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朝の公園。木漏れ日がベンチの上にやさしく落ちている。鳥の声が遠くで聞こえて、風が少しひんやりする。
架純はベンチに座って、無言で飴玉の包みを開けた。
包み紙の音がカサッと小さく響く。
その飴を口に入れ、ゆっくり舐める。
隣の優太がニヤッと笑って近づき、指で飴を取る。
「それ、うまそう〜」
そう言って、自分の口に入れた。
「……あ、また取った。」
架純は少し目を細めて、淡々と声を出す。
「次食べたらお金払わせるよ?」
優太は肩をすくめて笑う。
「へぇ〜、いくら?」
架純は少し考えて、口をゆるめずに答える。
「……まぁ、1000円くらい?」
「高っ!」
優太が驚いて笑ったけど、次の瞬間少し声を落として言う。
「でも、架純のためになるんだったら、いいか。」
架純は一瞬、目をぱちっと見開く。
「……え、今なんて?」
優太は笑って頭をかきながら、とぼける。
「え〜……なんだっけな〜?」
風が少し吹いて、二人の間にふわっと甘い空気が流れた。
*「ほんとずるい」*
架純はヘッドセットを軽く直し、画面越しに確認する。
「みんな、準備できた〜?」
優太は笑い声を混ぜて応える。
「はいはい、準備オッケーだよ〜!」
希空は可愛らしい声で返す。
「うん、大丈夫だよ」
寧は元気いっぱいに声を張る。
「よーし、希空も俺も盛り上げるぞ〜!」
蓮は少し塩対応気味に言う。
「今日は俺の方が負けないからな!」
椿は明るい声で宣言する。
「よーし、今日も全力でいくよ〜!」
昴は天然気味に元気よく声を出す。
「みんな準備できたかな?よーし、始めるぞ〜!」
紬は無邪気に叫ぶ。
「わー!始まった〜!」
画面越しに笑い声や掛け合いが絶えず流れ、配信のワクワク感が部屋中に広がる。
架純は少しだけ心を緩め、落ち着いた声でつぶやいた。
「…頑張ろうね」
「はぁ〜!やっと終わった〜!」
椿の明るい声が真っ先に響いた。
「ほんとだね〜、今日めっちゃ長かった〜!」
希空が楽しそうに笑いながら言うと、優太の笑い声が小さく混じる。
「お疲れ〜。でも、結構盛り上がったな」
寧が少し息をつきながら言うと、蓮が短く返す。
「だな。最後のあれ、マジでカオスだった!」
「ふふっ、でも楽しかったね」
希空の穏やかな声に、昴が明るく答える。
「楽しかった!途中で僕、笑いすぎて声出なかったですもん!」
紬が元気な声で続ける。
「皆さん、お疲れさまでした!今日も楽しかったです!」
架純は静かにマイクを外しながら微笑んだ。
「うん、お疲れさま。今日もいい配信だったね」
その言葉に少し間があいて、椿が勢いよく声を上げる。
「さてと!女子組、約束してたお出かけ行こっか!」
「そうでした!やった〜!」
紬が嬉しそうに弾んだ声を出し、希空も嬉しそうに頷く。
「うん!外出るの久しぶりだもんね!」
架純も立ち上がりながら、少し落ち着いた声で言う。
「じゃあ、支度しよっか。」
——少しして、玄関に集まった女子組。
靴を履く音と、軽い話し声が重なる。
「バッグ忘れてない?」「大丈夫〜!」
そんなやり取りのあと、椿が元気よく声を上げた。
「それじゃ、行ってきまーす!」
「行ってきまーす!」
紬と希空も声を合わせる。
架純は最後にドアノブに手をかけて、ゆっくりと開けた。
「行ってきます。」
外の空気がふわりと流れ込み、ドアが静かに閉まる。
その音を聞きながら、リビングに残った男子組の笑い声が遠くで響いていた。
昼下がりのカフェ。
柔らかな光が大きな窓から差し込み、ほんのり甘い香りが漂っていた。
「わ〜、ここ可愛い〜!」
椿がテンション高く声を上げ、店内を見回す。
「ほんと。落ち着いてていい雰囲気だね」
希空が嬉しそうに微笑みながら席に着くと、架純は静かに頷いた。
「ケーキおいしそうです〜!どれにしようかなぁ…!」
紬がメニューを見ながら嬉しそうに声を弾ませると、希空が優しく笑う。
「どれも美味しそうだね〜。このいちごのタルト、かわいい!」
「それ食べたい!あ、でもチョコケーキも捨てがたい〜!」
椿が悩みながらメニューをくるくる回すと、架純が淡々と口を開く。
「決まらないと店員さん来ちゃうよ」
「うぅ〜〜!選べない〜!」
そう言って頬を膨らませる椿の姿に、希空と紬が思わず笑い声を漏らす。
架純は小さく息をついて、わずかに口元を緩めた。
少しして、全員のケーキとドリンクが運ばれてきた。
「わぁ…!おしゃれ〜!」
希空の声に、みんなの表情がぱっと明るくなる。
「ねぇねぇ、これ写真撮ろ!」
椿がスマホを構えると、紬が姿勢を正して笑顔を作った。
「はい、チーズです〜!」
シャッター音が響いて、静かな店内に小さな笑い声が重なる。
「こうやって4人で出かけるの、久しぶりだね」
希空の言葉に、架純はカップを見つめたまま小さく頷く。
「……たまには、こういうのも悪くないね」
「ね、こういう時間大事だよね〜!」
椿がうなずきながらケーキを頬張る。
「次どこ行く?ショッピング?それとも雑貨屋?」
「雑貨屋さん行きたいです〜!かわいいマグカップ欲しくて!」
