テラーノベル
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基本的に仕事が終わるとぼくの家に一緒に帰る事が多いのだけど、今日は久しぶりに涼ちゃんの家に来ている。
あまり綺麗好きとは言えない涼ちゃんの家は、相変わらず物が沢山あって、所々雑に物が置かれていて、 付き合いたての時は気になってしまい、せかせかとそれらを片付けていたぼくだけど、今となっては、この散らかり具合が涼ちゃんの家に来たなって感じがして、いつの頃からか落ち着くようになっていた。
実は今日、スタジオでの新曲の練習で、涼ちゃんはどうしても上手くいかない箇所があり、家で練習したいからと言うことで、涼ちゃんの家に来ていた。
涼ちゃんは家に帰るなりキーボードに向かい、ヘッドフォンを付けると練習し始め、 音は聞こえないけど、指の動きで今日上手くいかなかった箇所を何度も弾いているのを、ぼくは横目で見ながら、隣でパソコンを開いた。
涼ちゃんの家に来てから、あっという間に2時間が過ぎようとしている。
ある程度仕事が片付いたぼくは、腕を上げて伸びをしながら涼ちゃんを見ると、集中力を切らすことなく、まだ一生懸命鍵盤を叩いていた。
でも、その指の動きを見る限り、どうやら上手くいかなかった箇所は克服したようで、克服出来たのが嬉しいのか、今日のスタジオで弾いてたより楽しそうな涼ちゃんの綺麗な指先を、気付いたら目で追っていた。
しばらく見ていると、涼ちゃんの指が止まったので、指先から目線を上に向ける。
「ふぅ、なんとか形になってきた!」
そう言って、ホッとしたように笑う涼ちゃん。
「お疲れ様。」
そう言って、ぼくも同じく笑顔を向けると、涼ちゃんは、『もぉ〜、毎回難しすぎるよ〜。』と言って、また笑った。
「でも、出来た時はレベルアップした感じで嬉しいんだけどねっ。」
「じゃあ、今日レベルアップしたって事?」
「そう!だからさ、ご褒美頂戴!」
「ご褒美?なにそれ。ブリュレとか?」
「ブリュレもいいけど、僕が1番好きなの!」
「1番?…きのこ?」
「ちっが〜う!僕が1番好きって言ったらさ~…」
そう言って、涼ちゃんはキーボード前の椅子から立ち上がると、僕の両脇に腕を入れ、スタジオから含めたら今日1日ずっとキーボードを弾いていて、手や腕を酷使した人とは思えない程の力で、ぼくをヒョイっと抱きかかえた。
「え、ちょ!なに?!」
急な出来事に慌てるぼくの事なんてお構いなしの涼ちゃんは、抱きかかえたままぼくを運んで行くと、寝室のドアを開け、そのままベッドの上に押し倒した。
「ぼくが1番好きなのは元貴に決まってるじゃん。」
「…ちょ、もしかして…んっ///」
ご褒美はぼくだなんて言い出さないよね?と言おうとしたのに、その前に涼ちゃんの唇で口を塞がれ、そのまま舌が絡まり、どんどん濃厚なものになっていく。
「ん、、ぁっ、ちょっとぉ、、」
「ん?な〜に?」
「ぼく、していいなんて言ってないんだけどっ。」
「するってなにを~?」
ぼくの台詞にニマニマする涼ちゃん。
やられた…!
〝なにを〟を答えたら、きっと涼ちゃんは『そんな事、考えてたの?えっち。』と言ってくるに決まってる。
そうなると、その後の展開は容易に予想できる。
いや、ベッドに連れて来られた時点で、もう既に詰みだったのかも…
「っ、んぅ、、やだっ、、」
ぼくが何も言えなくなったのをいい事に、着々と進んでいく行為。
涼ちゃんはぼくの服の中に手を入れ、あちこち愛撫を始める。
嫌だと言いながらも、ぼくの気持ちいい所を知り尽くしてる涼ちゃんにぼくはどんどん絆されていく。
「そういえば、元貴、さっき僕の指見てたでしょ?」
ぼくの足の間からそう言いながら顔を出す涼ちゃん。
…まさか、見られてたなんて。
別に悪い事ではないのだろうけど、なぜか恥ずかしい気持ちになる。
「元貴、ぼくの指好きなの?」
「や、あの…」
「好きなんでしょ?」
「わっ、ちょっ…」
涼ちゃんはぼくの腰をグイッと上に持ち上げると、自分の指を舐めて濡らすと、ぼくのそこにあてがった。
この無理な体勢のせいで、自分の恥ずかしい所が全て丸見えで、思わず目を覆いたくなる。
「だめ、ちゃんと見てて。」
「あ、やっ、、んっ、、」
さっき、綺麗だと思っていた涼ちゃんの指先が少しずつぼくのナカに入ってくるのが見える。
もう何度もしている行為なのに、今日はこの行為がなぜかもの凄く悪い事のような気がして、いつもより心臓がドキドキしてしまう。
「りょ、ちゃん…だめっ、そんな汚いとこぉ、、」
「え〜?いつもしてる事だよ?」
涼ちゃんが悪い顔してる。
絶対確信犯だ…!
