【長編小説/初恋めもりいより】
今日はお互い実家に用事があり、一緒に地元に帰って来ている。
用事を済ませ、久しぶりの実家の自分の部屋でくつろいでいると、『お邪魔しま~す!』と聞き馴染みがある声と階段を登ってくる音が聞こえてきた。
そして、ガチャリと開いたドアの隙間からは、ぼくの予想通り、つい最近、幼なじみから恋人になった涼ちゃんが顔を出した。
「用事、もう終わったの?」
「うん!」
涼ちゃんは、また、お邪魔しまーすと言いながら部屋に入ってくると、ベッドでゴロゴロしているぼくの隣に腰を下ろし、ポンポンと膝を叩いた。
ぼくは、本当は少し恥ずかしかったけど、そんな素振りは見せることなく、よいしょっと身体を動かし、涼ちゃんの膝に頭を乗せた。
所謂、膝枕ってやつ。
なんだか、とても恋人っぽくてムズムズする。
「これ、一緒に見よ~。」
涼ちゃんは、ぼくの髪の毛を人撫でしてから、実家から持ってきたのであろう、アルバムを取り出してページを捲った。
そこには小さいぼくと、やっぱり何度見ても女の子みたいな涼ちゃんとの二人の写真が沢山貼られていた。
「やっぱり小さい時の元貴、可愛いねぇ。」
「涼ちゃんって、小さい時のアルバム、本当に好きだね。」
二人で住んでいる家にもアルバムが置いてあり、涼ちゃんは、暇があるとそのアルバムを見ながら、色々と思い出を話してくれていた。
「見て見て!この元貴、にっこにこで可愛い~。この時さ…」
別に、アルバムを見たくないとか、思い出話を聞きたくないとか言う訳では無い…
「あ!この時はね、買ってもらったアイス落としちゃったから泣いてるんだよ。泣き顔も可愛い~。」
聞きたくない訳ではないし、 ニコニコしながら話してる涼ちゃんもすごく可愛いなって思うんだけどさ…
「わ!僕、元貴の頬っぺにちゅうしてる~。」
モヤモヤする。
だって、今、ぼくは目の前に居るのに、涼ちゃんは写真のぼくばっかり見てさ。
ぼくの大好きなその笑顔だって、目の前のぼくにじゃなくて、小さい時のぼく向けたものでしょ?
それに、『小さい時の元貴、可愛いねぇ』って、じゃあ今は可愛くないって事?って思うし。
あ、いや…別に可愛いって思って欲しい訳じゃないよ?
可愛いより、かっこいいって言われた方が嬉しいし…
まあ、とにかく!ぼくとしては、思い出もいいけど、今のぼくを見て欲しいんだ。
「ん?どうしたの?」
ぼくはクルッと身体を涼ちゃんの方に反転させると、腰にギュッと抱きついた。
「眠い?」
涼ちゃんの問いかけに、ぼくは横に首を振る。
分かってるよ。
こんなのつまらない嫉妬だって事。
でもさ…
「…今のぼくは可愛くないの?」
顔を上げずに、涼ちゃんにそう聞くぼく。
ああ、もう。小さい時のぼくに嫉妬するなんて、本当にダサすぎる。
「え、あ…そういう事?」
涼ちゃんは、ぼくが何を思ってるのか分かったのか、ふふっと笑った。
「今の元貴は、 可愛いって言うより、かっこいいかなっ。」
「…ほんとに?」
ズルいなぁ。
涼ちゃんは、そうやっていつもぼくが欲しい言葉をくれちゃうんだから。
「うん!まあ、小さい時もかっこよかったけど、今はもっともっともっとかっこいい!」
「ふーん。」
本当はすごく嬉しいのに、こんな反応しか出来ないぼくは可愛くないな…と自分で自分に悪態を付きつつ、涼ちゃんの言葉に嬉しくてニヤニヤしてしまう。
そんな今の顔を見られたくなくて、さらにギュッとして涼ちゃんにくっついた。
「あ、あの~、元貴。」
「なに?」
「あの…あんまりそこで喋らないで。」
「ん?なんで?」
「いや、だからさ…」
「なに?言わなきゃ分かんないって。」
「ほら、その…」
「なに?言えない事?……あ。」
「もう~!元貴が悪いんだからね!」
「わっ、あ、ちょっと待って!」
「ちょ、やめろよっ、てかここ実家…!」
「うん、だから声は我慢してね。」
「やっ、無理ぃっ、、んんっ、指、挿れんなぁ、、」
確かに、無意識とは言え、涼ちゃんの股間に顔を埋めてたぼくが悪かったのかもしれないけど、気が付いた時には既に手遅れで、いつものんびりしている涼ちゃんの動きとは思えない素早さで、ベッドに押し倒されスボンとパンツを剥ぎ取られてしまった。
「なんで?ここ気持ち良さそうな音してるよ?」
「ふぁっ、ん、、そんな事ないっ、、」
「えぇー?ほら、ローション使ってないのにグチュグチュしてる。」
「っ、うるさい…!」
涼ちゃんはぼくの制止を聞く事なく、ぼくのナカを広げるように指を動かしていく。
何度しても慣れないこの行為にぼくはシーツをギュッと握る。
そんなぼくの様子に気付いた涼ちゃんは、シーツからぼくの手を取り、自分の首にまわした。
「ギュッてするなら僕にして?」
そう言って、ニコッと笑うと、指を引き抜き十分慣らされたソコに自分の硬くなったモノを押し付けた。
結局いつもぼくはこの笑顔に負けるんだよな…と思い、諦めたぼくは涼ちゃんが着てたTシャツの首元をギュッと握った。
「…キツっ、ん、元貴…もうちょっと力抜いて、、」
「…んぅ、はっ、、ムリっ、、」
十分慣らされたと言っても、まだまだ涼ちゃんのモノをすんなり受け入れる事の出来ないソコは、自分のナカに入ってくる異物を出そうとしてしまう。
「も、ちょっと…っ、ん、、」
「ふぁっ、、ぁ、んんぅ、」
「…ん、っ、…全部挿入った、、分かる?」
「あっ、やだっ、、お腹押さないでぇ、、」
涼ちゃんにグリっとお腹を押され、ぼくはビクビクと身体を震わせた。
押さなくても、涼ちゃんのモノが奥まで入ってるのは分かるのに、ぼくのその反応が見たいのか、涼ちゃんは何度もお腹をグリグリしてくる。
「ふぁっ、んんっ、、もう、分かってるから…!」
ぼくは涙目で涼ちゃんを睨む。
すると、涼ちゃんはいつものフワフワした笑顔じゃなくて、少しだけ意地悪そうな顔で、ニッと笑った。
「さっき、元貴の事かっこいいって言ったけどさ…えっちの時の元貴はすっごく可愛い。」
その意地悪そうな笑顔が、いつもの涼ちゃんじゃなくて、ぼくはドキドキしてしまう。
てか、涼ちゃんこそいつもはふわふわして可愛らしいのに、えっちの時はなんでそんなかっこよくなるの?
