テラーノベル
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レッスン初日。
スタジオには、すでに何人もの女の子がいた。
みんな綺麗で、洗練されている。
(やっぱり…)
場違いな気がした。
でも、引き返さなかった。
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レッスンが始まる。
歩き方、姿勢、視線。
すべてが難しい。
頭ではわかっても、体がついていかない。
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「違う」
インストラクターの声。
「もっと芯を通して」
「はい…!」
何度もやり直す。
何度も失敗する。
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気づけば、最後まで残っていた。
他の子たちは帰っていく。
音だけが、鏡の前に立ち続けていた。
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「そんなにやるんだ」
ふいに、後ろから声。
低くて、落ち着いた声。
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振り向いた瞬間、時間が止まった。
(……え)
そこにいたのは——
ポスターの中の人。
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「音…さん?」
思わず名前が出る。
すると彼は、少し驚いたように目を細めた。
「…同じ名前か」
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「はい…」
「珍しいな」
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しばらく沈黙。
心臓の音がうるさい。
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「毎日やるの?」
彼が聞く。
「…はい」
「へえ」
少しだけ笑う。
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「俺も最初、そんな感じだった」
その言葉に、音は顔を上げた。
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「え…?」
「何もできなくて、でも残ってた」
少し遠くを見る目。
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「名前、同じなのにさ」
彼は軽く肩をすくめる。
「スタートは全然違うな」
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その言葉に、音は少しだけ悔しくなる。
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「…でも」
自然と口が動いていた。
「追いつきます」
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一瞬の沈黙。
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それから彼は、少しだけ驚いたように笑った。
「いいね」
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「じゃあ、証明してよ」
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その言葉は、挑戦みたいだった。
でも——
どこか楽しそうでもあった。
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同じ名前の、二人の音。
まだ交わったばかりの線が、
これからどんな形になるのかは、誰も知らない。
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でも一つだけ確かなことがある。
これは偶然じゃない。
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