは「身体を休めよう」と、渡辺さんを優しく抱き上げて浴室へと向かいました。しかし、ゆらゆらと湯気の立ち込めるその空間は、宮舘さんの自制心を繋ぎ止めるどころか、最後の一線を踏み越えさせるトリガーとなりました。
サンダルウッドの香りが充満する広い湯船に、二人の身体が沈みます。
「翔太、お湯加減はどう?」
宮舘さんは背後から渡辺さんを包み込み、耳元で低く囁きました。渡辺さんは、宮舘さんの大きな胸板に身を預け、安堵の溜息を漏らします。
しかし、宮舘さんの手は、単なる「清拭」には留まりませんでした。 濡れて透き通るような渡辺さんの肌。そこには、先ほど付けたばかりの紅い痕跡が点々と並んでいます。それを見た瞬間、宮舘さんの瞳に、抑えきれない暗い欲望が再び宿りました。
「……翔太、ダメだ。君がこんなに無防備だと……俺の理性が、言うことを聞かない」
「あ……っ、涼太……、休むんじゃ、なかったの……?」
渡辺さんの困惑した声は、宮舘さんの荒い吐息にかき消されました。 宮舘さんは渡辺さんの細い腰を湯船の中で引き寄せ、逃げ場を塞ぐように強く抱き込みます。水中で触れ合う肌は、驚くほど滑らかで熱く、二人の境界線を曖昧にしていきました。
「君が悪いんだよ、翔太。そんなに愛おしい顔で俺を見るから……。君のすべてを、一滴残らず俺の色で染め上げないと気が済まないんだ」
宮舘さんの口づけは、ベッドの時よりもさらに激しく、渡辺さんの酸素を奪い取っていきます。お湯の熱さと、身体の奥を貫くような衝撃。渡辺さんは、溺れるように宮舘さんの首に腕を回し、のけぞりました。 浴室に響く、水音と、混じり合う激しい呼吸。
「……っ、りょうた、壊れる……、俺、壊れちゃう……っ!」
「壊れていい。俺が、何度でも作り直してあげるから」
激しい揺らぎの後、渡辺さんは宮舘さんの腕の中でぐったりと力なく沈んでいました。 宮舘さんは、呼吸を乱しながらも、満足そうに渡辺さんの濡れた前髪をかき上げます。その瞳には、最愛の者を完全に屈服させた「捕食者」の悦びが溢れていました。
「……あ、あ……」 渡辺さんは、もはや言葉を紡ぐ気力も残っていません。ただ、自分を抱きしめる宮舘さんの、心臓の鼓動だけが唯一の現実でした。 お風呂から上がり、宮舘さんに丁寧に身体を拭われ、服を着せられる。その「甘い介護」のような時間に、渡辺さんは自分が一人の人間ではなく、宮舘さんの精巧な「人形」になっていく快感に、深く、深く沈んでいきました。
(……もう、いいや。涼太に、全部壊されて……俺がいなくなっても、いい……)
宮舘さんは、渡辺さんを再びベッドへ運ぶと、毛布を優しくかけました。 「今度こそ、お休み。……愛してるよ、翔太」 その声は、驚くほど澄んでいて、先ほどの狂気が嘘のようでした。この「冷酷な支配」と「底なしの慈愛」の往復。それこそが、渡辺さんの精神を完全に破壊し、婚礼へと導くための、宮舘さんの完璧な調教だったのです。