本当、調子が狂う。
「も…いいから早く動いてよ。」
「照れてるの?可愛い、、いっぱい気持ち良くしてあげるね。」
涼ちゃんは、ぼくのナカから自分のモノをギリギリまで引き抜くと、一気に奥まで突き刺した。
「うあっ、やあっ…ん”ん”ん”っ、、」
急な強い刺激にぼくの身体はビクビクと跳ね上がり、ここが実家だと言う事を忘れて声を出してしまった。
すると、涼ちゃんが片手でぼく口を抑え、もう片方の手の人差し指を口に当てた。
「シーっ。気付かれちゃうよ?」
「っ、誰のせい…!」
「えぇー。動いてって言ったのは元貴だよ?」
涼ちゃんはそう言って、今度はゆっくり腰を動かし始めた。
ぼくは、引き抜かれる感覚も奥まで入ってくる感覚もゾクゾクしてしまい、我慢しなければならないのは分かっているのに、声が漏れてしまう。
「ぁ、、んっ、ぅぁっ、、あっ、」
「元貴、声漏れてるよ?」
「ふぁっ、ぁっ、だってぇ、我慢っ、出来な…いっ、、」
「ふふっ、まだ数える程しかえっちしてないのに、もうお尻気持ち良くなっちゃったの? 」
「んっ、ぁ、分かん…ないっ、、んあっ、」
「ほら、また声出てる。我慢しなきゃ。」
「やぁっ、ムリぃ、、も、動かないでっ、、」
ゾクゾクしてする感覚から逃れたくて腰を引くけど、涼ちゃんに腰を掴まれ直ぐに戻されてしまう。
「うーん、動かないのは無理だから口塞いどいてあげるね。」
涼ちゃんはそう言うと、奥を突きながら自分の唇でぼくの唇を塞いだ。
「ん”ん”っ、、ふぁっ、ん”ぅ、ぁ、、」
さっきより激しく腰を動かしながら、ぼくの舌に自分の舌を絡めてくる。
「やっ、ん”っ、、はっ、ん”んっ、」
「っ、はぁ…元貴大好き。」
コンコン。
「「?!?!」」
ガチャ。
「2人とも夕飯食べてくー?って、あら?元貴寝ちゃったの?」
「あ、そうみたいです。」
「涼架ちゃん、夕飯食べてく?」
「いや…明日仕事なんで、もうちょっとしたら帰ります。」
「そう?じゃあ元貴も夕飯いらないわねー。」
バタン。
「ふぁ~、焦ったぁ。」
ドアが閉まる音と、涼ちゃんの安堵する声が聞こえ、ぼくは涼ちゃんに押し込まれた布団の中から顔を出した。
「焦ったじゃないよ!だからやめろって言ったじゃん!」
「ごめ~んっ。」
怒るぼくに、謝る涼ちゃんは、さっきまでのかっこいい雰囲気は消えていて、いつものふわふわした雰囲気に戻っていた。
「さっ、あと少ししたら帰ろ〜?」
「えー、ご飯食べてから帰ろうよ。」
「う〜ん…」
渋る涼ちゃんに、何か理由があるのかと首を捻ると、涼ちゃんはぼくの耳元に口を近づけてきて…
「早く帰って続きしよ。」
いつもよりも少し低めの声でそう囁き、いつもの柔らかい笑顔を向けてきた。
かっこいいと可愛いの合わせ技なんてズルすぎる…!
ぼくは顔を赤くして涼ちゃんを見つめる。
そんなぼくに涼ちゃんはスマホを向けたかと思うと、カシャッと写真を撮った。
「ちょ!何撮ってんの?!」
「思い出〜。元貴の実家でえっちしました記念!」
「なにそれ…!」
「いいじゃんっ。これからもいっぱい二人の思い出作っていこうね?」
そう言って、涼ちゃんは思い出が増えた事を嬉しそうに笑い、怒ってるぼくの頬っぺたに、ちゅっと音を立ててキスをした。
-fin-
コメント
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何回も思うのでしつこいと思いますが何回でも伝えさせてくださいっ! だいすき!さいこー!らぶ!🫶🏻︎💕︎︎