紬の目が輝いて、希空が優しく笑う。
「いいね〜。私も新しい小物欲しかったんだ」
そんな話をしていたとき、椿がストローをくるくる回しながら何気なく言った。
「ねぇ、みんなさ……好きな人とかいる?」
その言葉に、一瞬だけテーブルの空気が変わる。
「えっ、恋バナですか!?」
紬がぱっと身を乗り出し、目を輝かせた。
「わ〜!いいですね!私そういう話大好きです!」
希空が微笑みながら「紬ちゃん元気だね〜」と笑うと、椿が続ける。
「じゃあ紬ちゃんから!誰か気になる人いるの?」
「う〜ん……まだいないですけど、素敵だな〜って思う人はいます!」
「お〜!誰誰!?」
「ふふっ、それは秘密です〜!」
紬が楽しそうに笑うと、椿と希空も釣られるように笑った。
「希空ちゃんは?」
椿が聞くと、希空は少しだけ考えて、柔らかく答えた。
「……いるかもしれない。でも、まだちゃんとわからないかな」
「そっか〜!でも希空ちゃんなら絶対モテるでしょ!」
椿が言うと、希空は恥ずかしそうに肩をすくめた。
そのとき、紬がきらきらした目で架純を見た。
「じゃあ次は架純さんです!」
「……私?」
架純は一瞬だけ動きを止めた。
「そうですよ!気になる人とか、いないんですか?」
「……いないけど、」
淡々と答えようとした声が、ほんの少しだけ震えていた。
希空が穏やかに微笑む。
「架純ちゃん、照れてる?」
「……別に」
短く答えたその顔が、ほんのり赤く染まっているのを見て、
椿が思わず笑った。
「可愛い〜!架純ちゃんが照れるの珍しい!」
「……やめて」
架純は小さくため息をつき、そっぽを向く。
その静かな仕草に、3人の笑い声がふわっと重なった。
カップの中の氷が静かに揺れ、午後の日差しがやわらかくテーブルを照らしている。
「……じゃあ、次は雑貨屋行こっか」
希空が優しく言うと、紬が元気に手を上げた。
「はいです〜!早く行きたいです!」
「よーし、決まり!」
椿の明るい声とともに、カフェの時間が穏やかに流れていった。
カフェを出て、4人は通り沿いの小さな雑貨屋に到着した。
店内は木の温もりが感じられる落ち着いた空間で、所狭しとかわいい小物が並んでいる。
「わ〜!ここも可愛い〜!」
椿が店内を見渡しながら声を弾ませる。
「ほんとだね。落ち着く雰囲気」
希空は微笑みながら、並んだ小物をひとつひとつ見て回る。
「うわ〜、このマグカップ、めっちゃかわいいです!」
紬は小さな声で叫ぶように言いながら、棚の上のカップを手に取る。
「これ欲しい〜!あ、でもこの小物も可愛いです!」
紬の目はキラキラしていて、まるで宝物を見つけたみたいだ。
椿も負けじと手に取る。
「これとこれ、迷う〜!どっちがいいと思う?」
希空が静かにアドバイスする。
「うーん、両方でもいいかもね。色合いが可愛いし」
「そっか〜!じゃあ両方にする!」
椿は嬉しそうに笑い、さっと棚に戻す前に握りしめる。
架純は静かに商品を見つめながら小声でつぶやいた。
「……このブックカバー、質感いいね」
希空がそっと横で頷く。
「うん、架純ちゃん、似合いそう」
「え〜、じゃあそれも買っちゃう?」
紬が目を輝かせて聞くと、架純は軽く肩をすくめる。
「……まあ、いいかも」
椿がふと笑いながら言った。
「ねぇ、希空ちゃんは誰かにプレゼントしたいとかある?」
希空は少し照れくさそうに、でも穏やかに答える。
「うーん、考えたことなかったけど、可愛いもの見つけたら友達にあげたいな」
「わぁ〜、優しい〜!」
紬は目を輝かせて笑う。
「私も、誰かにあげるの大好きです〜!プレゼント考えるの楽しいですよね!」
店内には、4人の笑い声や小さな会話が心地よく響く。
「ねぇ、これ見て〜!」
椿がちょっと大きな声で言うと、紬と希空が駆け寄る。
「可愛い〜!色も綺麗!」
「わぁ、私も欲しい〜!」
4人は笑いながら、それぞれ気になる小物を手に取り、雑貨屋の静かな午後を満喫していた。
玄関のドアが開き、女子組が楽しそうに帰ってきた。
「ただいま〜!」
椿の明るい声が響くと、紬も元気に続く。
「ただいまです〜!」
「おかえり!」
リビングから声が返ってくる。優太が軽く笑いながら言った。
「おかえり〜」
寧も少しからかうように言葉を添え、蓮は短く「おう」と返す。
「おかえりです。遅かったですね」
昴も元気だけど丁寧に声をかけた。
「ただいま…」
架純は控えめに静かに頭を下げた。
「いや〜、今日めっちゃ楽しんできたね!」
椿が手に持った小物を見せながら言うと、紬も目を輝かせる。
「雑貨屋さん、すごく楽しかったです〜!色々見れてテンション上がりました!」
「僕も一緒に行きたかったです〜」
昴が少し笑顔で言うと、椿は笑いながら「もう、また今度ね!」と答える。
「でも女子組だけでも、楽しそうでしたね」
昴が柔らかく微笑みながら続けると、希空が穏やかに頷いた。
「私も〜!ケーキも可愛かったし、小物も全部欲しくなっちゃった!」
椿が手に持った小物を揺らすと、紬が嬉しそうに「次は男子も連れて行きましょう!」と笑った。
リビングには、帰宅した男子メンバーの声と、女子たちの笑い声が交わり、
今日の楽しい余韻がゆっくりと漂っていた。