「んあっ、あ、ソコ、、」
「ココ、元貴の好きなとこだよね。」
涼ちゃんの指先がぼくの気持ちいいところクイクイと押す度に、身体がビクビクと反応してしまう。
あの綺麗な指で…
どうしよう、今日のぼく…なんだか変態みたいだ…
「ねえ、元貴。何考えてるの?」
「あっ、や、、なにもっ…んんっ、、」
「うそだね。今、なんかえっちな顔してたもん。」
「あんっ、んぅ、、ほん、とだってばぁっ、」
「ふ〜ん…じゃあ、このまま指でイくのと、僕のでイくの、どっちがいい?」
「…あ、、りょうちゃんのが、いいっ、、」
一瞬迷った事、バレたのだろうか。
涼ちゃんが疑いの目でぼくの事を見ている 。
今日のぼくは本当にどうかしてる。
一瞬、あの綺麗な指先でぼくの気持ちいいところをもっと突いて欲しいと思ってしまったなんて…。
「お願い。りょうちゃんの…挿れて?」
変態だと思われたくない一心で、ぼくは、恥を忍んで、涼ちゃんに渾身のおねだりをした。
「んん〜……もうっ、僕の負けです…!そんな可愛いおねだりされて断れる人間この世に居る訳ないじゃないっ。」
少しだけ間が空いた後、涼ちゃんは悔しそうにそう言うと、指を引き抜き、ぼくの腰を下ろして大きく足を広げさせると、既に硬くなっている自分のモノをあてがい、ゆっくりと腰を進めてきた。
「んっ、はっ、、おっきぃ、、」
指とは比べ物にならない大きさに、全身がゾクゾクする。
「…指はこっちにあげるね。」
涼ちゃんはそう言いながら、さっきぼくのナカに挿れてたのと反対の指をぼくの唇に付けると、口の中に挿れてきた。
「やっ、ふぁ、、あっ、、んぅっ、 」
「噛んだらだめだからね。」
そして、ぼくの舌を指先で撫でるように弄ぶ。
舌の上を涼ちゃんの指が滑る度に、ゾクゾクしてお腹の下が熱くなる。
「舌、気持ちいの?ナカ、めっちゃ締まる。 」
「あっ、や、わかんにゃいっ、、」
「あはっ、ごめんね。舌掴まれてるから喋りずらいよね。」
謝りながらも離すつもりはないらしく、そのまま舌を弄りながら、下から激しく突いてくる。
「あっ、あっ、やらぁ、、んああっ、、」
「これ、いいね。元貴のえっちな声たくさん聞ける~。」
口を閉じる事が出来ない為、声を我慢する事が出来ずに、快感を与えられる度に声が出てしまう。
「らめっ、あっ、、ふぁっ、や、も、イっひゃう、、」
「いいよ。僕も元貴が可愛すぎてもうイっちゃいそ、、」
パンパンと肌がぶつかる音が早くなる。
「ああっ、あ、やらぁ、、あっ、イ…っ、、 」
そして、1番奥まで突かれた瞬間、ぼくは身体を震わせながら、自分のお腹の上に白濁した液を吐き出した。
気持ち良くて身体をビクビクさせるぼくを満足気に眺めた涼ちゃんは、舌から指を離し、両手でぼくの腰を掴み、さっきよりもさらに激しく腰を動かし始めた。
「やだぁっ、あっ、待ってぇ、、んあっ、イッたばっかなのにぃッ、、」
「っ、もうちょっと、頑張って、、」
「んぅ、あっ、、あっ、やだぁっ、、」
「んっ、、はっ、イ…くっ、、」
「はあ?!しょーもなっ!」
行為後、ぼくは冷静になった頭で考え、 そもそも、ぼくが変態みたいな思考になったのは涼ちゃんの指先が綺麗で…なんだかえっちかのが悪いんだ!ぼくの舌ぐにぐにしてきたし、変態なのは、ぼくじゃなくて涼ちゃんの方だ!
と、開き直ったぼくは、 ずっと口を開けてたせいで涎でぐちゃぐちゃになった顔を、腹いせに涼ちゃんの着てたTシャツを引っ張りながら拭いてると、ぼくが不機嫌になっている事に気付いたのか、涼ちゃんが急に謝ってきた。
急に謝られても意味が分からず、どういう事かと聞いてみた後の第一声がさっきの『しょーもなっ!』だ。
「だってぇ、嫉妬しちゃったんだもん。」
「いや、意味分からん!指だよ?!しかも!自分の!」
「分かってるよ?けどさ~、練習してた時、元貴、僕じゃなくて、指ばっか見てるからさぁ。」
どういう事か聞いてみたけど、結局意味は分からないし、本当にしょうもない。
自分の指に嫉妬する人間なんてどこに居るんだよ…!
て、事はあれだよね?
涼ちゃんの意味分かんないしょうもない嫉妬のせいで、ぼくは涼ちゃんのが欲しいだなんて、あんな恥ずかしい事を言う羽目になったって事だよね?
もうっ…なんでぼく、こんな意味分かんない人好きになっちゃったんだろ…
「わあーー!もうやだーーー!!」
「うあああん、ごめんってぇ。」
-fin-
コメント
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ぅー、尊い…